2020年12月24日木曜日

『銀河ヒッチハイク・ガイド』(ダグラス・アダムス)読みました。


映画学校時代の友だちTくんは、
(今どうしているかな…)
1999年に人類が滅びるという
ノストラダムスの大予言を信じていました。

卒業して何年かたった20代半ば頃、
何かで彼に会ったとき
「その年には35才になるけど、
 どうせそこで全部終わるんだから、
 我慢して嫌なことをしなきゃならないのはNGで
 だから定職にはつかず、好き勝手なことするんだ。
 それで、もし人類が滅亡しなかったら、
 そんとき人生を考え直せばいい。
 それでも遅くないいよ」
と言って、
短期のアルバイトなんかでくいなぎながら、
面白おかしく青春を謳歌していたようです。
(今どうしているかな…)

ぼくはそこまで割り切った考え方を
できなかったのですが、
そもそも臆病なので、
世紀末には何らかのビビリを感じていました。
(何もなくてよかった)

それと同じように
今から15年前の厄年が迫っていた頃も、
何かあるぞ、嫌だ嫌だと
日夜びくびくしていたものです。
少し前の誕生日に57才になったので、
15年前は42才で大厄だったんです。

でも、今思い返してみると、
とくに何があったわけじゃなく、
ヤダやだと不安だったことが
精神衛生上よくなかっただけかな。

「1999」も「42」も、少なくともぼくには
特別な意味は何もなかったようです。

で、この『銀河ヒッチハイク・ガイド』。

この本では「42」が特別な意味がありました。
いや、ないのか。




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2020年12月22日火曜日

『この本を盗む者は』(深緑野分)読みました。


パソコンの辞書によると
ジェネレーションギャップってのは
「世代の違いから生じる、価値観の相違。
 世代間のずれ。」だそうです。

それ見たとき、なぜに「世代の違い」から
「価値観の相違」が生じるんだろうって
考えちゃいました。

もっとほかに考えなきゃいけないことは
たくさんあるのに、
たまたま引いた辞書の言葉に
突っ込まなくてもいいんじゃね、ぼく。
とは思ったんですが、
考えて出てきた答えが、
そのままにされるのもかわいそうなので、
ここに書いときます。

大した答えじゃないから余計に
どっかに残しておかないと
浮かばれない気がして。

つまりはまあ、
世代ごとに育つ環境が違うってことですね。

世の中はいつも流行りすたりがあり、
こぶしを効かせた演歌全盛期に育った世代が
ヨーヨーヨーと繰り返す
アップテンポのラップに馴染めなかったり、

働き方改革の中を生きた若者が
家庭を顧みず猪突猛進に仕事する
おじさんに違和感を感じたりと。

するとですよ、
そのなんやらギャップの要因は
ひとえに環境ですわ。

もし演歌世代の人が
ラップを聞き続けたらラッパーなるだろうし、
ゆとりの若者も高度成長期に生きていたら、
モーレツ社員になる。

で、この『この本を盗む者は』。

この物語がずしんとこなかったのは
きっとジェネギャプのせいでしょう。




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2020年12月17日木曜日

『さざなみのよる』(木皿泉)読みました。


人は、どんな時に泣くのか考えてみると、
大きく2つに分類できるような気がします。

1つは、悲しみとか苦しみとか痛みとか、
「受け入れるのがイヤだー」ってとき。

とっても大好きなあの子に振られて
別れなきゃいけないときとか、

子どもが駄々こねて「買ってー」と泣くのも、
おもちゃが手に入らない状態を
受け入れられないからでしょう。

そしてもう1つは、嬉しすぎるとき。

みんなで一生懸命
地獄の苦しみに耐えながら練習して
大会で優勝したときとか、
自分では精一杯勉強してきたと思うんだけど
やはり志望校はレベルが高かったと
腹をくくって臨んだ合格発表の掲示板に
自分の番号が記載されていたときとか。
(今はメールでのお知らせなんですかね)

その嬉しい場合は、受け入れられないはずはなく、
どうしょうもなく受け入れたいわけですよね。
まるきり反対のシチュエーションですわ。

とすると、とっても悲しくつらい状況にあり
泣くのを堪えているとき、
「元気だして大丈夫だよ」とか優しい声を掛けられて、
泣いちゃうのってどっちになるんでしょう。
優しさをどうしょうもなく
受け入れたいってことなのかな。

で、この『さざなみのよる』。

帯に「書店員が選ぶ泣ける本 第1位」
って書いてありました。
うん、確かに泣けました。
どっちの泣きなんだろう。別種かな。




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2020年12月15日火曜日

『憑神』(浅田次郎)読みました。


今日は銀行の人が来てくれる日です。
月に1回、〇日の午前中という約束になっていて、
土日なんかに重なると日程を前後に動かします。

午前中というのは当たり前ですが12時まで。
だいたいいつも11時半くらいに来ます。
もう少し遅くなるときもあるんですが、
そのときはお昼の時間にかかってしまうので、
申し訳なさそうな顔をして
「すいません」と言いながら、
振込とかの処理をしてくれます。

そんで、今は11時20分。
書き始めたのは11時10分くらいでした。
そんで、いつものように30分に
インターフォンのピンポーンが鳴るだろうから
書いていられる時間はあと10分。

まあ、銀行の用事が終わったあと、
また続ければいいんですが、
そのあとはお弁当の時間になるし、
そのときんは、別の本も読むし、
読んだらちょっとだけ(15分)お昼寝するし、
ランニング通勤で汗まみれになった服を干しているから、
それを取り込んでたたんで、リュックサックの中にしまうし、
そんなこんなをしていると
何を書こうと思っていたのか忘れちゃうんで、
できれば途切れずに書きたいとろこです。

さ、ここまで書いて11時26分。あ、27分だ。
もう来ちゃうかも。
なんて焦っていたら、やっぱり、
最初に何を書こうと思っていたのか、忘れちゃいました。

ということで、この『憑神』。

たぶん「面白かったです」と
書きたかったのだと思います。
ふー間に合っちゃいました。11時29分。




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2020年12月10日木曜日

『八百万の死にざま』(ローレンス・ブロック)読みました。


最近何回か引用している
伊坂幸太郎さんのエッセイから、
またまた引っ張ります。

小説はドキドキハラハラの
ストーリーだけじゃなく、
起伏に富んだ話の筋がなくても、
ウィットを感じさせる文体とか、
セリフ回しとか、地の文の語り口調だとか、
そういう部分で好きになるものが多い、
というような意見を書いていました。

それ読んだとき、ぼくは
「えーっ、それでもやっぱ、
 ミステリーもからんだサスペンスフルな
 エンタメストーリーがないと
 楽しめないじゃない」
と思ったもんです。

もう少し若かりしときには、
事件など何も起こらず
日常を淡々と描いた作品ばかり読んで
「ああ、素晴らしい」
とため息ついていたのに、
なぜか最近は
どっぷり娯楽のほうがよくなってきちゃった。

でも、この『八百万の死にざま』。

面白かったー。
伊坂さんの言うこと、よくわかりました。
エンタメしてないわけじゃないけど。
それ以外の部分のほうがいい。
もしかして、若かりしときに戻ってるんでしょうか。




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2020年12月8日火曜日

『宇宙(そら)へ(下)』(メアリ・ロビネット・コワル)読みました。


読む本を見つけるのに
ときどき参考にしているのが、
日経新聞の夕刊に
1週間に一度載っている書評です。

たしか「目利きが選ぶ3冊」ってタイトルで、
3人の選者がそれぞれ3冊紹介して合計9冊に、
短い文章と評価星(5つ星が満点)をつけています。

「選ぶ」ってタイトルをつけてるだけあって、
各選者がいい本だと感じた本を並べているんでしょう。
星の数が1つしかついていないものは、
今まで見たことありません。
(2つは何回かあります。選者の先生もしくは編集者が、
 この書評原稿の締め切りまでに、平均以上の点数を
 つけられる本と出会えなかったんでしょう)

