通っていた映画学校では、
併設されていた立派な劇場で
古今の名作を観る洋画鑑賞という授業がありました。
講師は同年代の人なら誰もが知っているだろう
映画評論家の淀川長治さん。
その授業のあれこれ
(フィルムの手配から映写技師の仕事、
さらには淀川さん送迎車の運転まで)
を全部担当してくれていた教務課の先生は
「俺なんか『ベニスに死す』を
何度観たかわからんよ」
と言ってました。
淀川さんはあの映画お気に入りだったんです。
その授業(講演?)の中で、
来日したチャップリンの話を聞いた覚えがあります。
今風にいえばアポ無しの突撃訪問をし、
あなたの映画が死ぬほど好きで、
大ファンで、超尊敬してるみたいなことを
つなたい英語でまくし立てて頼み込んだ結果、
そんな無礼なやつでも笑顔で受け入れてくれて、
滞在先のスイートルームで長時間話をしてくれたとか。
で、この『寺田寅彦随筆集 第三巻』。
以前の第二巻のとき
100年以上前に書かれた文もあるといって
古典のように紹介したけど、
この第三巻にはチャプリン来日の話題も入っていました。
それって淀川さんを通じた地続きの体験であり
「うわー、古典とぼく、つながってるじゃん」
とびっくり。
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