2019年4月25日木曜日

『小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記』 (辻村深月)読みました。


前回もそうだったんですが、
誰が誰に向けて言ったことなのか
忘れているけれど、
内容は覚えているセリフ。
それ、引用したいと思います。

覚えている内容から察するに、
ベテランのライターさんの説いた、
ぺーぺーのライターさんに向けた
言葉のようです。

もしかしたら、
学校で先生に言われたこと、
もしくは、
講演会とかで壇上でしゃべっていた
どっかの先生の言葉かもしれません。

前置きはそれくらいにして
そのセリフがこれ(↓)

「物書きの仕事を続けていくなら、
 キャリアの中のどこかの時点で、
 量だけをこなす時期がないとダメ。
 それまでやっていた仕事量の
 2倍や3倍くらい原稿を書く。
 1、2年はそうした期間を持つべきだ。
 その間はクオリティも気にせず、
 ただ量を増やすことだけを考える。
 つまりは書きなぐる」

ぼくは、この教えみたいなものを、
自分から意識してやったことは
ありません。

ビビリなぼくは、
クオリティを落とすことは
すなわち
仕事がもらえなくなってしまうこと
だと考えているので、
そんな恐ろしいことはできず、

「これ以上請けたら、
 どれもこれもやっつけ仕事になっちゃう」
と思ったときには、

「申し訳ありませんが、今は手一杯で…」
と依頼をお断りしちゃうんです。

よくよく考えると、断るほうが
仕事のもらえなくなる可能性は高いのかな…。
だから、
そのベテランだか、先生だかは、
ありがたい教えを説いていたのか。

で、この『小説 映画ドラえもん のび太の月面探索記』。

そういう時期にできた作品なのかな
と感じました。





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2019年4月23日火曜日

『東京の子』(藤井太洋)読みました。


今回は「人物はおらんなぁ」という
嘆きの言葉から書き始めようと
思ったんですが、

そのセリフが出ていたもとの本が、
誰の書いた何という書籍だったか、
まるっきり忘れちゃいました。

セリフを発した人物は
幕末に名を馳せた山岡鉄舟って
人だってのは覚えていて、
当時幕臣で活躍した勝海舟と
高橋泥舟の2人と合わせ
「幕末の三舟」と呼ばれ、
周りから一目置かれていたことも
覚えているんです。

でも、書籍名は忘れた。
ごめんなさい。

ということで、
「人物はおらん」について。

辞書によると、「人物」は、
〈1〉人間。ひと
〈2〉性格、人柄
〈3〉人柄・能力などのすぐれた人

となっていて、
ここで山岡さんが「おらん」と嘆いたのは
当然〈3〉を意味します。

「どいつもこいつも大したことない」
「本当に尊敬できる真から凄いと思える奴など
 どこにもいない」
と山岡鉄舟はぼやいていたようです。
(書名も忘れたぼくの記憶によれば)

さっきも出た勝やら、
竜馬やら西郷やらと渡り合った人物の嘆きとは
思えないような気がします。
ホントはみんな大したことなかったのかも
しれないですね。

で、この『東京の子』。

現実にはいなくても、
フィクションでならばつくっちゃえる。
物語の中には「人物」って呼べる人が
たくさん登場してました。





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2019年4月18日木曜日

『ザ・スタンド(3)』(スティーヴン・キング)読みました。


もう何度も言っていますが、
ぼくは、朝会社に行くときに
ランニングで通っています。

距離は約6キロなので、
マラソン選手並みに1キロ3分で走れれば、
さぶろく18分で到着することになります。

ゴールは会社ではなく、
シャワーが使えるジムで、
その開館時間は朝7時。

7時に合わせるには、
6時42分に家をスタートすればいい。

でも、ぼくはマラソン選手ではないので、
1キロ3分は無理です。

ランニングアプリで測った
スピードは平均7分30秒。
信号や踏み切りにひっかかると8分になる。

……えーっと、
ぼくは走ることにだけに意義がある
と思っています。

スピードを速くすることには
何の魅力も感じてない。
(ないんですよ、ホントに。
 いや、ちょっとは速いほうがいいかなって
 思うこともたまにある。うん、ある)