逆に5つ星はいつも目にしていて、
特に時代物を専門にしている先生は、
毎回大判振る舞いで、
選んだ3冊すべて満点状態なのはいつものことです。

ファンタジー評論家という肩書きの先生は、
たいていが4つ星まで、たまに5つ星が出ると、
ぼくは迷いなく、その本を求めて本屋さんに行きます。

で、この『宇宙(そら)へ(下)』。

ぼくの記憶では、
ファンタジー先生はこの本に4つ星をつけていました。
まあ妥当な線だなと、読み終えて思った次第。




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2020年12月3日木曜日

『東海道中膝栗毛(上)』(十返舎一九)読みました。


世間がおろおろするような事態がなければ、
例年3月に、高校時代に入っていた
バドミントン部のOB・OG会が開かれます。

今年は、
その事態が直撃したので中止になってしまい、
多分来年も危ういかなと思ってます。

懐かしい顔にたくさん会えるから、
やりたいんですけど。
ま、仕方ないときは、仕方ないです。

いや、そんな愚痴を言おうと思ったんじゃなく、
書こうと思ったのは、
そのOB会でやるバドミントンのお遊び試合のこと。

一対一のシングルスはとても疲れるので、
ぼくがやれるのは二対二のダブルスだけなんですが、

それを同期の仲間同士で、
すっかりサビついている足腰や
ヒョロヒョロになっちまった腕や、
シャトルが安定して乗っかるような
お腹を笑い合いながらやるんです。

同期ってのは同じ歳ってこと。
早生まれとかあるから1つ誤差はあるけど、
やるのは3月だからたぶんみんな一緒。

もし来年できるとしたら
57歳になっているハズです。

ダブルスなので1つのコートに4人入る。
(と、ここで電卓を用意して)
57歳が4人だと、わっ! 合計で228歳だ。

この母校のちっちゃなバドミントンコートの1つに
のべ228年の歳月が、どたばたしてるんです。
百年単位の時間なんて大したことないんですね。

で、この『東海道中膝栗毛(上)』。

もともとは
1802〜1814年にかけて出された本だそうです。





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2020年12月1日火曜日

『泥棒はスプーンを数える』(ローレンス・ブロック)読みました。


12月になりました。
1年の締めくくりをしなきゃです。

世の中は騒がしいけど、
とはいえ、よく思い返してみると、
ぼく個人の生活は、いつもの年と
それほど変化があったわけではないし、
どう1年をまとめても面白くはならないので、
今年5つ星つけた本を並べて
締めくくり的なものにしておきましょう。

読んだ順に
『みみずくは黄昏に飛びたつ』(川上未映子/村上春樹)
『三体』(劉慈欣)
『おちび』(エドワード・ケアリー)
『ワン・モア・ヌーク』(藤井太洋)
『三体Ⅱ 黒暗森林(下)』(劉慈欣)
※上下巻でまとめてもよかったんですが、
 前半部分より後半のほうがグイグイきたので
 下巻にしときました。
『水晶のピラミッド』(島田荘司)

ついでに、
読んだ順につけていた番号なんかも言っとくと、
頭から「6」「10」「13」「25」「69」「82」
になります。そんでもって、
じつはもう一つ出てきたんです、嬉しいことに。

それが、この『泥棒はスプーンを数える』。

キリのいい100冊目でした。
78番目に読んだ同じローレンス・ブロックさんの
『殺し屋最後の仕事』も同じくらいよかったんだけど、
なぜか5つ星つけるの忘れちゃっていました。
今から付け替えてもいいけど、
まあ、忘れるのも記録のうちと考えときます。
今もブロックさんの他の本を読んでる途中。





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2020年11月27日金曜日

『占星術殺人事件 改訂完全版』(島田荘司)読みました。


前に観たことを忘れて、
初見だと思いもう一度同じ映画に向かう。

最近はそんなに映画を観なくなってしまったので、
ぼくにはあまり覚えがないんですが、
周りにいる映画好きの友だちは、
ほとんどがかなりの本数をこなすので、
みんなときどき、というか頻繁に、
意図せぬ二度見があるようです。

最初の10分くらいで気づくときもあれば、
中には最後の最後で「あっ、これ観た」と
思い出すコースもあり、

さらなるゴージャスコースになると、
スッゲー感動して、ああ観てよかったと
打ち震えながら家に帰って、
ずっとつけている映画ノートに
日付やタイトルを書き込もうと、
パラパラと帳面をめくったとき、
数年前の日付のとこに同じタイトルを見つけ、
うそだろ、と思いながら、
買ってきたパンフレットをめくりつつ、
パンフのコレクションをあさってみると、
まったく同じのが下の方に隠れてた、
とかいう人もいます。

そんな人に
「本でも、おんなじことあるよ」
というと
「まさか本はないだろ。
 本は映画より深く記憶に残るもんだよ」
って言われます。

で、この『占星術殺人事件』。

意図せぬ二度読みでした。
途中でなんとなく気づいて、
読了本リストを確認したら
2011年9月のとこにありました。
ゴージャスコース一歩手前かな。





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2020年11月25日水曜日

『宇宙(そら)へ(上)』(メアリ・ロビネット・コワル)読みました。


スマホやパソコンにあるアプリのアイコンに、
赤丸の白抜き数字でマークが表示されるヤツ
ありますよね。

あれ、なんて呼ぶのか知らないけど
……いや、知らないで済ませないで、
ちょっと調べますわ。

えーっと。
ブラウザ(最近はサファリを使用)を立ち上げて、
《アイコンの表示 赤丸》で[検索]をクリックと。

あ、あった、あった。
「アイコンバッジ」または単に「バッジ」だそうです。
少年時代、野球帽の横にウルトラマンとか怪獣とか
安全ピンみたいなヤツでとめてたあれと
一緒の名前でした。

そのアイコンバッチって、
未読のメールが溜まってますとか、
SNSの新規メッセージがありますとか、
要するに、お前がやんなきゃならんことが、
ここにおまっせ、とお節介やいてくれる機能でしょ。

だから、
それをいつまでも放っておくの嫌いなんです。
あの赤丸が、あっ、バッジが出ると
即座にそれクリックして、
なんかの処理して消したいんです。

んで、今それが出ている。
OSのアップデートを知らせるヤツ。
うーん。消したいけど、今はできない。
時間がかかるってこともあるけど、
環境変わって、
作業途中のデータがもしぐちゃぐちゃになったら、
目もあてられないので。もうちょい落ちつてからだな。

で、この『宇宙(そら)へ(上)』。

まあまあ面白いです(まだ上巻だけど)。
この下巻が読み終わるまでにはあの赤丸、
いや、バッジ、消したいな。






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2020年11月19日木曜日

『クオリアと人工意識』(茂木健一郎)読みました。


「古本を集めている人から聞いたんだけど」
「商売の参考になる」
「参考にはならないわ。古本だもの」
「いずれも紙に印刷する物だから同じと思った」
「じゃあ参考になるかも」
「参考にしたいね」
「参考にならないかもしれないけど言うね」
「お願いするよ」
「重なっちゃうんだって」
「私の下腹の贅肉もいつの間にか重なって、
 溝の間を洗うのに相当な時間がかかるようになった」
「車じゃなくジョギングで会社行くのはどう?
 ランニング通勤している人、あたし知ってる」
「下腹を洗うのの2倍いや30倍の時間を
 走りに費やせば、重なりは消えてくれるだろうね」
「そうそう、知ってる人もお腹出てた。
 2倍の時間くらいしか走ってないんだね、あの人」
「重なっている?」
「じかには見てないから、知らないけど、
 重なるっていうのは、同じ本を買っちゃうってこと。
 そのランニングの人じゃないよ」
「古本の人」
「自分の本棚に昔から入ってるのに古書店に行って
 〈やっと見つけた。これが欲しかったんだ〉
 とかひらめいて買っちゃうんだって」
「おお、参考になった」

「で、この『クオリアと人工意識』?」

「茂木さんの本は以前には読んでないと思う。重なりはなし。
 それと、この会話形式も特に意味はなく、重なりなし。
 今読んでいるローレンス・ブロック作品の真似をしたくなっただけ」






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2020年11月17日火曜日

『襲大鳳 羽州ぼろ鳶組(下)』(今村翔吾)読みました。


日経新聞の夕刊に載っていた
作家の川上弘美さんのエッセイに
「自分の過去の作品は
 恥ずかしくて読み返さない」
みたいなことが書いてありました。

(すみません、川上さんの小説は
 まだ読んでいません。
 今度、ご賞味させてもらおうかな。
 何がいいんだろう
 ……って思って、この文章を途中で
 ほっぽらかして、検索してみたら、
 一番上にWikipediaが出てきて、
 仕事の原稿を書くときには
 参考にしないようにしているそのサイト

(誰もが編集できてたくさんの
 チェックの目が光っているから、
 内容は信用できるという見方もあるけど、
 やはり出典がWikipediaというのでは
 読んでいる人も拍子抜けしちゃう気がするので

(とここまで書いて気がついたのは、
 この文章、丸カッコの中に
 も一つ丸カッコをつけて、
 多重構造のマトリョーシカ状態に
 なっているってこと。ルール違反じゃん)

 なるべくみんなが納得してくれる
 国の機関とか新聞社とかの出典先にするんです)。

あれ? 閉じカッコが1つ足りないような……。
それに、ロシア人形的なカッコ書きが長すぎて、
最初に何をいおうと思って川上さんの話を出したのか、
忘れちゃいました。
ま、いいか。よくないか。

それにしても、
多重構造カッコはエクセルの数式をつくときにも、
何をしたかったのか、わからなくなっちゃうんですよね、
文章でも同じだったか。

で、この『襲大鳳 羽州ぼろ鳶組(下)』。

面白かったです。






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2020年11月12日木曜日

『アロハで猟師、はじめました』(近藤康太郎)読みました。


ゴキブリが好きな人がいたとします。
ぼくはあの黒いやつは苦手だけど、
そんな人がいてもいい。
多様性は大事ですからね。

でも、もしその人が
自分のGラブ指向を主張するとき、
他のG嫌いの人を否定することで、
おのれの正統性に
つなげるような論調を展開したら、
ぼくは耳を塞いで
聞こえないようにします。
(多様性は大事なので、
 その人を逆に論破して
 つぶしてしまうような真似はしません。
 そもそもそんなディベート技術は
 ありませんし)

「とにかくあの色が好きだ。
 ピカピした黒光りはとても美しい」
とだけ言っているぶんには、
「ハハハ、君にはそう見えるんだね。
 すごいね」
くらいは答えられます。

でも
「あの色が嫌いだという人は、
 自然美に対する感受性が欠けてる」
などと言われると、
ほかに気を取られていたフリをして、
別の話題に切り替えます。

で、この『アロハで猟師、はじめました』。

面白いです。
でも、他を否定する語調の部分は読み飛ばしました。






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2020年11月10日火曜日

『叫び声』(大江健三郎)読みました。


確か島田荘司さんの本のとき
だったと思うのですが、
その作家(つまり島田さん)の作品に
たどり着いた経緯を書きました。

経緯ってほど大したもんじゃなく、
別の本に紹介されていたってこと
だけなんですけどね。

別の本ってのは
伊坂幸太郎さんのエッセイでした。

伊坂さんは島田さんのファンで、
自分の作品づくりにも
かなり影響を受けているとあり、
おすすめを何冊かラインアップしてたんです。

まだ島田ワールドを
体験したことがなかったぼくは、
読みたいと思う本が他に少なかった事情もあり、
騙されたと思って試したみたところ、

ドボンとはまってしまいました。

その伊坂さんエッセイには、
島田さん以外にも、
何人か好きな作家を紹介してて、
少し前にここにも書いた
ローレンス・ブロックさんもその一人でした。
(この人の作品は、なかなか本屋さんになくて、
 ようやく手に入れた2冊目を今読んでます。
 やっぱり、ドボン状態です)

で、この『叫び声』。

同じエッセイにあったんです。
この大江健三郎さんの作品。
大江さんは前にも何冊か読んでいて、
ドボンしなかったのは覚えているんですが、
今回も同様でした。
伊坂マジックも絶対じゃありませんでした。





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2020年11月6日金曜日

『襲大鳳 羽州ぼろ鳶組(上)』(今村翔吾)読みました。


前回の『アンドロメダ〜』では、
読了のタイミングについて書きました。

それをドドーっと書いたあとで、
1度読み返したとき、
「そういえば、本を読み終えるときって、
 どの場所にいるのが多いんだろう」
ってふと思ったんです。

前からいっているように、
ぼくの主な読書エリアは、会社、
帰宅時バス車中、ベッドの中の3つです。

ベッドには休日の家の中全部を含めて
考えているので、そうすると
一番長く本と向き合っているベッドが
1位になるようです。

いろいろ思い返してみても、
それは間違いない。

次の2位は、会社ですね。
お弁当を食べながらの読書が、
家で読むのについで
長い時間を使っています。

食べかけのまま、
読み終えた本を棚にしまい、
次の本を引っ張り出して広げることは、
よくあります。

そんで最下位になるのが、
時間的に一番短いバス車中。

会社と自宅の最寄りのバス停間は
20分足らずで移動できるので、
読める分量は限られてしまう。

それでも時々、
揺られながらの車内で
1冊を読み終えてしまい、
次に読む本を持参しておらず、
手持ち無沙汰で困ったなって状況も
何度か経験しています。
だから、
バスで読了することもないではない。

で、この『襲大鳳 羽州ぼろ鳶組(上)』。

読み終えたのは、バス車中。
なんですが、降りる停留所でバスが止まり、
扉が開いた瞬間の読了だったんです。
前回のアイコスドンピシャに続く、
下車ドンピシャでした。





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2020年11月4日水曜日

『アンドロメダ病原体─変異─(下)』(マイクル・クライトン/ダニエル・H・ウィルソン)読みました。


火をつけて煙を吸う
普通の紙巻きタバコから、
火をつけずに加熱して
蒸気を吸う電子タバコ
(正式にはそう言わないの
 だそうですが、
 わかりやすくそう呼びます。
 ぼくの使っているやつの
 商品名はアイコスです)
に変えてから、
2、3年になるでしょうか。

歯医者さんに行って、
歯の裏がこんなに真っ黒じゃ
治療もできないみたいに言われて、
仕方なしに変えたのが
きっかけでした。

それでヤニがつかなくなったのと
同時に変わったのが、
1回当たりの喫煙時間です。

以前の紙巻きタバコでは、
せいぜい3口吸ったら終わりで、
所要時間は1分未満。

でもアイコスは、1本を吸うのに
6分間もしくは14回の吸引
という仕組みになっている。
どちらか早く到達した時点で
スイッチが切れるシステムです。

猛スピードで(例えば10秒とかで)
14吸引すれば、そこで1本終わり。

でも、ぼくはそんな強靭な肺を
持っていないので、
たいていは14吸引もできずに
6分たってしまいます。

ただ、6分って結構長いですよね。
だから、お弁当を食べたあとの
一服なんかは、
そのときに読んでいた本を
喫煙所(ベランダです)に持ち込んで、
読書しながらアイコスするようになりました。

