最初は馬の体力をためておいて、
ゴール直前で全力疾走し、
デッドヒートするってパターンがほとんどですよね。
最初から一生懸命走っちゃうと、
後半で息が続かなくなり、結局負けちゃう。
その馬がどれくらいの体力があるのかとか、
ほかの馬との駆け引きとか、そんな要素を考えながら、
上手く手綱をさばくのが、いいジョッキーなんですよね。
でもね。
そんなに頭の回転がよろしくないぼくは、
そういった勝負の機微みたいなことを
理解する能力に欠けているらしく、
いろんな思惑が入り交じった
競馬のレース展開ってのを、
あまり面白いとは思えなかったんです。
どうせやるなら、
最初から最後まで全力でやれ!──みたいな。
たぶんそんな事情からでしょう。
昔ちょこっとだけ買っていた時期がある馬券の購入を、
いつの間にか、やめちゃったんです。
まあ、たいていのスポーツは、
競馬と同じように、いろんな戦略があって
勝負が決まるんですけどね。
で、この『裏庭』。
初速はとってもいいです。
「いいわぁこの雰囲気」って思いながら、
軽やかにページをめくってました。
でも後半ぐらいから、ちと疲れてきて、
競馬でいえば、ゴールでは馬群に沈んじゃったなと。
まあ、それでも全力を尽くしている感触は
嫌いじゃないですけどね。