2019年1月22日火曜日

『四人組がいた。』(高村薫)読みました。


誰だったか忘れたけれど、
「しばらく他の人の作品を
 読まないようにしていた時期があった」
という作家さんがいました。

まだ経験が浅く、自分の文体が
固まっていない時期だったので、
他の作品を読んでしまうと、
その文章に影響されて、
語りの調子が
あっち行ったりこっち行ったりで
ブレブレになっちゃうからだと。

でも、いつくも作品を仕上げて、
もう大丈夫と思えるようになってからは、
ほかの作品を浴びるように
読むようになったとか。

ぼくも、
気持ちいいと思える文章を読むと、
いつの間にやらその文体に感化されて、
そこに出てきた言葉を連発していたり、
一文の長さが今までと違ってきたり、
「えっ、そこじゃなかったでしょ」
って部分に読点を打ってみたりと、
意識的にも無意識にも、
自分の文章を変えちゃったりしています。

だからダメなんだよな、
と思ってはいるんですけどね。
ちゃんと自分の文体を確立しなさいと。

納得できる作文のノウハウ本なんかを
読んだ後は、特にそうなります。

で、この『四人組がいた。』。

さすが高村さん。文体にはブレがないですね。
新しいゆるいジャンルに挑んでも、
文章はいままで通りのかたさのままでした。

で。で、
どうでもいいけど、
タイトルの中に句点「。」がつくと、
やりにくいですね。
入力ミスで余計なキーを押したか、
絵文字を使ったのかって感じになっちゃう。




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