で、この『アンドロメダ病原体─変異─(下)』。

そのベランダ喫煙時の6分で
ドンピシャ読み終えたのがこの本でした。
それはここ2、3年のアイコス習慣で
初めてのことなのでした。





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2020年10月29日木曜日

『梅安影法師 仕掛人・藤枝梅安(6)』(池波正太郎)読みました。


事実は小説よりも奇なりっていいます。
まあ、そういうことありますね。

借金の返済期限が明日に迫って、
親戚やら知人やら手当たり次第に
駆け回ってかき集めたけれど、
どうしてもあと3万円足らずに、
もう破産するしかないと
夜の道をとぼとぼ歩いていたら、
1万円札がぴったり3枚、
道に落ちていたって、
誰かのエッセイにあったんですが、
(確か村上春樹さん)
そんなのも事実なんでしょうね。

そんな偶然があるとは思えないけど、
あるときゃある。

波風が立たず起伏がないのが
唯一の特徴といえそうな
ぼくの人生には、
そうした奇なる出来事は
舞い降りてきませんが、

一本のワラを拾った人が、
虫が顔にたかってきたので、
それを捕まえてワラに結んで
紐付きドローンみたいにして
遊んでいたら、

はたで見ていた子どもが
それを欲しがるので
ミカンと交換し、

ミカンを持ってしばらく行くと
喉が渇いた裕福な商人が
ミカンを欲しがり
上等な反物と交換
→病気の馬と交換
→馬が元気になり馬を
貸して屋敷を手に入れる、なんて
偶然のロイヤルストレートフラッシュ
みたいな状況もあるんでしょうね。
あ、それはフィクションか。

で、この『梅安影法師 仕掛人・藤枝梅安(6)』。

まあ、なさそうな偶然が
いろいろと重なるけど、
面白けりゃいいんです。気にしないでも。





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2020年10月27日火曜日

『梅安乱れ雲 仕掛人・藤枝梅安(5)』(池波正太郎)読みました。


昔、雑誌の編集をしている先輩が、
こんなことを言ってました。

「用語解説の原稿を1項目200文字で
 20項目分書いて欲しいと
 ライターさんに注文したら、
 文字数が全部ばらばらで
 納品されてきた。
 少ないのは100字くらいで
 多いと500字くらい。
 そのライターさんが言うには、
 どれも違う用語を説明するのだから、
 分量が同じになるほうがおかしいって」

それを聞いて思い出したのが、
誰だか忘れましが、たしか女性の
ベテラン作家さんが言っていた
「だいぶ長く小説を書いてきたので、
 指定された枚数にぴたりと
 合わせられるようになりました」
という話。
ストーリーは同じでも、
引き延ばしたり、縮めたり、
要望に応じて、
いかようにもまとめられる技術が
身についたようだと、ベテランさん。

あ、
ライターさんにベテラン作家の技術が
ないと考えたわけじゃないんです。

むしろその逆で、ライターさんには
ベテラン作家さんにはない
信念みたいなものがあるだろうな、
と思ったんです。

重要でないものは短くし、
大切な情報は分量多く紹介する。
それは、読む人に対する誠実さだろうな、って。

で、この『梅安乱れ雲 仕掛人・藤枝梅安(5)』。

池波正太郎さんは
技術を持っている人だなって思いました。





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2020年10月22日木曜日

『アンドロメダ病原体─変異─(上)』(マイクル・クライトン/ダニエル・H・クライトン)読みました。


凶悪な怪物を退治しに行く
桃太郎のような物語を
読んでいたとしましょうか。
しましょうね。

登場人物を考えるのも面倒なので、
古来のお話をもじって、
太郎、いぬ山、さる子、きじ美の
4人のメンバーが
向かったとしましょうよ。

鬱蒼とした森の奥を住処とする
怪物オニラーのもとへ、
曲がりくねったけもの道を、
実は怖さで足を震わせながらも
「へっちゃらだい」
という表情を無理やり顔に
貼り付けて進んでいく。

しばらく行くと、
密生していた樹木がまばらになり、
少し開けた場所にたどり着く。

今まであたりが薄暗かったので、
ここなら
ちょっと安心できると思いきや、
なんとそこには、あちらこちらに、
骨付きスペアリブ状の肉塊やら、
ひんむかれたような生き物の皮やら、
飛び散った血のあとやらが、
散乱していた。

それぞれのパーツを
よく分析してみると、
どうやら生きていたときは
人間、犬、猿、キジの
各生物種だったらしく見える。

うぎゃー!
ここはもうオニラーの縄張りだ。

きっと、この場所は
ヤツのダイニングスペースだ。

4人の見解は一致して、
とてもじゃないが、
自分たちが倒せる相手じゃないと
思い知る。やっぱやめて、逃げようと。

そこで、
まずはこの場所から離れるのが先決だと、
4人は一斉に森の奥へと駆け出していった。

で、この『アンドロメダ病原体─変異─(上)』。

なんで4人は森の奥に行くのか。
逃げるなら、もと来た道に
戻ればいいじゃん。
というツッコミもあるけど、
細かなことは気にせず、
先を読み進めたくなるようなお話もあるんです。





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2020年10月20日火曜日

『暗闇坂の人喰いの木』(島田荘司)読みました。


ここで紹介している本の
並びを見ればわかるように、
フィクション(小説)は、
どんなのでも割合好きで、
それなりに読んでます。

小説以外でも、
一般読者向けの自然科学の
解説本なんかはその時々の興味で
手にとったりします。

エッセイも内容的に
面白そうだったら試してみます。

この「内容的に面白そうだったら」が
エッセイ選択の主な理由で、
小説のように著者を基準にすることは、
なぜかしら、あまりないんです。

それでもたまに内容などは
何もリサーチせず、
その著者だからといって
目を通すものもある。

この前読んだ伊坂幸太郎さんの
エッセイ集がまさにそれでした。
というのも、
伊坂さんの出しているフィクションは
ほとんど読み終えてしまって、
次の新刊が出るのを
待つしかなかったからなんです。
ほんでもって、その中に紹介されていたのが、

この『暗闇坂の人喰いの木』。

ぼくはきっと、これから島田作品を
読み漁っていくと思います。
そんで小説作品が尽きたら、
エッセイにも手を出すだろうな、と。





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2020年10月16日金曜日

『梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(4)』(池波正太郎)読みました。


この前読んだ三島由紀夫さんの
『文章読本』の中に、
文章をつくるのは
生半可でない覚悟が必要だ
というくだりがありました。

どんな1文も
おそろかにしてはいけないから、
どこかで注意が
散漫になってしまう長編よりも
短編のほうが
優れた作品が多いのだろうと。

短編といわれて、
ぼくが反射的に思い出すのが、
大好きな星新一さんの
ショートショートです。
その名の通り、短いです。

でも、あの作品群、
ぼく的には三島さんのいうような、
悩んで悩んでひねり出した文章には
見えないんです。

実際、星さんは、
お話を文章にするのは
それほど難しい作業じゃなくて、
あの短い中で
アッと言わせるアイデアを
考えるのが大変なんだと、
どっかで言ってたように覚えてます。

