2019年8月16日金曜日

『双風神 羽州ぼろ鳶組』(今村翔吾)読みました。


作家さんごとに小説をつくる手順は
違うんだろうけど、
少なくとも殺人事件の犯人を
突き止めるようなミステリー作品の場合は、
書き始めるとき作者の頭の中で
犯人はわかっていて、
そこにトリックなり謎解きなりを
盛り込んでいくんだろうと思います。

作家さんに聞いて統計をとったとか、
その手のノウハウ本を読んだとか、
そういう裏づけがあるわけじゃないから、
わらないですけどね、ホントのとこは。

でも、
作者の頭の中で犯人がわかっていないまま、
物語をつくっていったら、
とてもトンチンカンなストーリーに
なってしまうと考えられるので、
やっぱりそうなんでしょう。

ぼくがそんな話をつくるとしても、
やっぱ、最初に犯人を決めると思います。

それを決めた上で、
何も知らない名探偵とかが、
ちっちゃなヒントをほじほじしながら、
読者と一緒に事の真相に迫っていく。
ま、それが通常の作法でしょうね。

とはいえ、
もし書き始めのとき、
作者自身も犯人がわからないで
(というか決めないで)
事件が起きて、
作中のキャラと作者が一緒になって
事件解決を進めていくようなつくり方をして、

それがトンチンカンにならずに
破綻のない話になったとしたら、
それはそれで、
とっても面白いものができるんじゃないかな、
なんて思ったりもします。

で、この『双風神 羽州ぼろ鳶組』。

作家さんの頭の中には、
結末が最初からあるつくり方なんだろうな
と思いました。
途中途中でそれをチラッと見せるじらし方が、
もうほんとジリジリしちゃいました。





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