2020年6月30日火曜日

『ドミノ』(恩田陸)読みました。


中国の蝶が羽ばたくと、
その影響で地球の反対側の
アメリカとかで嵐が起きる、
そんな感じをバタフライ効果って
いうんだと聞いたことがあります。

ちょっとしたことがきっかけになり、
とんでもなく大きな事態を招く。

ことわざにいう
「風が吹けば桶屋が儲かる」
と同じかな。
ネットの辞書(デジタル大辞泉)には
「風が吹くと土ぼこりがたって目に入り盲人が増える。
 盲人は三味線で生計を立てようとするから、
 三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。
 猫が減るとねずみが増え、
 ねずみが桶をかじるから
 桶屋がもうかって喜ぶということ」
と載っていました。

けど、
そのロジックは相当無理がありますよね。
昔のことわざだから仕方ないけど。

今だったら
「風が吹けばケーキ屋が儲かる」
とかにして、その心は、
「風が吹く→土埃が舞う
 →そこにいた太郎が喉を痛める
 →うまく声が出ないのに花子から電話がくる
 →電話の向こうの花子が
  「聞こえないよ!」と大声を出す
 →そばで寝ていた野良猫が
  びっくりして道に飛び出す
 →猫を引きそうになった自動車が急ブレーキ
 →その音を聞いて事故と勘違いした
  婆さんが警察に通報
 →(中略)→「ケーキ屋が儲かる」
くらいにすれば、納得できるのに。
(「中略」に納得できるフローを各自考える)。

で、この『ドミノ』。

ほんの1コの小さなきっかけが、
大事件につながる話かと思ったら
(題名からの連想で)、
そうでなく、
同時多発的な中事件が
一箇所に集まるお話でした。
だからバタフライや
桶屋とは関係ありませんでした。
すみません。でも面白かったです。






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2020年6月25日木曜日

『QRコードの奇跡』(小川進)読みました。


新聞雑誌、ネット記事などの書評に
「私の読書人生のベストワン」とか
「本当によかった。
 間違いなくオススメの1冊です」とか、
最大級の賛辞が載っているのを目にして、

「そんなにいうなら、試してみるか」
と手に取る本は少なくありません。

書評じゃなく、その本の広告なら、
そうしたベタ褒め言葉の羅列には、
眉に少しツバをつけるのですが、
中立的な立場の評論家とか、
その道の専門家とかが、
袖の下的なものは何ももらわずに
純粋に推薦しているのだろうから
(と信じて)
書店の棚から抜いて
レジに持っていくんです。

そして読む。
そして裏切られる。
……ってときは、
誰も悪くないですよね。

その本をつくった著者さんと、
ぼくの物事に対する感じ方が
違っていたから、つまらないと思うのは
仕方ない誰も悪くない。

推薦した書評家さんとも、
好みが違っただけで、仕方ない。

あえていえば、ぼくが
面白いと感じられなかったことが、
いけないのかな。
いや悪くないですよ……ねっ。

で、この『QRコードの奇跡』。

それなりに面白かったです。
でも、最大級の賛辞が
出てくるところまではいきませんでした。





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2020年6月23日火曜日

『六の宮の姫君』(北村薫)読みました。


何かしらの共通点がある人は、
ちょっとばっかり気になります。

仕事でたまたま一緒になった人が
同じ本を読んでいたり、
ドトールにいたノマドワーカーの
使っていたシャーペンが
自分の愛用品と同じだったり。

それから名字が同じって人も
結構いますね。

ぼくは、きくちなので、
タナカとかスズキとかよりは少ないけど、
学校の同学年には
たいてい1人はいました。

高校のときにいたキクチさんは女性。
クラスは別だったから、
親しく話したことはなかったけど、
なんかむずむずした感じはありました。
(恋愛感情というのではないです。
 彼女はぼくの友だちと交際してたし、
 ぼくも今のカミさんと付き合っていたし)

そんで、
今カッコ内に登場したカミさんの
旧姓はタカハシでした。

そして、
なんとあのキクチさんは、
結婚してタカハシさんになったんです。

二人の名字が入れ替わっちゃった。
なので、同窓会とかで会っても
むずむず感はなくなってます。

で、この『六の宮の姫君』。

同姓のとても有名な作家なのに
なぜか1冊ほどしか(確か『父帰る』)
読んでいない菊池寛さんと、
芥川龍之介さんの友情とかが
書いてある小説だと、
どこかで知って読みました。

