2012年5月14日月曜日

『日本の文脈』(内田樹/中沢新一)読みました。


ぼくの通っていた映画学校には、
住み込みで新聞配達をして、自分で学費を稼ぐ、
新聞奨学生というのがたくさんいました。
新聞やっている人、とっても偉かったです。

でも、ぼくにはそんな根性はなく、
学費は親になんとかしてもらいました。

今思うと、学費を工面するのって、
とっても大変で、
親にはすっごい負担をかけたんだなって、
何十年もたった現在、つくづく思っています。

なにせ今うちは、
2人の娘がダブルで大学に行ってるんです。
──といっても、
子どもたちの学費をはじめ
家族を養うもろもろの費用は、
ほぼカミさんの稼ぎで賄っているんですけどね。

とにかく学費を何とかするは大変なんだけど、
それでも、自分が学生のときには、
そんなありがた味とか後ろめたさとか、
親への尊敬だとかは、
それほど感じていなかったように思うんです。
これって、
ぼくが親不孝だとか
人間として出来ていないとかの理由もあると思いますが、
結構、周りの友だちでも、
同じように思っているヤツが多い。

で、親になって子どもの学費をなんとかしている今、
自分が持っていなかった「親に悪いな」とか
「尊敬しちゃうな」とかって気持ちを、
娘たちに持ってもらいたいかといったら、
そうでもない。

誰かから、お礼を言われたいからとか、
ご褒美が欲しいからとか、何か見返りがあるからとかで、
やってるわけじゃないんだろうな、きっと。

自分が学生のときには遠慮なく親に負担をかけ、
自分が親になったら文句もいわず黙々と
負担をしょい込んで何の疑問も持たない。
その感じって、なんだか好きです。

で、この『日本の文脈』。

学費とか娘とか、だらだらと書いてきた内容とは、
そーとー関係ないけど、とっても良い本です。
オススメ!

日本の文脈
日本の文脈
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内田 樹 中沢 新一
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