2010年9月30日木曜日

初々しさの欠落

『嘔吐』(サルトル著/鈴木道彦訳)読みました。

ぼくは「異邦らくだ」ってハンドルネームを使っています。
「異邦」は、カミュの『異邦人』が好きで、影響を受けてつけたもの。
「らくだ」は高校時代につけられたあだ名です。

カミュの『異邦人』を最初に読んだのは、
たぶん20代で、すごい衝撃でした。

答えがわかならいってことは知っている、
知っているけどそれでも答えを探す……みたいな思想なんだろうと
勝手に解釈して、一人感動してたんです。

そんな勝手な解釈でも何でもいいので、
もう一回あの感動が得られたら嬉しいなと
期待して読んだのがこの『嘔吐』。

でも、結果は惨敗でした。

面白く読めなかったんです。
「答えなんかない、ただ偶然、存在してるだけなんだ」って感じの思想は
なんとなくつかめたんですが、
そこからは『異邦人』のときみたいな感動は出てこなかった。

これってやっぱり、ぼくの読み方が浅かったのと、
読者としての若さとか初々しさとかが
欠けていたせいなんだと思っちゃいました。反省。



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J‐P・サルトル 鈴木 道彦

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