2017年5月15日月曜日

『蒼穹の昴(3)』(浅田次郎)読みました。


自動車がどういう仕組みで走るのか。
ガソリンを燃やすエンジンから、
どうやって、あのスイスイ走る動きが
伝わっていくのか。
それは、なんとなくイメージできます。

ガソリンをぎゅうぎゅうに圧縮
→火花をつけて爆発させる
→その勢いでピストンを動かす
→ピストンの動きを
 タイヤの軸に連動させる
→タイヤが回って車がスイスイ
…って感じですよね。大雑把には。

それは頭の中に図を描けるんです。
たぶん、仕組みが単純だから。

でも!
すすっとイメージを
結んでくれない仕組みがあります。

人間(というか動物全部)が
どんな流れでもって動いているかです。

自動車と同じに
走る動作を考えたとしたら、
人間なんかは、
足裏で地面を蹴って進むんですよね。

その足を動かすとき、
ガソリンみたいな燃料は
どうやって使われて、
その力はどうやって伝わっていくのか。

筋肉が伸びたり
縮んだりするんだろうなってのは、
なんとなくわかるんですが、
エンジンの動きみたいな
イメージ図(フロー図)が、
すんなり頭に浮かばない。

それはたぶん、
ぼくの知識不足が一番の原因なんでしょうが、
その頭の悪さを除いたとして、
イメージをつくらせない一番大きな障害は、
生き物が動くときの複雑さなんだと思います。

複雑なものは、
全体をまるっと理解しようとするとダメで、
ほんの一部分だけを抜き出して
まずチョットだけ理解し、
また次の一部分をわかっていく……
って感じの「断片かじり囓り戦法」で
読み解いていかないと、頭がおっつかない。

で、この『蒼穹の昴(3)』。

中国の清王朝の歴史なんて、
複雑すぎて、
普通ならぼくの頭では
すんなり理解できるはずはないんです。
でも、
一部分を上手に抜き出して
エンタメまぶして説かれるので、
ぼくにもわかっちゃいました。
ドキドキハラハラ、面白おかしく。




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