2023年7月11日火曜日

『回樹』(斜線堂有紀)読みました。


どこかに紛れ込んでいるのか、
大掃除や引越しのときに捨てちゃったのか。
中学生のときの卒業文集は、
もう何十年も目にしていません。

たぶんそれだから、
そこに書いたショートショートの物語は、
自分史上最高傑作だと、長い間思っていました。
逃がした魚は大きい、みたいな。

でも、金字塔的に巨大だったイメージが最近、
犬小屋といっても盛りすぎな気がするほど、
しょぼいものだったように感じてきたんです。

きっかけは、今半分ほど読み終えた
星新一さんのショートショート集。

中学生のときは、
星さんの超短編を読むと
ポパイがほうれん草を食べたときのように、
しゃきーんとしてきて、

なもんで、
ぼくもそういう面白い話をつくりたいと、
ふんばって仕上げ、

「中学3年間、とても楽しかったです」
みたいな文面が並ぶ卒業文集に、

一人だけ超短編創作物語を載せてもらったんです。

ほいで、ほいで、何十年も時を経た今。
影響受けた本家本元の本を再読した。

すると、なぜあれほど面白いと感じたのか、
まったくわからなくなってるんです。

つーことは、幻の自分史上最高傑作も、
もし読み返すことができたとしたら
「けっ」って言葉しか出ないかもしれないな、と。

で、この『回樹』。

星さんの作品とは逆に、
何十年かたって読み直してみれば、
良さがわかようになるのかな、と思いました。




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