2021年8月11日水曜日

『泥棒は野球カードを集める』(ローレンス・ブロック)読みました。


だいぶ前、
伊坂幸太郎さんと阿部和重さんの共著作品
『キャプテンサンダーボルト』を読んだ書評家が

「御釜(作品中に出てくる湖というか火口湖)の
 設定に無理がある」 って言ってました。

(と、ぼくの頭は記憶してます。
 確か大森望さんの発言だったと思うのですが、
 ネットを検索してみてもヒットしなかったので、
 たぶん違いますね)

今ではもうストーリーは忘れちゃってますが、
そのときは読んだばかりだったので、
「ぼくには、
 どこかにギクシャクした設定があるとは、
 思えなかったけど」とつぶやいていました。

小説を読みながら、疑問に感じたり、
そんなことありえねーと思ったり、
それはこじつけだろうと考えたりするのは、
いいことですよね。

少なくともぼくは、
物語を鑑賞するときの
楽しみのひとつにしています。
(あら探しが楽しみなんて悪趣味だけど)

その愉快なことを、
〈無理設定〉書評家さんはひとつ見つけた。
でも、ぼくは見つけられなかった。きー。

で、この『泥棒は野球カードを集める』。

話が進んでいく中で、
いくつもの偶然が重なって重なって
物語が展開していきます。
そんで結局、それらの多くは偶然じゃなく、
最後にはしっくり収まる。
でも、ひとつだけ収まらないのを見つけました。
悪趣味はわかってますけど。




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