おそれながらぼくも、
最大140文字という制限が
あるツイッターのつぶやきでは、
ネタを見つけ出すのが何より大変で、
文章に起こすのは割合へっちゃらなんです。

で、この『梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(4)』。

ここまでの1〜3巻は、
1冊に5話くらい入ってる短編集でした。
だからこれも同じだろうと読み進めたら、
最後まで1つのお話が続いてて長編なのでした。





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2020年10月13日火曜日

『リセット』(北村薫)読みました。


ぼくも一応、
出版・印刷業界の端っこに
いさせてもらっているので、
本はなるべく
新刊で買うようにしています。

誰かの手垢がついた
古本じゃあ嫌だってことじゃなく、
(ボロボロでも文字が
 判読できれば十分と思ってます)
その本をつくった人に
何らかのお返しをしたいから。

古本だと払ったお金は、
出版社にも著者さんにも
いかないですからね。

と、なんだか格好いいこと
言っているようですが本当は、
つくった人にお金が
まわらないという構造が、
まわりまわって
末席にいるぼくにも
影響するかもしれないと
恐れているからなんです。
つまり、ただのびびり。

まあそんなんで、
新刊で手に入れたいんですが、
今は結構、
書店に並んでいる品の
入れ替わりが激しくて、
刊行からまだ何年も
たっていないのに、
売っていなかったりする。

出版社の人も
電子書籍で売れるから、
そんなにバカ売れしない本なら
わざわざ紙に刷るまでもないか
と考えているのかな。

すると、
シリーズ物で1冊目を読んで、
面白いから2冊目と思ったとき、
それが品切れで、
3冊目しかないことも、
よくあるパターンになったりします。

で、この『リセット』。

何回か前にここに書いた
『スキップ』に続くシリーズ3冊目。
そう、2冊目が売ってなかったんです。





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2020年10月9日金曜日

『御手洗潔のダンス』(島田荘司)読みました。


「それは書物に対して
 失礼なんじゃないの」
と言われる気がしますが、
3種類の本を
同時並行で読み進める習慣は、
もう長いこと続けてるので、
今更どうしようもないと思います。

自分でもわかっている弊害は
あるんです。

特に同じ作者のが重なったとき。

ついこの前もありました。
読み終えたばかりの短編集が
面白かったので友だちに薦めようと、
印象に残ったストーリーを
ネタバレしないように話したんです。

そこまではよかった。
でも、話した直後に
短編集の中にあったハズの
別の話の一場面が頭に浮かんで
「そういえば、
 あの話も面白かったか」
とひらめき、
続けて伝えてあげようとして
……して。

……したんだけど、
その場面の次に
お話がどう展開したのか、
まったく思い出せないんです。

記憶力の軟弱さは自覚してます。
そうはいっても、
それを踏まえたうえでも、
覚えてなさ過ぎ。
空白、ゼロって感じです。
えっ、記憶喪失?

で、この『御手洗潔のダンス』。

友だちに薦めた短編集がこれ。
そして登場したハズの一場面は、
並行して読んでいた
同じ作者の長編に出てきた
シーンでした。本が違ってた。

そっちはまだ読み終えていないので、
記憶にないのは当たり前なのでした。
これが、同時並行読みの弊害です。





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2020年10月7日水曜日

『お腹召ませ』(浅田次郎)読みました。


ポケット・ワイファイ
っていうんでしょうか。

小さな機械を持って
どこでもネットに
つながるようにできるやつ。

カミさんが、短期間だけ
それを用意しなきゃいけなくなり、
先日、家電量販店に行きました。

彼女が事前にネットで調べたところ、
1週間とか1カ月とかで
機械をレンタルできるサービスがあり、
大きな電気屋さんに行けば
申し込めると思ったんです。

そういうのはよくわからないので、
売り場の人にしどろもどろで説明すると、
専門相談員的なスタッフのところに
案内されました。

再度、もどろもどろで
やりたいことを伝えると、
「そういう短期のサービスは
 ないんですよね」
とのお答え。

その使い方をしたいのであれば、
普通の契約をして
使い終えた時点で解約するしかないと。
その場合、機械代の2万円ほどと
解約金も発生するので、
とんでもなく高くつくんだとか。

そこではとりあえず返事は保留して、
こんどは携帯キャリアの店に行き、
同じことを聞きました。
するとそこでも同じ答え。

ネットの情報はなんだったのかと、
やっぱり保留して家に帰り
「短期ワイファイ」で再検索。

ヒット件数は8万件以上、
あるわあるわ。
それよくみると、
どうやら聞きに行ったお店が違ってて、
お門違いだったようです。

で、この『お腹召ませ』。

「ここじゃない、違う」
と気づいた人たちのお話だと思って、
とても親近感が湧きました。





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2020年10月5日月曜日

『水晶のピラミッド』(島田荘司)読みました。


パソコン(マックを使ってます)は、
いろんな機能がせっせこせっせこ
新しくなってしまい、

そうして生まれてくる新技術は、
どうやら昭和生まれの
ぼくからは逃げ去りたいようで、

こっちもできることなら
去るもの追わずの精神で
放っておきたいのは山々なんですが、

捕まえておかないと
仕事に支障が出ることもあり、
その去りゆく後ろ姿の
尻尾の先でも構わないから、
かろうじてつかまえておくのが
大人のやり方だろうと、
その辺の動向が掲載されている
月刊のパソコン雑誌(マックファン)を
定期購読しています。

(昔はコンピュータ本体の記事が中心で
 役に立つ部分は多かったんですが、
 今はスマホ情報が大部分になってきて、
 ますます読む記事が少なくなっています)

目を通すのは、
お昼のお弁当を食べながら。
月末に最新号が届き、
それまでお昼休み用に読んでいた
本を読了した次の日に、
さささっとページをめくっていきます。

ということは、
前の本が読み終わらないと
パソコン雑誌には
手をつけられないんだけれども、
まあ、間は1カ月あるので、
ローテーションが滞ったケースは
ありませんでした。

で、この『水晶のピラミッド』。

面白かったですね。
でも、でも700ページ超。
未読のまま待たされていたマックファン君の
「早よせえ」って声が聞こえてきました。





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2020年10月2日金曜日

『一人称単数』(村上春樹)読みました。


何度もゲラのチェックを繰り返し、
あとちょっとで印刷という
ときになって突然、著者さんから
一部内容の削除依頼がきて、
削らないと出版させないと言われ、
仕方なくトルツメ作業を
することになったけど、

やってみると、
減ってしまうページ数が中途半端で、
そのままだと真っ白のページが
何枚も続くことになり、

格好がつかないから、今ある文章に
できる限り改行を加えて段落を増やし、
読み点も山ほど追加して
文字数行数をかさ上げし、
なんとか白を埋められました。

って話を昔、ある出版社の
編集さんから聞きました。

何ページもの白を埋める
ってレベルまではいかないけど、
ぼくもちょくちょく、
そんな行数調整はやります。

段落の最後の1行が一文字だけ
(句点もあるから正確には
 2文字ですね。「た。」とか)
だと、その下がスカスカすぎて
心が見通されれそうな気がするので、

その前の途中のどこかに
読み点「、」をいくつか追加して
行の真ん中くらいまで伸ばすとか。

逆に行数オーバーのときに、
あちこちの読み点削るとか。

でも、接続詞の後の読み点は、
なぜか残すことが多かったんです。
読みにくくなような気がして。

で、この『一人称単数』。

ぼく気がついた限り、
「そして」のあとに読み点は
入っていませんでした。
それでも読みやすかった。
今度から使おっと。





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2020年9月30日水曜日

『殺し屋最後の仕事』(ローレンス・ブロック)読みました。


やっとたどり着いたと思ったトイレが
清掃中で使えなかったり、

今日は頑張った自分へのご褒美に
ちょっと奮発して
友達から聞いた美味しい高級店で
トロトロのビーフシチューにありつくぞと、
よだれを拭いながら
電車を乗り継ぎわざわざ出向くと
「都合により本日はお休みいたします」
の札が掛かっていたり、

