2010年9月13日月曜日

アンバランス棒の綱渡り

『マルドゥック・スクランブル
──The Third Exhaust 排気』(冲方丁)読みました。

2巻目の途中で飛んで行っちゃったと思われた舞台は、
3巻目の後半で元に戻ってきました。

この舞台転換は、アクロバット的です。とっても危ういバランス。

サーカスの綱渡りの人は、
長いバランス棒を持って一本のロープを渡っていきますが、
あの棒はやっぱりバランスをとるためにあるんですよね。

そこでもし、そのバランス棒の片側だけにたくさん重りをつけて、
到底釣り合わないようなアンバランス棒にしちゃった場合、
綱渡りの人は困るでしょうね。

そんなもの持ってロープを渡りきるのは、とっても難しい。
でも、見ている人は、
そもそも綱渡りの行為自体にハラハラしているのであって、
バランス棒がいくらアンバランスでもそんなにすごいこととは思えない。

まあ、それでもきちんと渡りきれば、
すごいすごいと拍手を送るんですけどね。

で、この本、
アンバランス棒を持ってロープを渡りきっちゃった感じでした。拍手!

マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)
冲方 丁

早川書房 2003-07
売り上げランキング : 17036
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools