2012年4月2日月曜日

『木枯し紋次郎(上)生国は上州新田郡三日月村』(笹沢佐保)読みました。

ちょっと前に読み終わった
『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』って本は
とても良かったんですが、
「あっ、それはやらないで」って思う部分が、
ところどころ出てきました。

何かっていうと、
セリフをほとんどしゃべらない主人公が、
饒舌に話すトコ。

話をしないと物語が進んでいかないのは
わかるんですけど、
むすっとして話をしないキャラは、
そのままのキャラでいて欲しかったんです。
まぁ、物語の全体を通して、
そのドラゴン・タトゥーの女性は、
そんなに話をするキャラには、
なっていないんですけどね。

でも、
そんな違和感がところどころ出てきたお陰で、
自分が好きだなと、思うキャラがはっきりわかりました。

しゃべらない登場人物です。
ニヒルっていうのか、謎めいているっていうのか、
むっつりっていうのか、そんなキャラが出てくると、
それだけで、5つ星のうち4つはつけちゃいます。

無口なキャラが好きなのは、
たぶん、ぼく自身があまり話をするのが得意じゃなく、
話をしていると支離滅裂になっちゃって、
自分で何を話したかったのか、
わからなくなってしまう
コミュニケーション力欠陥児だからなのかもしれません。

で、この『木枯し紋次郎(上)生国は上州新田郡三日月村』。

主人公の紋次郎、とっても無口です。
だからとっても格好いい。
ドラゴン・タトゥーの女のように
「あっ、それはやらないで」って思う部分が、
ないこともなかったんですが、
ほんの1、2箇所。まったく許せます。

でも、少し怖いのは、
紋次郎の格好よさに影響されて、
ぼく自身がもっと口べたになっちゃうこと。
ぼくは渡世人でもないし、
今は江戸時代でもないので、
紋次郎のような振る舞いをしたら、
とっても生きていけません。

でも、格好いい!


木枯し紋次郎(上): 生国は上州新田郡三日月村 (光文社時代小説文庫)
笹沢 左保
光文社 (2012-01-12)
売り上げランキング: 115013