2012年4月17日火曜日

『木枯し紋次郎(下) 長脇差一閃! 修羅の峠道』(笹沢佐保)読みました。

映画学校のときに聞いた話です。
例によって誰が言ったのかは忘れちゃったんですが、
内容からして編集の先生のお話です。

その先生が編集者として携わった作品で、
1つの映画の編集作業が終わり、
監督にみてもらったときの体験談。

全編をみた監督は、
すごく満足していたけれど、
2〜3カ所だけ少し短くしてほしいと
要望を出したそうです。

でもその先生は、
監督の指示を断っちゃった。
今までたくさんの編集作業をやってきて、
その作品ほど完成度の高いものはないって思ったからです。
自分でフィルムの切り貼りをして、
1つの映画につながったとき、
1コマたりとも余計なものはなく、
足りないコマもまったくないって感じたんですって。

そこで先生は、そうした思いを監督に説明しました。
すると、監督はすぐに認めてくれ、
作品はそのまま仕上がることになりました。
めでたし、めでたし。

んで、トリ頭のぼくは、
その先生の代表作となった映画のタイトルさえ覚えておらず、
でも、1コマたりとも過不足のない映画ってすごいし、
そう思えた人もすごいなってことだけ覚えていたんです。

だって1本の映画の中の1コマって、
ぼくがやってる書籍の分野でいったら、
1文字とか1文節くらいのもんですよ。
24コマでやっと1秒なんだから。

しょっちゅう誤字脱字ばかりやってるぼくでも、
この話を思い出すたび、
いずれは、句読点1つたりとも動かしようがないって本を
つくってみたいと思っちゃうんです。

で、この『木枯らし紋次郎(下)』。

句読点1つたりとも過不足なし
とまではいかないんですが
(あくまでつたないぼくの目から見て)、
やっぱイイです。

紋次郎、格好いい!すてきー!

で、で……すごく失敬で身の程知らずとは思うんですが、
読んでいる途中で、ぼくがこの作品をリライトし、
句読点1つたりとも過不足無しにしたいなと思っちゃいました。
……わっ、言っちゃった。無礼な発言ごめんなさい。

木枯し紋次郎(下): 長脇差一閃! 修羅の峠道 (光文社時代小説文庫)
笹沢 左保
光文社 (2012-02-14)
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