2012年5月2日水曜日

『銃・病原菌・鉄(下)』(ジャレド・ダイアモンド)読みました。


子どもの頃、
どちらかといえば、ぼーっとしていたぼくは、
一緒に遊んでいた友だちから、
よくもてあそばれていました。

例えば、日常的な子ども同士の会話。
その友だちは、いつもじらしから入るんです。
「仮面ライダーって、ホントはさ……」
「えっ?」
「いや、やっぱいいや」
「なんだよ、教えてよ」
「みんな知っていることだし、つまらないから、いいよ」
「いいよ、教えてよ」ってな感じです。

んで、聞いてみると、
テレビで毎週言ってるお決まりの内容を話したりする。
「仮面ライダー本郷猛は、改造人間なんだよね」とか。

それでも、
「知っててもいいから話して」と言ったのはぼくで、
「そんなの知ってるよ」とは言い返せない。

ぼくの不満げな態度を見た友だちは、
ちびまる子ちゃんの永沢君みたいに
「ほら、つまらなそうじゃないか」とつっかかる。
なんとも幼稚なやりとりです。

で、この『銃・病原菌・鉄(下)』。

永沢君のような、じらしの前振りがとっても上手です。
一つひとつのトピックの前に、
疑問を投げ掛けたり、
これから言及する話題が
なぜ興味深いのかといった理由を示したり。
そうすると、
「なんだよ、教えてよ」って思っちゃいます。

でも、そうやって教えてくれる内容は、
永沢君のような
誰もが知っているくだらないことじゃない。
それがまた、
前振りのじらしを忘れちゃうくらい
「へぇーそうなんだ」なことなんです。
あー面白かった。

銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
ジャレド ダイアモンド
草思社
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