2012年12月17日月曜日

『バスティーユの陥落 小説フランス革命3』(佐藤賢一)


かのベストセラー作家スティーブン・キングさんが、
印刷前の校正紙(ゲラ)について、
「ゲラでは修正を入れるけれど、
修正でいいものに仕上げようと思っても、
最初に書いた原稿にかなうはずはない」
みたいなこと言ってました。たしか。

だだだーッと書いた最初の原稿が
一番勢いがあり、力もある。
それができたあとで、
いくら手を加えようと思っても、
生み出したときの力には負けちゃうって意味です。

なにかに憑かれたように書き進めた物語は、
あとから面白くしようと小手先の修正を加えても、
たいした効果はない。

このシーンとあのシーンを入れ換えれば、
読者はもっと驚くかなとか、
ここに象徴的な背景描写を入れちゃおうかなとか、
そんな打算は、ないほうがいいってことなんでしょうね。

で、この『バスティーユの陥落 小説フランス革命3』。

相変わらず、面白かったです。
この3巻目で、ぼくがとくに面白いと思ったのは
打算なんかなにもなく、
勢いだけで革命を進めちゃうおばさんたち。
そこが面白いと感じさせるように
物語をつなげてくれた作者に感謝です!

バスティーユの陥落 小説フランス革命 3 (小説フランス革命) (集英社文庫)
佐藤 賢一
集英社 (2011-11-18)
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