2013年6月18日火曜日

『聖なる怠け者の冒険』(森見登美彦)読みました。

「あれ? おかしいな。美味しくない。
 味、変わった?
 通い詰めていた頃は、
 毎日でも食べられると思っていたのに……」

数年ぶりに行った店で、
昔、大好物だったメニューを、
よだれこらえながら頼んでみて、
食べてみたら「えっ、違う!」って感じたこと、
何度かあります。

変わってしまったのは、
その店の味なのか、自分の味覚なのか。
当時と現在のメニューを
同時に食べ比べることができれば、
どっちが変わったのか、はっきりするんでしょうが、
料理は消えモノ、そんなことはできません。

で、この『聖なる怠け者の冒険』。

おかしいんです。
森見さんの描くこの世界、大好物のはずだったんです。
それが、今回は美味しく感じない。
作品自体の味が変わっちゃったんでしょうか。
それともぼくの味覚が変化しちゃったんでしょうか。
幸い、消えモノの料理とは違い、
本はいつまでも同じモノが残っています。
だから大好物だった作品もそのまま読み返すことができる。
それが面白かったら作品自体の変化、
つまらなかったら味覚の変化ってことですよね。
本棚あさって、探そうっと。

聖なる怠け者の冒険
聖なる怠け者の冒険
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森見 登美彦
朝日新聞出版 (2013-05-21)
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