2017年1月16日月曜日

『蜜蜂と遠雷』(恩田陸)読みました。



ご主人に先立たれた年配の女性が、
お葬式のときに
自分の知らない旦那の姿を
弔問客から聞かされる
って話はよくあるみたいですね。

「ご主人が顔を出しただけで、
 その場がいつもパッと
 明るくなったんですよ」

「しかめっ面なんか
 見たことなかったですね。
 笑顔の印象しかないです」

「話題が豊富で、
 人が集まっているなと思うと、
 必ずその中心にご主人がいました」

家に帰ると、
ちょっとした受け答えさえ
おっくうそうに、
こちらからの投げ掛けにも、
半分は返事もせずに黙ったまま、
しかめっ面が常態。

話題が豊富どころか、話題ゼロ。

そんな旦那の姿しか
知らなかった奥さんが、
あまりにも違う外ヅラに
びっくりしちゃうって話。

これ、
どっちが本当の旦那さんなんだろうな
って考えてみました。

むっつり旦那が、
外では笑顔仮面をつけるのか。

ニコニコ主人が、
家に帰ると豆まきのときの
鬼の面を被るのか。

ぼくが考えた答えは、
どっちもお面じゃなく、
むっつりもニコニコも
本物ってことです。

同じ人を、
違う目で見てるだけかなって。

んで、
見られる目の違いによって、
その人の際立つ部分が変わるのかなって。

で、この『蜜蜂と遠雷』。

恩田陸さんの作品は
大好きなのとそうなじゃないで
真っ二つに分かれます。

むっつりとニコニコみたい。

でも同じ恩田さんの
作品なんですよね。

ほんでこれは大好き!
ここ数年読んだ本の中の
大好きベスト10に
間違いなくランクイン!






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