2023年10月17日火曜日

『バイバイ、エンジェル』(笠井潔)読みました。


1冊読み終えたらその3日後には
まったく内容を覚えていないという
得意技を持つぼくですが、

ストーリー全体ではなく、
どうでもいい些細なシーンやセリフ、
エピソードなんかで、
頭に残っているものは結構あるんです。

せっかく残るんだったら、
人生訓になる薫陶的な言い回しや、
感動的な場面とかだったらいいんですが、
そうではありません。

作品は忘れたけど京極夏彦さんの小説で出てきた、
ハンカチの中にやたらと痰を吐き
それをじーと眺めるという行動を繰り返す老人だとか、

本じゃなく確か新聞記事だけど
80才のおばあちゃんがシャッキシャキの
若者言葉でやりとりしていた会話文だとか、

万城目学さんの最近の短編に出てきた、
京都の暑さには一人の例外もなく負ける
っていう表現とか。

犯人探しみたいなミステリーものだと、
予想が外れたときは結構覚えている。
「おっ、このシーンはきっと
 謎解きのヒントが隠れてるな」
みたいに感じて、
脳みそ海馬に一時留め置かれるけれども、
それが当たって
「やっぱり、そうだった。
 ぼくもなかなかやるもんだ」と思ったら、
その手がかり場面のことは、
タツノオトシゴみたいな海馬くんが
ごくんと飲み込んで跡形もなくおつむの中から消去。
でも、謎にはひとかけらも絡むことなく、
まったくの勘違いで肩透かしされると、
多くは記憶に残る。

で、この『バイバイ、エンジェル』。

記憶に残るシーンが1つありました。
でも、あまり謎解きに絡まなかっけど、
あのデートの場面は、
なんか意味ある気がするんだよな。
もう1回読んでみよっと。





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