2021年5月13日木曜日

『夏、19歳の肖像』(島田荘司)読みました。


20代の頃だったから、
もう30年近くも前になりますが、
「石を投げればファミリアに当たる」
と誰かが言ってたくらい、
あの少し小さな乗用車が
流行った時期がありました。
色はみんな赤。

今はクルマ自体、
若者の興味の対象にはならないけど、
あの頃は、ネットもないし、スマホもないし、
ドライブがかっちょいいって
みんなが思っていたんですよね。

ぼくは自動車板金屋の息子で、
いつもクルマが周りにあったからなのか
(といっても壊れて修理するヤツばかりだけど)
車種なんかはどうでもよくて、
家の軽トラで満足してました。

でも、友だちのあの君、この君、その君は、
バイトで稼いだお金を根こそぎつぎ込んだり、
親のすねを削ってきたりして、
赤のファミリアを手に入れてたんです。

へんてこなデザインのクルマじゃないし、
流行に乗るのもそれなりにいいんじゃない、
なんて思っていたんですが、中には
「あのクルマの良さがまったくわからん」
と、その石を投げれば当たるクルマを見るたび
ぷんぷんしているヤツもいました。

人の好みって、今あちこちでいわれてる
多様性そのものだなって、思うんです。

で、この『夏、19歳の肖像』。

多くの人がいい本だと言ってます。
そうじゃない人がいても、
多様性を認めることにしてくださいね。




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