同じきくちなんだから、
少しは知識を入れといたほうが
いいかなと思って。

と、そんなちんけな理由は
飛んでっちゃうほど、引き込まれました。
名字が入れ替わっちゃう話より面白いです。





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2020年6月18日木曜日

『タイタン』(野崎まど)読みました。


ここへの投稿は
仕事の合間を縫って書いたのを
順次アップしているので、
日付が少しずれることがあります。
ってことで以下。

今日(6月1日)は、
1カ月以上休館していたジムが
営業を再開し、ようやく
利用できるようになった日です。

朝の出勤時に走って
会社近くのジムまで行き、
シャワーを浴びて仕事に出るという、
もう10年近くも続けている
習慣ができなくなり、
仕方なく帰宅時のランニングに変更し
運動量は維持していたものの、

なんだかムズムズしてきたよー
って中での再開だったので、
心なしか気持ちが晴々しています。

とはいえ、ジムの利用は
以前とまったく同じにはならなくて、
シャワーやプール以外の場所では
マスクをしなくちゃいけないし、

入館時はピストルみたいな器具を
頭に当てて検温させられ、
熱があると入れてくれない。

それから、
そこでもマスクをするのかなと
再開前に疑問に思っていたサウナは、
「当面の間、使用禁止」になっているし。
(サウナに入るのが、
 ジムを使う目的の約6割なぼくには
 結構キツイ仕打ちです)

で、この『タイタン』。

みんなのためと言いながら、
実は自由が奪われているディストピアを
描く作品は多いけど、
そのまた裏を返して
本当にみんなのためなんだと
後味よく結んでくれました。

サウナ使用禁止も
本当にみんなのためなんです。
我慢しなさい、ぼく。





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2020年6月16日火曜日

『妖怪草子 くずし字入門』(アダム・カバット)読みました。


受験生だった頃
(ぼくにもそんな時代がありました)
試験の日程が特別に早かったのか、
推薦の試験とかがあったのか、
早々に合格を決めた友だちがいたんです。

その彼が、
「みんなには黙ってろよ」とか言いながら、
受かる勉強のコツを教えてくれました。

まず英語はコレ、国語はコレ、
数学はコレとオススメの
参考書をあげるんです。

そして、
それらをできれば10回、
少なくとも5回は繰り返し読んで
解いて身につける。

ほかの問題集やら教科書やらには
手をつけなくていい、
いや決して手をつけないで、
それだけをやれと。

ホントかいなと思いながらも、
彼は目標校を制覇した成功者なので、
ぼくはとりあえず
1科目だけ彼のやり方を採用したんです。

したけれども、しきれなかった。

だって彼は、
最低5回繰り返せといったのに、
ぼくの試験日までは数日しかなく、
1回目の3分の1も
終わらなかったんですもの。

で、この『妖怪草紙 くずし字入門』。

ちょっと前にここに載せた本です。
2回続けて読んだんです。
でもまだ、くずし字は読めません。
少なくとも5回かな。

でも、飽きたな。
ほかの読もっと。





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2020年6月11日木曜日

『グレート・ギャッツビー』(フィッツジェラルド)読みました。


もう10年以上前のことです。
大ヒットしたビジネス書の
著者さんにインタビューして、
書籍の紹介記事を書きました。
(例によってその人の名前も
 書名も忘れてます)

略歴とか、本を書いたきっかけとか、
読む本はどんなものかとか、
いろいろ聞いて、

そのとき受けた印象と
事前に読んでおいたその著書の内容から、
ぼくは
「この本の雰囲気って、
 なんだか『山月記』に似てますね」
と投げかけました。

すると著者さんは、
困ったような顔をして
「そうですかねえ」と言ったきり、
すぐほかの話題に移してしまいました。

後日、そのことをふと思い出し、
あのとき引き合いに出した本を
本棚から手にとってみると、
それは『山月記』じゃなく
『天平の甍』だったんです。
書名を勘違いしてた。

