高村薫さんの『太陽を曳く馬』を読んで刺激を受け、
いつかは読破したいと思っていたこの本。
道元という人が残したそのままの原文ではなく、
やさしい「現代文訳」ってところが、ご愛敬です。
そうはいっても、これでもぼくにとっては十分難解です。
いつもの読書よりは、かなり時間をかけて読んだつもりですが、
終盤にさしかかるまでの5分の4は、1割も理解できませんでした。
残り5分の1ってところで、
ようやく内容が概念的なものじゃなく、具体的な出来事に即した話になってきて、
なんとなくイメージを浮かべながら読み進めることができました。
難しい内容を、誰にでも理解できるような
平易な表現に変換して見せてあげるのが、ぼくの使命だ、
みたいな気持ちで本づくりの仕事をしていますが、
やはり、言葉の持っている伝達力には、限界があるんだなって感じます。
時間という軸を含めると、この世界は四次元ってことになるそうですが、
その四次元の世界に住んでいる人には
五次元の世界は絶対に理解できない──そんな感じでしょうか。
この本、全5巻のうちの1巻目です。
わからないなりにも、少しずつ読み進めていこうと思ってます。
きっと、なんかあるでしょ。
現代文訳 正法眼蔵 1 (河出文庫) 道元 石井 恭二 河出書房新社 2004-07-02 売り上げランキング : 19579 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |