2022年2月8日火曜日

『死者の長い列』(ローレンス・ブロック)読みました。


スティーヴン・キングさんが
「なぜあんなに一つの話を引き伸ばし
 長々と語るのか」みたいな質問に、
どっかで答えていました。

その返答では確か、
まず『ヘンゼルとグレーテル』の物語を
引き合いに出したんです。

父親と兄妹の3人暮らしの家庭に、
後妻がやってきて、子どもを厄介払いするため、
森の中に置いてけぼりにする。
それでも兄妹は知恵を絞ってなんとか家に帰りつき、
やがて後妻も去り、親子三人もと通り。
めでたしめでたし。

このたかだか百文字ほどの文章で
一つのストーリーは完結する。
でも、それじゃあ、小説でも娯楽でも
なんでもないって言ってました。

ここに来る前の後妻は
食べるには困らない程度の
生活をしていたけれど、
それと同程度の暮らしを望むのなら、
子どもの食いぶちを減らす必要があったとか。

お兄ちゃんは賢くて、
森に連れて行かれるとき
小石なんかの目印を落としていったけど、
二度目の目印パンくずは失敗して
ハラハラドキドキさせるとか。

もっと波乱万丈効果を出すのに
お菓子の家の魔女を登場させるとか。

などなどいろんな付け足しをして初めて
作品になるんじゃないか、って感じで。

……とここまで書いて、思い出しました。
いつだったかははっきりしないけど、
前にも同じ話をここで言ってたなって。

スティーヴン・キングさんの物語のつくり方。
書きましたよね、ぼく。
うーん確か書いた。
でも、もうここまで書いちゃったし。
違うネタで最初からやり直す気力はないし。

で、この『死者の長い列』。

ストーリーの本筋だけ書けば
たぶん百字でまとめられる。
けど、それ以外の部分があるから、
面白いんですわ、この本。




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