2012年5月8日火曜日

『ホミニッド ─原人─』(ロバート・J・ソーヤー)読みました。


たしか高校時代の現国の時間
だったと思います。
いつもしかめっ面の一瞬たりともニコリ顔を
見せたことがない先生の授業。
何かの小説を読解する講義の最初に
その先生が言いました。

「小説の最初の1文がとても上手い人を、
私たちは少しふざけて〝書き出しスト〟って
呼んだりします。
それとは反対に、
小説を締めくくる最後で、
すごい!と思わせる1文を書く人を
〝切りスト〟って言うんだよね。はははっ」

たぶん、
この先生はダジャレを言ったんです。
でも、この先生は、
いつもしかめっ面で、
それまで冗談なんて口にしたことがない人。
ぼくら生徒は、ほとんどが普通の講義の中の
普通の話だと思ったようです。
だって、ぼくの隣の友だちは、ノートに
「最初→書き出しスト、終わり→キリスト」
って書いて、その下に二重線を引いてましたから。

で、この『ホミニッド─原人─』。

ぼくは最後の1文が、
「ありがちだなぁ」って思っちゃいました。
せっかくここままで面白さを引っ張ったんだから、
もうちょい気を利かせてもいいんじゃないかなって。
そしたら、
キリスト先生の講義を思い出しちゃったんです。

キリストって呼ばれる人の本が読みたいです。

ホミニッド-原人 (ハヤカワ文庫SF)
ロバート・J. ソウヤー
早川書房
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