2020年1月23日木曜日

『地獄の楽しみ方 17歳の特別教室』(京極夏彦)読みました。


いつだったか忘れましたが、
フランス文学者の
内田樹さんがツイッターで、
これからの社会を生きる若い世代に向けて、
「ごめんなさい」みたいな
つぶやきをしていました。

自分たちの世代が、
こんなに生きにくい
世の中にしてしまった、と。

それ読んだとき、
「いやいやそれは、
 今に限ったことじゃなく、
 人間が言葉を使うようになって
 役割分担して暮らすようになった
 大昔から、ずっと同じだろう」
と思いました。

生きやすい天国のごとき世の中は、
あと1000桁くらい
世代が入れ替わらないと、
できはしないんじゃないか、って。

内田さんよりも
もっと前の世代の人を思い浮かべてみても、
その道では一番の栄誉だろう
ノーベル文学賞を受けた川端康成さんだって
理由はよく知りませんが
自死したようですし、
(あ、もし川端さんじゃなく、
 三島由紀夫さんがノーベル賞をとっていたら、
 2人とも自ら命を絶たなかった
 なんて話も聞いたことあります)
そんな具体例を出すまでもなく、
学校で習う歴史を見れば、
どの時代に生きていた人も
生きにくさは感じていたんじゃないかな。

で、この『地獄の楽しみ方』。

タイトルにある「地獄」って、
ぼくらがいるこの世の中のことを
指しているようです。
京極さんは他の本で、
この世は「たまに天国、いつもは地獄」と
いっていた気がします。
そしてこの本では、その地獄を
面白がってみるのも一興と勧めています。
あれ? 今回はちゃんとした書評みたいに
なってるような……。





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