去年読んで、まったく歯が立たなかった正法眼蔵が頭にひっかかり、
小説ならなんとかなるかもと読んだ立松和平版の道元さん。
でも、この立松版にも正法眼蔵から引いているトコがあり、
その部分はやはり歯が立ちません。
だから文字を追う目の動きも、つっかえつっかえなんです。
ぼくがスラスラ読める小説って、
やっぱエンターテイメントしてて、
物語がずんずんすん進んでいく、悪い言い方すると俗物。
俗物じゃないと楽しめなくなっているのかなって気がします。
「お前、才能あるね」なんて言葉を
まったくかけられないという、ぼく自身が俗物なので、
楽しいと思える作品も、
同じジャンルになっちゃうんでしょうね、きっと。
とはいえ、この立松版は、
おおもとの正法眼蔵のうように
丸ごと全部が哲学書といわれるような内容ではありません。
やっぱ、形としては小説。
だからハラハラドキドキさせる部分も、
ちらほらと散りばめられています。
生きるとはなんぞやみたいな思想を語るトコでは
つっかえつっかえになるぼくの目の動きも、
そんなハラハラ部分ではスムーズさを取り戻し、
これもけっこ楽しめるかな、なんて安心したりします。
で、そのあとスグに目の動きは鈍行に……。
おっと、感想も行ったり来たりで
まとまらない気がしてきたので、ここらで締めましょう。
とりあえず全3巻読破を目標にします。
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