おっしゃー、あと10行で
この紙面は完成だから、
みんながほれぼれするような
結びの文章で締めるぞと、
キーボードを叩いたら、
いきなりパソコンが落ちて
それまでのデータがぶっ飛んだり、

ってな感じで
物事が自分の思い通りに
いかないことは知っています。

知っているんだけど、忘れちゃう。
まるでスーダラ節の歌詞のようです。

それでもね。
半世紀以上生きてきて、
最近やっと、ほんの少しだけど、
思い通りにいかないってことを
事前に意識できるようになった
気がするんです。
「漏れちゃうってときに限って
 清掃中なんだろ」とか
「定休日避けても、ぼくが行くと
 突然の都合で休むんだぜ」とか
「きっとクラッシュだ」
なんて前もって考えたりする。

そうするとですね。
不思議なことにそうした障害が
出てこなくなるんです。
頭の中で予想すると、
その出来事は
完了しちゃうのかもしれません。

で、この『殺し屋 最後の仕事』。

ああー面白かった。
殺し屋さんが不安に思って
いろんな障害を頭に浮かべるのが、
最近のぼくのようでした。
で、予想すればヤなことは起こらない。





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2020年9月28日月曜日

『激甚気象はなぜ起こる』(坪木和久)読みました。


昔、とある雑誌の記事を
つくっているとき、
その雑誌には度々登場している
有名人の写真を
載せたことがありました。

そのとき、
ぼくはもう何度も目にしてるお顔だから
(実際にお会いしたわけではなく、
 掲載する写真やテレビで)
ついつい写真にその人の名前を
(いわゆるキャプションです)
つけ忘れちゃったんです。

たぶん、
「わざわざ書かなくても、
 みんなわかるだろう」
って意識が働いたんだと思います。

それに中身の記事を読めば、
わかるようになっていたし。

そんで、
できた誌面をチェックする
出版社の人も気づかず、
(たぶんぼくと同じ意識が
 働いたんでしょう)

そのまま
世に出回ることになりました。

案の定、
どこからもクレームらしきものはなく、
読者アンケートでも
「あれは誰?」なんて疑問は
寄せられません。

でも、後日。
その記事を何気なく見ていたとき、
ふと思い出したんです。

その雑誌の
最初の仕事をやったとき、
送られてきた画像データを見て、
「これ誰ですか?」
ってぼくが聞いたこと。
「えっ?知らないんですか?」
と編集者さんに呆れられたこと。

その最初の時には、
何の迷いもなくキャプションはつけました。
ぼくのような人のためにも
説明書きはいるよなと、
名前なしの写真を見て
初心にかえったのでした。

で、この『激甚気象はなぜ起こる』。

キャプションなしの写真を載せちゃったこと
思い出しました。





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2020年9月25日金曜日

『四畳半タイムマシンブルース』(森見登美彦)読みました。


「ピストルが登場したら
 発射させなきゃいけない」
って聞いたことがあります。
それが物語をつくるときの
定石だって。
(例によって誰がどこで
 言った言葉なのか忘れてます)

例えば、
「彼女の部屋のベッドの下に
 ガムテープで貼り付けられた
 拳銃が隠してあった」
なんてエピソードが
お話の中に出てきたら、

その拳銃は、
後のストーリーの中で
使われなくちゃいけない。

見つけた彼氏が、
悪いやつに襲われている彼女を
救うとき使ってもいいし、

痴話喧嘩の末、
彼女が彼氏を撃っちゃう
ってんでもいいから、

とにかく、
ベッドに貼り付けられたまま、
お話が終わっちゃいけない
んだそうです。

伏線は回収しなさいって
ことでしょうか。

思わせぶりな小道具を出したら、
思わせぶりだけで
放置プレイしているのは、
読む人の精神衛生上よくないんでしょう。

でも、
物語をつむぐ人だって人間なんだから、
ついつい忘れちゃうこともあるはずです。
特に、はちゃめちゃで
やっほーと掛け声が出るほど
ノリノリのお話だったりしたら。

で、この『四畳半タイムマシンブルース』。

修理に出したリモコンは返って来たっけ。
なんて疑問は、読み返せばきっと
解決してるから忘れていいんです。
おもろいんだから。





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2020年9月23日水曜日

『スキップ』(北村薫)読みました。


その頃はまだ
子どもたちは2歳か3歳で
保育園に行っていました。

かみさんのほうが朝早く
仕事に出なくちゃいけないので、
ぼくが二人の子どもを送っていく。

強化ママチャリで
前と後ろに幼児用座席をくっつけ、
今日はどっちが前だ後だと
キャーキャーいいつつ、
家から5分ほどの道のりを
ぎごぎご漕いでいきました。

そんときのぼくは、
保育園にいるほかの子どもたちに
なぜか好かれ、
会社に行かなきゃならないのに、
しばらく奴らの相手をし、

先生たちからの
「もっと遊んでいってくださいよ」
などという甘い言葉を後に、
家に帰り、チャリを置き、
会社に向かいました。

そのときはまだ
ランニング通勤もしておらず、
20分くらい電車に揺られて
到着するる場所に会社があった。
数人規模の編集プロダクションです。

仕事内容は、今とだいたい一緒。
つくっているモノは、
単行本や雑誌、企業の出している
プロモーション媒体とか。

原稿を書いて、
ライターさんや著者さんの
テキストを整えたり、
レイアウトしたり、
イラスト描いたり。

その頃はまだパソコンじゃなく、
ワープロで作業していたけど、
おおむね同じです。

帰りは結構遅くて
夜の10時前後でした。

というのが、
ぼくの25年前の日常。
そこから四半世紀たちました。
成長してないな。

で、この『スキップ』。

56歳のぼくの25年前は31歳。
その30代からスキップして、
いきなり今になったとしても、
まあ、たいしたことないでしょうね。
けど、やっぱ17歳からだと大変です。





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2020年9月18日金曜日

『梅安最合傘 仕掛人・藤枝梅安(3)』(池波正太郎)読みました。


あの場面はとても泣けた
とかって書いて
その理由を述べていったり、

共感できない部分やツッコミどろを
ずらずらあげていったり、

ネタバレ何するものぞと
ストーリーを細かく記していったり

……なんてことをすれば、
ここに埋める文章も
もう少し素直な内容になるはずで、

しかも本の紹介(というか感想)
という土台のテーマがあるのだから、
ゼロからネタを考える必要もなく、
労力的にも省エネになり、
すらすら筆は進んで、

あっという間に空白は
埋まってしまうと思うんです。

でもね。
本の内容は、
ネットなんかを見れば
すぐに出てくるし、
面白かった、つまらなかった、
という感想もごまんと
あふれているだろうから、

そういうのとは
少しでも違う方向でやりたい的な
へそ曲がり精神で
長年やってきたので、
今更変えるのも
なんだなって思ってるんです。

で、この『梅安最合傘 仕掛人・藤枝梅安(3)』。

ということで今回も
内容に触れるの忘れちゃいました。
とにかく、次の4巻、早く読みたいです。





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2020年9月16日水曜日

『地磁気逆転と「チバニアン」』(菅沼悠介)読みました。


物語を面白く感じさせる
効果的なツールに
《勘違い》があると、
何個か前に書いた気がします。
池波正太郎さんの
ときだったかな。

それはちょっと
マイナーっぽい要素なんだけど、
もっとメジャーに振れば、
《対立》があります。

個人的な喧嘩はもちろん、
コワモテの人たちの
団体同士の闘争だとか、
もっと大きくなって戦争も。

ひょっとすると、
そん中にはスポーツも
含んでいいかもしれません。

でも、髪の毛の先の方まで
臆病者のぼくは、
戦うのが嫌いなんです。
つーか、怖いのかな。

小説だから、頭の中で
「これはフィクションだぞ」
と言い聞かせても、
なんかゾワゾワ感が残っちゃう。

それでも、
対立が描かれているのに、
好きだと思うストーリーはありますよ。

この前読んで
びっくらこいた『三体』なんか、
宇宙人との対立ですし。

だけどね。
だけど、争いのない面白い話がいいな。

で、この『地磁気逆転と「チバニアン」』。

一般向けに自然科学を解説する
講談社の新書シリーズです。
もちろん小説じゃないノンフィクション。

だから、今まで知らなかった知識に
「へぇー」とうなずいて、
「そりゃ、面白い。興味深い」
と感心する本なんです、きっと。

《対立》を紹介しても、ぼく的には
内容は深まってはいきませんでした。
(対立が出てくるのは
 ほんのちょびっとなんですけどね)





