2019年1月16日水曜日

『熱帯』(森見登美彦)読みました。


連作の短編を何本か
文芸雑誌などに掲載して、
それがある程度たまったら、
一冊の単行本にまとめて出版
という形は結構ありますよね。

そのときよく、
単行本用に書き下ろしたものを
最後の1編に加えたりしている。

その1編で物語を締めくくる
という意味があるかもしれないし、

雑誌を読んでいて
「内容は知っているからもういいや」
という読者にも、
新規分があれば買ってもらえるぞ
みたいな商魂があるかもしれない。

いやいや、
そんな目論見はどうでもいいんだけど、
今までぼくが読んできた
そうしたつくりの本では、
その書き下ろしの最後のストーリーに、
つまらないものは、あまりなかったんです。

最終話にいくまでのほとんどの短編が
「そんなもんでいいの?」って感じでも、
最後の話でなんとかしてくれてた。

連載していたとき、
手応えを感じなかったから、
せめて締めくらいは
目一杯力を注ごうとしてるのかもですね。

で、この『熱帯』。

短編集ってわけではなく、
お話は全部つながっているけど、
たしか最初の2章が
雑誌か何かに連載したもののようです。
それが正しいのなら(すみませんあやふやで)
今までの経験から
後半部分が面白くなるハズなんだけど、
ぼく的にはトーンダウンって感じでした。
でも前半は、とてもグッドでした。
今までと逆のパターン。





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