2021年12月9日木曜日

『ペッパーズ・ゴースト』(伊坂幸太郎)読みました。


主人公のツキナシは、
ハクション大魔王のアクビちゃんみたいな
イタズラ意地悪な霊体魔少女(以下、アクビ)に
取り憑かれている。

ツキナシがこんなことしようって計画を、
頭の中で想像すると、
アクビはそれを透視して邪魔だてする。

もちろんツキナシは
アクビの存在には気づいておらず、
透明なのか、宙に浮いているのか知らないけど、
そんなヤツが、人生ロードを険しい難所ばりに
しているなんて思いもしない。

だからツキナシは、
ほとんどあきらめの境地に達していて、
それでもわずかに残っている
明日への希望を振り絞り、
「なぜこんなにも上手くいかないのか」
と分析する。

分析の結果、
「頭に思い描いたときは失敗し、
 想像しないときには上手くいく」
の法則を発見する。

アクビが邪魔できるのは
事前に頭の中のイメージを知るからで、
その情報がなければ何もできないからだが、
その根本原因までは彼には推察できない。

そしてさらに
その分析結果をこねくり回して考え、
たどりついたのが
「起きて欲しくない出来事を想像すれば、
 それは起きない」
の法則だった。

アクビには、ツキナシの脳内映像が、
期待から生まれるものなのか、
拒否したい事柄なのか判断する力はなく、
なんでもかんでも邪魔するからだが、
そこまで彼は推察できない。

つまりは
「心配すれば、
 その心配事は起きずに回避される」
の法則。

そんなこんなしていると、
ひょんなことからツキナシが
アクビの霊的存在に気づいてしまう。
さて、どうなるでしょう。
……ってなあらすじの小説を
書いてみようかなんて思ったことがありました。

で、この『ペッパーズ・ゴースト』。

この本に
「心配すれば、
 その心配事は起きずに回避される」
の法則みたいなのを信じてる
登場人物が出てきました。

おこがましいけど、
伊坂さんと同じ発想をしてた自分が
誇らしくなりました。




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