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2020年9月14日月曜日

『花唄の頃へ くらまし屋稼業』(今村翔吾)読みました。


8冊前に書いた
『三体2 黒暗森林(上)』のとき、
読了したら、まずは
エクセルに書名や日付だけ
メモっておき、そのあとで、
仕事の合間を縫って
この文章をつくっていくと
いいました。

だからメモだけ先行して、
ここに書くのはだいぶ後に
なってしまうこともあると。

その『三体〜』のときには
7月28日に読み終わり、
もうじき1カ月に
なろうかという8月19日に書いて、
それでもまだ
7冊ぶん残っているから
どうしようって。

その残り7冊目に、
なんとかたどり着きました。

読み終えた日付を見ると、
8月20日。
それから約1ヶ月弱。

例年この時期は、
仕事がバタババするので、
本を読む時間が限られてきて、
ましてはその感想文
(感想になっていないのが
 ほとんどですが)
を記す隙間も
ほとんど見つけられず、
こんな事態になってしまいます。

それでも不思議と、
書かなくても読んだけの冊数は
溜まっているんですよね、
このところ。

で、この『花唄の頃へ くらまし屋稼業』。

読む時間は少なくなっているはずなのに、
読了本の数はそれなりに
積み上げっているときは、
あっという間に読めて
「まあ面白かったね、次っ」
ってのが続いているってことです。
この本みたいに。





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2020年9月11日金曜日

『癒す心、治る力』(アンドルー・ワイル)読みました。


いつだったかは忘れましたが、
これから読む本の方向性について、
ここに書いた覚えがあります。

方向性なんて
難しそうな言葉を使っちゃいましたが、
まあ、どんなジャンルの本に
挑戦するのかってこと。

今まで読んできたのは、
何かしら興味があって
手にしたものだったけど
(仕事で読まなきゃいけない本でも、
 どこかに自分の好みは
 反映されていました)
そうじゃない本に
チャレンジするのも
いいんじゃないかと。

新聞の第1面下段に並ぶ
書籍広告の中から、
一番読みたくないと思うものを
選んでみるとか。

この人はどうも合わない、
言っていることがことごとく
ぼくの考えと反対だって人の
座右の書を買うとか。

そんなふうに
無理やりじゃないと
触れもしないような本を
読んで理解していくと、
視野はぐんと広がって、
誰もに尊敬される
立派な人になれるんじゃないかと
企んだんです。

でも、最初に書いたように、
そう思ったのがいつだった忘れるほど、
その戦略は
すっかり頭の中から抜けていました。

なぜ思い出したかというと、
ネットを見ていて画面の端に、
たまたまインド料理の
レシピ本の広告が出ていて
「あ、レシピ本って読んだことない」
と考えたからなのでした。

で、この『癒す心、治る力』。

この本の後半、
なんだかレシピ本のようでした。
(レシピ本読んだことないけど)
それもあって
上記を思い出したのでした。





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2020年9月9日水曜日

『太宰治の辞書』(北村薫)読みました。


人の偉さは
年齢によって
決まるもんじゃない
のは知ってます。

バカボンのパパは41歳なのに、
はじめちゃんは
まだ赤ちゃんですから。

それでも実際の人と対面するとき、
上記バカボンの法則は
頭から飛んでしまい、
無条件で「年上だから偉い」と
感じてしまいます。

もちろん、
長幼の序っていうんでしょうか、
常識として
知らぬうちに身体に
しみついちゃっている
礼儀の習慣みたいなのも
あるんでしょうが、
そんな決まり事とは
違う次元のしばりが、
ぼくの中のどっかにあるようです。

そして性別も、ぼくにとっては
年齢と同様の効力を発揮します。

子どもは別にして
一般的に女性と呼ばれる人を
前にすると、もう脊髄反射的に、
この人は
「賢い」「偉い」「優れてる」
なんて思っちゃうんです。

だから女性に対し
紳士的に教え諭すような態度がとれる
男性はうらやましくて。

あっ、そうえいば、
高校時代の先生は
みんな女生徒に対して、
そういう接し方をしていたな。

で、この『太宰治の辞書』。

「円紫さんと私」シリーズ。
円紫さんは《私》に対し、
今言ったような紳士な接し方をします。
そんな人物を、よく書けるな
と思ったら、著者の北村さんは
昔、高校の先生をしていたらしいです。





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2020年9月7日月曜日

『三体2 黒暗森林(下)』(劉慈欣)読みました。


ちょっと前、
新しく読む本のストックが乏しくなり、
積ん読本が品切れになったときに
備えておこうと、本棚の中から
「次に再読するならコレ」を
決めておくことに思いました。

そんなに大きな本棚が
あるわけじゃないけど、いや、
少ないスペースしかないからこそ、
前後2列になって
裏に隠れているのがわんさかある。

そんなのをひっぱり出しながら、
どれにしようかななんて
ニタニタしながら至福の選択時間を
過ごしていたんです。

そこで、ふと目に止まったのが、
全部揃えようと企みながら
最初の3巻くらいで
止まっていた山本周五郎全集。

すべて集めると
たしか30巻ほどになるヤツです。
そうでした。昔はよく読んでました。
周五郎さん。

知ったのは黒澤映画の
原作だったからじゃないかな。

すぐパッと思い浮かぶのは
『樅ノ木は残った』です。
(ふー、やっとこの題名にたどりついた。
 じつは今までの
 四百字詰め原稿用紙1枚分くらいの文章は
 このタイトルを出すための
 前振りだったんです。
 いきなりだと唐突かなぁって、
 読む人に配慮したつもりが、
 もう書き過ぎな気がしてきて、
 ここらで終わってもいいかと
 思えてきました。
 それだと枕だけの落語だな。
 だと怒られるので、もちょい)

物語の流れを
しっかり覚えているわけじゃないけど、
あの主人公は周りのみんなに
「自分は裏切り者である」
と誤解させることで、
おっきな良い行いをしたんですよね。
そんな人物、素敵だな。

で、この『三体2 黒暗森林(下)』。

そう考えると、このSFには周五郎節も入ってます。





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2020年9月3日木曜日

『おくのほそ道(全)』(松尾芭蕉)読みました。


若かりし頃、
東京から北海道まで
クルマで旅行しました。

高速は使わずにほぼ一般道で、
地図とにらめっこしながらです。

スポーツタイプの乗用車なので
座席は狭く、そこにむりくり
5人がおしくらまんじゅう道中。

その途中で観光名所に
あちこち寄り道したんですが、
誰かが
「松島は日本三景って
 いわれてるから、きれいだぜ」
とのたまい、

風光明媚など解せるはずのない
むさい連中なのに、
「三景じゃあしかたねーな、
 サンキュー」
と天命を知るはずの歳を超えても
今なお口にしている
ダジャレとも呼べないセリフを
それぞれ吐きながら、
三景の一つに向かいました。

