2022年11月22日火曜日

『シンクロと自由』(村瀬孝生)読みました。


半年ほど前に亡くなった映画評論家の
佐藤忠男先生の講演を昔、聴いたことがあります。
(もしかしたら、映画学校時代の邦画鑑賞の授業かも。
 いや、友だちの撮ったドキュメンタリー上映初日の
 セレモニー講演だっかかも……
 すみませんはっきり覚えていません)

お話の内容は、
昔の日本の農村はどのように
共同生活を送っていたのかというものでした。

ほとんどの農村では、
何か決め事をするときは、村に住む全員が
必ず賛成しないとダメという決まりが
あったといいます。

誰か一人でも、
「そんなのは嫌だ」という人がいたら、
やらない。

その前提があるから、
どうしてもやらなくちゃ村が困るってときには、
反対意見の人を何とかなだめて、
「わかったいいよ」と言ってもらえるまで、
みんなで粘る。

一度ダメだと言われても夜を徹して説得し、
一夜の話し合いで納得してもらえなければ、
何日も何日も、一週間も、二週間も、
わかってくれと翻意を促し、
何とか首を縦にふってもらって、
全員の賛意を揃えて初めて事を決める。

「現在の社会では無理ですが、
 日本の農村はそんな手間をかけて
 生活していました」
と佐藤先生は言ってました。

で、この『シンクロと自由』。

この本に出てくる
介護のエピソードを読んでいたら、
佐藤先生の講義で知った
農村の人たちを思い出しました。




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