ぼくがやっている本をつくる仕事の中に
レイアウトの作業があります。
テキストと写真の位置を、
こんなもんかな、などといいながら配置したり、
イラストの大きさを調整したり、
○とか□とか飾りの罫線とかを加えたりして、
読みやすくカッコイイ見栄えにする作業です。
たいていは、最初に手書きのラフをつくっておいて、
それに合うようにパソコンで各素材を組み合わせて仕上げます。
ぼくの場合は原寸のラフをつくっているので、
このパソコンの組み合わせ作業が終われば、
「よしできた!いいんじゃない」と、
作業していたページが組み上がります。
でも、そのときに、
「いいんじゃない……けどなぁ」と
「……けどなぁ」の言葉が出てきてしまうことがあるんです。
そんなとき、何かの拍子に
「この右端を揃えている写真の位置を、
少しずらして段々にするといいかも」
なんて思いついたりします。
で、その通りやってみると、
「わっ、これカッコイイ! それに読みやすい!」ってなるんです。
……まぁ、そんなにうまくいくことは、まれですけどね。
身近な例にたとえると、
美味しいモノ食べて「うん、うまい」と一度はうなったのに、
何気なくテーブルの隅にあった七味をかけてみたくなり、
やってみると、
「すっごい美味しい!」って感動しちゃうような感じです。
さて、この『砂漠の惑星』。
ぼくのレイアウト作業のときの
「……けどなぁ」の言葉が出てしまう状態。
七味をかける前の状態。
……ぼくにとっては、そんな作品でした。
悪くないんですけどね。
……この前読んだ『ソラリスの陽のもとに』が
良すぎて期待しすぎちゃったかも。
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