2022年8月2日火曜日

『オリエント急行殺人事件』(アガサ・クリスティ)読みました。


失礼ながらお名前は忘れてしまったんですが、
通っていた映画学校で小説家の先生が何回か
授業されていたことがありました。

その授業の中で
先生の言った冗談がみんなに通じず、
何事もなかったようにスルーされる中、
ぼくは密かにドギマギしてたって話。

……これ確か、ここに一度書いた気がするんですが、
いつだったか忘れちゃったし、探し出すのも面倒だし、
印象に残った作品は再読することもあるし、
ネタを再掲したっていいかなと思い、
も一回書いちゃいます。

えーと、
授業では小説をつくるときに
大切なポイントをいくつかあげ、
その一つに出だしの文章があると
先生は言いました。

具体的な作品を何個か例示して
(それがなんだったか思い出せないんですが、
 たぶん、トンネルを抜けた雪国だとか、
 激しく怒ったメロスだとかだったと思います)
この最初の1行で読者を引き込むテクニックのある作家は
「出だしスト」といわれる、とおっしゃった。

続いて、出だしに対する「切り」、
つまり最後の文章を秀逸な語句でまとめられる達人もいて、
それを「キリスト」と呼ぶって、さらりとおっしゃった。

あ、それ、駄洒落、とぼくは気づいたんですが、
周りにそれらしい反応をしている友だちはおらず、
どうしたものかとオロオロしているうちに
授業は終わっていました。

で、この『オリエント急行殺事件』。

これぞキリストって思いました(個人の意見です)。




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