20代の頃だったから、
もう30年近くも前になりますが、
「石を投げればファミリアに当たる」
と誰かが言ってたくらい、
あの少し小さな乗用車が
流行った時期がありました。
色はみんな赤。
今はクルマ自体、
若者の興味の対象にはならないけど、
あの頃は、ネットもないし、スマホもないし、
ドライブがかっちょいいって
みんなが思っていたんですよね。
ぼくは自動車板金屋の息子で、
いつもクルマが周りにあったからなのか
(といっても壊れて修理するヤツばかりだけど)
車種なんかはどうでもよくて、
家の軽トラで満足してました。
でも、友だちのあの君、この君、その君は、
バイトで稼いだお金を根こそぎつぎ込んだり、
親のすねを削ってきたりして、
赤のファミリアを手に入れてたんです。
へんてこなデザインのクルマじゃないし、
流行に乗るのもそれなりにいいんじゃない、
なんて思っていたんですが、中には
「あのクルマの良さがまったくわからん」
と、その石を投げれば当たるクルマを見るたび
ぷんぷんしているヤツもいました。
人の好みって、今あちこちでいわれてる
多様性そのものだなって、思うんです。
で、この『夏、19歳の肖像』。
多くの人がいい本だと言ってます。
そうじゃない人がいても、
多様性を認めることにしてくださいね。
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当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら。
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