どこかに紛れ込んでいるのか、
大掃除や引越しのときに捨てちゃったのか。
中学生のときの卒業文集は、
もう何十年も目にしていません。
たぶんそれだから、
そこに書いたショートショートの物語は、
自分史上最高傑作だと、長い間思っていました。
逃がした魚は大きい、みたいな。
でも、金字塔的に巨大だったイメージが最近、
犬小屋といっても盛りすぎな気がするほど、
しょぼいものだったように感じてきたんです。
きっかけは、今半分ほど読み終えた
星新一さんのショートショート集。
中学生のときは、
星さんの超短編を読むと
ポパイがほうれん草を食べたときのように、
しゃきーんとしてきて、
なもんで、
ぼくもそういう面白い話をつくりたいと、
ふんばって仕上げ、
「中学3年間、とても楽しかったです」
みたいな文面が並ぶ卒業文集に、
一人だけ超短編創作物語を載せてもらったんです。
ほいで、ほいで、何十年も時を経た今。
影響受けた本家本元の本を再読した。
すると、なぜあれほど面白いと感じたのか、
まったくわからなくなってるんです。
つーことは、幻の自分史上最高傑作も、
もし読み返すことができたとしたら
「けっ」って言葉しか出ないかもしれないな、と。
で、この『回樹』。
星さんの作品とは逆に、
何十年かたって読み直してみれば、
良さがわかようになるのかな、と思いました。
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