音量のつまみを
あと5回転くらい絞っても
十分聴こえるボリュームで
『翼の折れたエンジェル』
が流れる車内。

地図を見ていたナビ役が、
中村あゆみの歌声に負けじの大声で
「もう、ここらへんだぞ、
 いや通り過ぎちゃったかも」
とみんなに知らせました。

えっ、と窓外をキョロキョロして、
「ああ、たぶんあれだろうな」
とむくつけき5人は納得して、
海岸線をそのまま過ぎていきました。

「名物にうまいモノなし」
とはよくいうけれど、
風景も同じようなモノなのかね、
と思った若かりし頃でした。

で、この『おくのほそ道(全)』。

「松島や ああ松島や 松島や」は、
芭蕉さんの作品ではなかったんですね。





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2020年9月1日火曜日

『朝霧』(北村薫)読みました。


出版関連の仕事をしたいと思って、
こっちの業界にきて
一番最初に入ったのは、
編集というよりも、
広告をとってくる営業の仕事を
やる会社でした。

その前にも
営業職は経験していたので、
橋渡し的にはいいかなと思って。

そこで、
誌面をつくるとかの作業を覚えて
(今のように全部パソコンで
 済んしまうのではなく、
 手書きで原稿用紙に書いて、
 レイアウトの指示書をつくって、
 版下屋さんに持って行って、
 あがってきたゲラに色指定とかして
 ……といった工程です)
その会社の次に
編集作業を本業にする会社に入りました。

その編集会社に入ってまずびっくりしたのは、
会社の外に出ていると、
仕事してないヤツみたいに見えること。

前までの営業職は逆で、
出払っているほど
仕事している感があった。

ずーっと会社にいて、
原稿書きとか校正作業とか
してるのが普通なんですね。
(今もだけど)

それともう1つ驚いた、
というか嬉しかったのは、
誌面のラフスケッチを描くのが
仕事になること。

それまで遊びで、
自主映画のチラシなんかをつくるとき、
落書きみたいにして
喜んでつくっていたものと
同じことをやって給料がもらえる。
今までやってたのって、
遊びじゃなく仕事なんだって思えた。

で、この『朝霧』。

主人公は女性だけど、
ずっぽり感情移入しちゃいました。
学生から出版社へ入って
そこで感じること。ぼくと同じでした。





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2020年8月27日木曜日

『3652 伊坂幸太郎エッセイ集』(伊坂幸太郎)読みました。


たぶんスティーヴン・キングさんの
小説のつくり方を知ってから
だと思うんですが、
ストーリー作法には
大きく2つのやり方があるようだと
意識するようになってきました。

もちろん本は
面白ければそれでよくて、
読んでいる最中に、
「これ、どうやって
 つくっていったのかな」とか
「これが作者の
 一番伝えたかったテーマだな」
なんてことを
考えちゃうのはとっても野暮で、
そんな邪念は一切なしに
ガガーっとページを
めくっていけるのが理想だけれども、

そんなふうにできるのは、
やっぱりとんでもなく面白い作品で、
たいがいの本は、
頭の中であっちに寄り道、
こっちで居眠りしながらになっちゃう。

ほんで、もとに戻って2つのやり方。
1つは、
構成をみっちり練ってから
書き始める方法。
もう1つは、
構成なしに思いつくまま
物語っていく進め方。

キングさんは後者だそうです。
読者のぼくも、
これは練りすぎだと感じるものより、
思いつくまま系のほうが好きです。

で、この『3652 伊坂幸太郎エッセイ集』。

伊坂さんの作品は、
構成練り練りでつくっていると思ったけど、
どうやらそうではないようでした。





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2020年8月25日火曜日

『胎児のはなし』(最相葉月/増崎英明)読みました。


読み終えた本のストックは
会社と家の2カ所に分散しています。

会社と通勤バス、
それに家の3つの場所で、
それぞれ違う本を楽しんで、
読み終えた場所に
置いておくってことです。
(通勤バスは
 帰りだけ使っているので、
 読了時は家になります)

そのうち会社は、
この感想文もどきの文章を
書くところなので、
読了本のうち、
まだ文章をつくっていないものと、
もう済んじゃったものがわかるように、
ちょっとだけ
保管エリアを変えています。

未文章モノは
机の横に置いているソデ机的低層棚、
済文章モノは
ちゃんとした本棚。
(このちゃんと本棚は、
 仕事の資料とかも置いてあるので、
 ここで紹介した本なんかを置く
 スペースには1マス分しか
 充てていません。
 そうしないとどんどん増殖して
 仕事ができなくなっちゃうので。
 んで、約1年ほどで、
 その1マス分はラッシュアワーの
 満員電車状態になるので、
 そうなるたび、
 ブックオフさんに持っていきます)

ソデ机的低層棚は本来、
本を置く場所ではなく、
事務用品なんかを
備えておくところですが、
文章を書くまでの
一時保存スペースなので、
通常は問題ありません。
書いちゃえば、
1マス本棚に移動できるのですから。

で、この『胎児のはなし』。

前回同様、
書くまでに20日以上の
期間がありました。
ホチキスをとるのに邪魔でした。
これでやっと1マス本棚に移せる。

あっ、また本の内容書くの忘れた。
ま、いいか。





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2020年8月20日木曜日

『三体2 黒暗森林(上)』(劉慈欣)読みました。


前に言ったかもしれませんが、
ここに感想文もどきを書く前に、
とりあえず、
読了した本の書名や著者なんかの
情報だけはエクセル表に
メモっておきます。一緒に日付もね。

その日付、7月28日でした。

でも、
この文章を書いているのは、
今日、8月20日。

その20日超の期間は、
ずっと、読んんだままの
ほっぽらかし状態だったんです。

でも、
新しい本を読まなかったわけではなく、
ここに文章を書かなかっただけ。

だから、今、
同じような感想文なし読了本が、
8冊分もたまっているんです。

藤井太洋さんって作家さんは、
初期の作品をスマホで書いたと、
どっかで聞きましたが、
そんな技を持っていないぼくは、
仕事の合間を縫いながら、
パソコンで
ペコペコ書くほかありません。

なので、
仕事がドタバタするとどうしても、
後回しになっちゃうんです。

で、この『三体Ⅱ 黒暗森林(上)』。

さっき言った感想文なし読了本の中に、
この本の下巻も含まれています。
続きは、そっちの文章で。





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2020年8月18日火曜日

『梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安(2)』(池波正太郎)読みました。


フェイスブックの思い出通知機能が
知らせてくれた2年前の
今日のつぶやきには、

「仕事がバタバタ状態で
 本が読めない、なんとかしてー」

って内容が表示されてました。
(というか、
 2年前のぼくが書きました)

ここ十数年、年間を通して
ほぼ同じような緩急のリズムで
仕事をさせてもらっているので、

カレンダー上では同じ日付になる
「過去の今日」は、
「現在の今日」と
ほぼ同レベルの負荷状況に
なっているのがほとんどです。

つまりバタバタ状態に
関連する過去のつぶやきは、
今つぶやきたいことをそのまま表している。

ところがぎっちょんちょん。

現在、バタバタ的には
去年とも2年前の8月とも
変わらないのですが、
読み終える本の数だけは、
それなりに積み上がってる。

本業を
いい加減にチャチャッと
終わらせてるわけじゃないですよ。
もちろん。

で、この『梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安(2)』。

冊数を読めちゃうときって、
どこかに池波正太郎さんの作品が
入っているようです。
面白いし、文字数も少ないから、
スラスラ読めちゃうんだな、これが。





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