なので、ぼくが密かに目指しているのは、
ジムの開館時間ぴったりに
その門前に到着することです。

1キロ8分であれば、
ろくは48分かかることになり、
すると家を6時12分に出ればいい。

それでね。
最近、その7時どんぴしゃゴールが
続いてるんですわ。
ペース配分ができるほど、
走りに慣れてきたってことだと、
自分では解釈しています。

で、この『ザ・スタンド(3)』。

なぜか読む速度が遅いんです。
濃いんです内容が。
スティーヴン・キングさんには
まだ慣れていないってことでしょうか。





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2019年4月16日火曜日

『てらこや青正義 師匠、走る』(今村翔吾)読みました。


ノートとかメモとかは見ないで
パッと出てくるのは、
京極夏彦さん、
村上春樹さん、
森見登美彦さん
の3人でしょうかね。

デビューした時分から面白いなと思い、
ほとんど途切れなく
新しい作品が出るたびに読んでるのは。

一番最初の作品から、
微妙に変わっていく
(もしくは変わらない)作風を
感じながら2作目、3作目……最新作と
読み継いでます。

同じ時代の流れに生きて、
リアルタイムにその人の
仕事の積み重ねを
感じさせてもらえるのって、
なんかいいですよね。

山田風太郎さんや
スティーブン・キングさんとかの
作品もかなり読んでるけど、
生まれた年代が違うので、
リアルタイムに追うのは
物理的に無理だし。
(山田風太郎さんは故人だし)

デビュー作じゃなく
何作も刊行されてから、
やっと気づいて読み始め、
途中からだけど
新作が待ち遠しくなった
伊坂幸太郎さんなんかもいるし。

そういうのとは逆に
最初の3作目くらいまでは
「おっ、これはいけるかも」
って思えた人でも、
その後に続いた作品で、
だんだん離れちゃった人は結構いるし。

で、この『てらこや青義堂 師匠、走る』。

著者の今村翔吾さんの作品、
デビュー作から読んでます。
森見さんとか京極さんとかみたいに
なるかもって期待してます。
面白かったです。





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2019年4月11日木曜日

『美女と竹林のアンソロジー』(森見登美彦ほか)読みました。


就職情報誌だったと思うんですが、
その編集担当の人から聞いた話を
ときおり思い出します。

編集さんが過去に仕事を依頼した
ライターさんの話です。

最初にそのライターさんに
発注したときは、
予算が潤沢に使える企画だったそうです。

だから、ギャラは、
相場よりも少し高く支払うことができた。

納品されてきた原稿は、
のぞみ通りの仕上がりで、
依頼するときは初めてのライターさん
だからと少し不安があったけれど、
思い切って頼んでよかったと
思ったそうです。

なので、それほど間を置かず、
次の仕事も依頼した。

でも、その企画は前とは違い、
ギチギチの予算で、
ギャラもかなり少額だったとか。

それでも何とか
やってもらったんだけれど、
上がってきた原稿は、
前回とは月とすっぽん。

とんでもなく
クオリティが低かったといいます。

1行に1つの誤字脱字。
文法も滅茶苦茶で、文意が通らない。
直してもらう時間的余裕もなく、
泣く泣く編集さんが修正したと
ぼやいてました。

あとでそのライターさんのことを
同業の仲間に聞くと、
「そうそう、あのライターさん、
 ギャラによってクオリティ、変わるんだよ」
と言われたんだとか。

で、この『美女と竹林のアンソロジー』。

あ、また読んだ本とは関係ない話で、
文字埋めちゃいました。すんません。

いずれにしてもそのライターさん、
クオリティを器用に上げ下げできるのは、
それはそれで、すごい才能だと思います。





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2019年4月9日火曜日

『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』(ルイス・ダートネル)読みました。


ぼくは、昼休み、移動中、就寝前に
3つの違う本を並行読みしてる節操なしで、

今、そのうちの1冊に
スティーヴン・キングさんの
『ザ・スタンド』って作品が入っています。
(分厚い全5巻シリーズで
 なかなか読み終わらない……現在3巻目)

