2020年8月7日金曜日

『殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(1)』(池波正太郎)読みました。


小説やら映画やらのストーリーが
面白いと感じるのは、
どんなときなのか。

誰もが絶対に面白いと感じてしまう
ファクターXを突き止めて、
「ファクターXぜいたく盛り」
みたいな物語をつくって発表すれば、
大ヒット間違いなしで、
ぼくも一夜にして
超セレブに変身できると企みながら、
本の中にあるファクターX探しを
日夜続けているのですが、
残念ながら探究の旅に終わりは見えず、
ぼんやりとしたXさんの姿に
エッジの効いた輪郭は出てきません。

それでも、ひょっとしたら
兄弟のYさんか、
もしくは親戚のZさんかな、
と思えるようなファクターもどきは、
見つけています。

その一つが《勘違い》。

「誤解」といった方が言葉的には
正しいかもしれません。
何かを間違って解釈しちゃうこと。

登場人物が
《勘違い》によって行動するという
「ファクター」はストーリーを
面白くするんですね。

例えばシェイクスピアはそればっか。
リア王は末娘の行動を勘違いして冷遇するし、
ロミオに至っては
ジュリエットが死んだと勘違いして
後追い自殺しちゃう。

映画でいえば、
登場人物だけでなく
観客に《勘違い》させるという
アクロバティック技で
痺れさせてくれた『スティング』があるし、
それ系のどんでん返しはあちこちにある。

で、この『殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(1)』。

面白いって思える《勘違い》を
どこにも見つけられないんです。
なのに面白い。
どこのどういうファクターが
関連しているのか、現在調査中。
まあそんなのどうでもいいから早く2巻を読も!





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