「ひらく」って言葉があります。
もしかしたら本なんかをつくる人たちだけに
通じる業界用語なのかもしれませんが、
別に難しい意味じゃなく、
漢字をひらがなで書くことです。
さらに「漢字→ひらがな」という
ピンポイントの意味から広がって、
「小難しい文章を読みやすくやさしい表現に変える」
ってことを示すときもあります。
そして仕事の原稿をつくるとき、
ぼくがいつも気にかけているのが、
この「ひらく」なんです。
難しい漢字を使ったり、
ぐねぐね入り組んだ論理回路で言葉を重ねたり、
昔々の中国にいた偉い人がおっしゃったような
格言を引用してカッコつけたり、
ってのをなるべくやめたい。
今までの経験からいって、
ライターとかって肩書きを持っている人は、
たいていぼくと同じように考えているらしい。
でも、ぼくの場合は、
なんとなくその思いが極端で、
なんでもかんでも
「ひらく」にしちゃう傾向があるような。
それを直そうとは思わないけど。
で、この『星新一 1001話をつくった人(下)』。
この本読んで、どうやら星新一さんも
徹底的に「ひらく」にこだわった人なんだと知りました。
その影響なのかなあ。
中学生の頃は星さんの作品しか読まなかったからな。
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