本はたいてい
新刊の本屋さんで仕入れるんですが、
このキング本は、
ブックオフで格安5巻セットを見つけ
衝動買いしたものです。

ウイスルがパンデミックしちゃった
世界の話だとは聞いていて、
ぼくは病原菌と闘う人の物語なんだと
勝手に思ってました。

でも読んでみると、
それはあくまで〈設定〉で、
本筋は、
病気で人類のほとんどが滅亡したあとに、
生き残った1パーセントくらいの人たちの
あれやこれやの話なのでした。

人がほとんどいなくなっちゃったら、
電気もこなくなるし、
病気したら病院にもいけないよなって感じ。

で、この『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』。
 
どういうわけかキング本と
〈設定〉がシンクロしてて、
人類がほとんどいなくなったら、
どうするかって本でした。
狙ったからそうなったんじゃなく、
偶然の設定シンクロ。
人類に滅亡してほしくはないんですけど。




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2019年4月4日木曜日

『私が殺した少女』(原尞)読みました。


去年、
十何年ぶりにシリーズ新作が出て、
すぐ読んで、
「わー、やっぱ面白い」って思い、
過去の作品を読み返そうと
デビュー作に目を通したのが、
ひと月ほど前でした。

そして2つ目の読み返し本が、
この『私が殺した少女』です。

ネットによると、
刊行されたのはもう30年前になる。

だって作中の世の中では、
携帯電話が登場しないのもちろん、
公衆電話も主流は
10円玉専用なんですから。

主人公の探偵・沢崎が、
テレフォンカードで利用する
公衆電話を見て、
「そんなもん使えるか」みたいな感じで
新しい社会の流れに嫌悪感を抱いてる。

ハードボイルドというか、
頑固というか、キャラが
「ボギー、あんたの時代は良かった」
なんです。

で、その部分読んだとき
「あ、そういえば、新作でも同じだ」
と思い出しました。

30年たった今、
主人公の探偵は携帯電話を持っていない。
物語の中で、ホームレスの人が
携帯を使っているのを見て、
「私は、彼らより社会に適合していない」
みたいに自嘲してました。

あと30年たって、
もし新作が出たら(無理かな…)、
探偵は何を持たないでいるのか、
知りたいな。




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2019年4月2日火曜日

『ザ・スタンド(Ⅱ)』(スティーヴン・キング)読みました。


文章を書いていて、
違う言葉で言い換えたいと思ったとき、
よく使うのが、
「日本語シソーラス 連想類語辞典」
ってサイトです。

単語などを入力して
検索ボタンをポチッとすると、
類語や関連語、連想される言葉が
ずらーっと表示される。

今回、検索したのは「孤独」でした。

表示されたのは、
「一人ぼっち/腑抜けのよう/抜け殻のように/
 茫然自失/意欲がわかない/疲労/
 うつろな気持ち/寄る辺のなさ/打ちひしがれる/
 穴があいたような/やりきれなさ…」
などなどネガティブワードのオンパレード。

それ見てぼくは
「何か違うんじゃないの?」
って思ったんです。

だから「孤独」を辞書で引いてみた。

そこには
「頼りになる人や心の通じあう人がなく、
 ひとりぼっちで、さびしい・こと(さま)」
って書いてありました。

そうか、〈さびしい〉の意味があるから、
ネガティブになるのは当たり前なんですね。

そこでもう一度、連想類語サイトに戻り、
「ひとり」で検索してみました。

すると
「拘束されない/一匹狼/一国一城のあるじ/
 群れがきらい/アンチヒーロー/なびかない/
 枠に収まらない/自尊心…」。

ほーほー、それです。
ぼくがイメージしてたのは。

ひょっとして、
孤独になること、じゃなかった、
ひとりになることを、
それほどさびしいと思わないのは、
ぼくだけなのでしょうか。

で、この『ザ・スタンド(Ⅱ)』。

登場人物たちを突き動かすのは
「一人ぼっち」はイヤだという心のようです。
その状況に置かれたら、ぼくもそうなるのかな。





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