2024年9月12日木曜日

『黒白(上) 剣客商売番外編』(池波正太郎)読みました。

 
お父さんは会社に行ってお金を稼ぎ、
お母さんは専業主婦で家の仕事を切り盛りする、
という役割分担が一般的だった昔、
主婦向けのドラマでは、
「あらお湯が沸いたわ、ジャガイモ煮なきゃ」とか
「やだ、ちっちゃな綿ぼこりが舞っているじゃない、
 掃除機かけなきゃ」とか
「雨降りそうね、洗濯物取り込んでおきましょ」
なんて言って、
ゆっくりとテレビの前に座っていられず、
ちょいちょい画面から目を
離さなくてはいけないお母さんたちでも、
話の筋がわからなくならないように、
ストーリーの展開をゆっくりゆっくりしにして、
頻繁に物語の流れとは関係ない世間話なんかを
登場人物の会話に混ぜたりする
(最近の「一気読み必至」みたいな
 宣伝文句がついたミステリーを読んでいると、
 そうしたいかにもな余計な会話なんかが出てくると、
 「これは、きっと、伏線になってるぞ」などと、
 つい疑ってかかるような癖がついてきましたが、
 この主婦向けドラマはそうじゃなく、
 ほんとに関係ないやり取りの挿入)
といったやり方で、
奥さんたちの興味をつなぎとめていた、という話を、
誰かから聞いたか、シナリオ読本かなんかで読んだかして、

その聞いたか読んだかした直後に、
買い物帰りの道端で延々ストーリーと無関係の
井戸端会議をして笑い合っているシーンを
テレビで観た記憶があります。

で、この『黒白(上)剣客商売番外編』。

本筋以外のお話が多いなと思って。
そこがいいんだけど。

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