2022年9月29日木曜日

『新しい世界を生きるための14のSF』(伴名練 編)読みました。


昔々の映画学校のとき
実習として一番最初に撮らせてもらえたのは、
尺が2〜3分がくらいの
ショートショートムービーでした。

どんな話にするか、
みんなが脚本を書いてきて選ぶ。

ぼくはそんとき、
とにかく数射ちゃ当たるだろうと考えて、
十数本提出しました。
(教務課の先生から
「そんな奴は学校始まって以来初めてだ。
 どれも内容はカスだけどな」
って言われました)

だって、
200字詰め原稿用紙で2〜3枚埋めれば、
それで1本なんですから。

合計で20〜30枚になるけど、
1つの話じゃないから、
全体に筋を通して辻褄合わせの
ストーリーテリングしなくてもいい。
思いついた一場面と、
なんとなくの結末だけつければ
それで1本できちゃう。

あの頃は、電車通学で
片道2時間弱ガタゴト揺られていて、
その暇さ加減に、
いろんな妄想が頭の中にぐるぐるしていたから、
思いつく場面なんかいくらでも出てきたんです。

忘れ物の傘が話しかけてきて
持ち主の家に持っていけと命令したり、
棚の上のスポーツ新聞が落ちてきてぼくに貼り付き、
そこに印刷されていた水着嬢とキスして赤面したり、
電車に飛び乗ったと思ったら授業中の教室だったりとか。
……やっぱカスですね。
なのでもちろんすべて不採用でした。

で、この『新しい世界を生きるための14のSF』。

当たり前だけど、14のSFのどれもこれも、
ぼくのようなカスアイデアじゃありませんでした。
こういう発想力ほしいです。




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