2020年3月13日金曜日

『ミレニアム6 死すべき女(上)』(ダヴィド・ラーゲンクランツ)読みました。


確かレイモンド・カーヴァーさんの
エピソードだったと思うんですが、
間違っていたらごめんなさい。

若い作家が、カーヴァーさんに
最近発表した作品について、
言い訳っぽく言ったそうです。

「なんだかんだでせっつかれしまい
 妥協してしまいました。
 もう少し時間があったら
 もっといい作品になったハズなんです」

それを聞いたカーヴァーさんは、
意味がわからないという感じの表情をして
「それなら、なんで作家なんかやってるんだ」
と返したとか。

作品に対して何かしらの違和感があったら、
それはまだできていないってことで、
そんなものは発表するハズがない、
作家を名乗っている以上
そんなことするハズがない、
と思っていたのかな。

というより、
自分が満足できるモノを
つくるのが作家であって、
その作業が面白いからやっていて、
なぜにその面白い部分を省略しちゃうんだ、
「君は君が面白いと思うことを
 しているんじゃないの」
って言いたかったのかな。

で、この『ミレニアム6 死すべき女(上)』。

これから下巻に進むので、
まだ全体の感想は言えないのですが、
これまでのシリーズ5作品にあった
内容の詰まり具合からすると、
密度が低い感じがしました。
時間がなかったのかな、
などと思ったらカーヴァーさんの
(じゃないかもしれないけど)
エピソードが浮かんだ次第。





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