2021年12月7日火曜日

『向田邦子ベストエッセイ』(向田邦子)読みました。


ぼくの自慢できるもののひとつに、
字の汚さがあります。

それは年々ひどくなっているようで、
インクがきちんと出るかどうかを
確かめるときのグチャ書きのほうが、
紙に止まった蚊を押しつぶした跡のほうが、
よっぽど日本語に見えるようになっています。

とはいえそんなぼくでも、
「この人には勝てない」
と思える人がいました。

昔、一緒に働いていた上司。

電話があった旨を知らせるメモか何かを
机に残してくれたのですが、
まったく読めない。

仕方なく折れクギ流免許皆伝上司のとこに、
紙片を持って判読をお願いしにいくと、

「えーっと……こんな汚ねー字、
 読めねえよ。もっとキレイに書け」
と怒られました。

思わず笑い、一種、尊敬の念も抱きました。
「自分の書いた字が
 読めない人っているんだ、すごっ」って。

そのときはぼくの字もまだ皆伝のレベルには
達していなかったんです。

自分自身であれば
読み下せるくらいのよちよち段階。

とはいえ精進を重ね、
今では3分前に記した走り書きの
意味するところも不明になる域に登りつめてます。

で、この『向田邦子ベスト・エッセイ』。

たしか向田邦子さんも悪筆だと聞いた気がして、
そんなエピソードが入ってないかと読んだ本です。
ほんのちょっとだけ出てきました。




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