2010年11月22日月曜日

素晴らしい友だち

『想い雲』(高田郁)読みました。

仮面ライダー1号、2号に熱狂したので、
子どもながら「V3なんてちゃんちゃらおかしいぜ」といいつつ、
がぜん引き込まれていった真ん中ジャバラ顔の一文字隼人。

『ゴッドファーザー』があまりにもよかったので、
「あれを超えるものは、簡単にはつくれないでしょ。
まぁ、あまり期待しないでおくほうがいいな、きっと」と思いながら
『ゴッドファーザー・パート2』を観たときの衝撃……。

続編、シリーズ物は、いつの間にか、ぼくの中で
「良い方向に期待を裏切ってくれる素晴らしい友だち」
という地位を占めるようになっていました。

だから逆に、
シリーズ物の1作目を読んで、
それほどでもなかったときにも、
2作目や3作目に手を出すことはママあり、
たいていは成功します。
例えば、池波正太郎の『鬼平犯科帳』とかです。

で、この『想い雲』。

シリーズ3作目です。
これを読み継いできたパターンは、
ぼくの中では珍しい感動グラフの動きを見せていて、
『鬼平犯科帳』パターンと『ゴッドファーザー』パターンを
組み合わせたものになっていました。

まぁ簡単にいうと、
1作目がものすごく良くて、
2作目はそれほどでもなかったってこと。

2作目がそれほどでもないのに、
3作目を読んだのは、
シリーズ物が「素晴らしい友だちの地位」を占めているから。

で、どうだったのか。

はっきりいうと、だんだん、つまらなくなってきちゃいました。
なんでかわかりません。
たぶん、ぼくの読み方が悪かったんだと思います。
というか、ちゃんと姿勢を正して読んでいないのだと。

登場人物も、文体も、主人公にいろんな苦難が立ちふさがる展開も、
なにも変わらないんですけどね。

でもなぜか、入っていかない。
やっぱ、これはぼくのせいでしょ、きっと。

ということで、シリーズ物の読み継ぎパターンが
イレギュラーになっていますが、
すでに4作目が本屋さんに並んでいるってことなので、
買ってきます。

やっぱ、「素晴らしい友だちだった」ことを実感したいので。

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高田 郁

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