2017年5月10日水曜日

『マリアビートル』(伊坂幸太郎)読みました。


約千年前に書かれた源氏物語は、
作者とされる紫式部が記した
オリジナルは残っていない
(見つかっていない)そうです。

それが
どうやって伝えられきたかというと、
まったくの人海戦術。

印刷機がなかった昔なので、
手書きで写し取って、
それをまた別の人が書き写して、
って感じで、
ずっと引き継がれてきたとか。

そうなるとコンピュータで
コピペするわけじゃないから、
誤字脱字なんかは出てくるだろうし、

ひょっとすると、
善意のクリエイティブな人が、
書き写している間に
「いやいや、この流れじゃなく、
 こうしたほうが面白いだろう」
なんて話を盛ったり、
変えちゃったりってことも
ないとはいえないでしょう。

ぼくは、あれを読んだとき、
「この話、伏線があちこちに張られてるな」
って思ったんです。

継ぎ足しみたいに伏線つけると、
あちこちに齟齬が出てくるもんですが、
そんなほころびもなく、
きちんと物語を組み立ててるなって。

もしかしたらそれって、
善意のクリエイティブな
写本職人さんが
やったことなのかな、なんて思ったりして。

で、この『マリアビートル』。

源氏物語とはジャンルも何も
ぜんぜん違うけど、
よくできてるって所は同じです。





**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************