で、この『グレート・ギャッツビー』。

若かりし頃に読んでいて、
最近何かのとき話題に出て、
それが気になって何十年ぶりかの再読。
最近話題にした内容は、
ことごとく間違っていたと知りました。
書名は合ってたけど。





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2020年6月9日火曜日

『ブンとフン』(井上ひさし)読みました。


高校時代から
ずっと付き合いのある悪友に
玉ちゃんってヤツがいます。

部活が一緒で
先輩たちのしごきを共に耐え、
酒を飲んでは騒ぎまくり歌いまくり、
やんちゃしてました。

今のぼくのダークサイドは、
かなりの部分、
玉ちゃんからの影響で
醸成されたものといえるでしょう。

でも、教えてもらったことは、
そうした悪さだけじゃなく、
文化面もあるんです。

例えば音楽。
彼はビートルズが好きで、
アルバムを全部持っていた。

その頃はインターネットなんてなくて、
ネットといったら
部活のバドミントンのコートに
張ってあるのしか思い浮かばず、

CDだってなかったから、
アルバムは当然黒々としたLPレコードで、
何枚も持ち歩くのは重いから
1枚ずつ借りては、
カセットテープに録音して
聴いてました。

(著作権とかあるだろうけど、
 もう30年以上も前なので
 許してください。
 つなぐ方法を知らなかったから、
 ラジカセを
 スピーカーの前に置いて録ったので
 音もすごく悪かったし)

さらに、
おすすめの本だって教えてくれたんです。

それが、この『ブンとフン』。

読書する姿なんて
まったく想像できない玉ちゃんが、
どうやってこの本を知ったのか謎ですが、
薦められるまま読んだ高校生のぼくは、
飯を食うのも忘れて
没頭したのを覚えてます。元気でした。
それ以来の再読。懐かしかった、な。





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2020年6月4日木曜日

『逆ソクラテス』(伊坂幸太郎)読みました。


1カ月ほど前、
新しいパソコンを仕入れました。

これを書いているのもそのマシンです。
前に使っていたのが、たびたび
「問題が発生したのでシステムを終了します」
とかいって、
予告もなしに再起動するようになって、

それでも騙し騙し使えていたんですが、
「でも待てよ、もし何をやっても
 動かなくなったら、
 仕事がパンクしちゃうじゃないか」
と気づき、

そうなる前に同じシリーズの
最新版を買ってきました。

始めの1、2週間ほどは、
データをあっちにやったり、
こっちにやったり、
新旧2台を並行して使っていました。

断然新しいほうが
動きはスムーズなんですが、
並行使いしていると、
旧マシンでも、
それなりにオーケーじゃんなんて思って、
突然ストップ症状さえなければ、
もっと長く使ってても
よかったのになあと
古き良き友だちに語りかけたりして。

それでも最新くんへの移行は
どんどん進み、今では
旧友くんの電源を入れるのも
週に一度くらいになってしまいました。

そうなると、どうでしょう。
1週間ぶりに動かす
彼の動きのスローさが身にしみてきて、
今の速度に慣れちゃった自分に対し
「いい気になるなよ」
みたいな気持ちがわいてきます。

で、この『逆ソクラテス』。

面白かったです。
表紙を見てなぜか「最新くん」という
イメージがわいてきたけど、
中身は「旧友くん」的な親密さでした。





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2020年6月2日火曜日

『BUTTER』(柚木麻子)読みました。


どうでもいいんですけど、
(よくないけど)
今使っているのとは別の
久しぶりに立ち上げたパソコンで、
OSだかなんだかの
アップデードが始まって、

もう3時間くらい
「PCの電源を切らないでください。
 処理にしばらく時間がかかります」
の文字が出て、
お手玉のジャグリングみたいなのが
ずっとグルグルしているんですが、

これ、
今日の就業時間内に終わるんでしょうか。

終わらなかったら、
そのまま放っておいて帰宅し、
明日様子を見る対処法でも構わないでしょうか。

と、どうでもいいこと
(よくないけど)で、
たくさん文字を埋めてしまったので、
もう本題を書く余裕がなくなってしまいました。

あのですね、少し前の
『ワン・モア・ヌーク』(藤井太洋)
のとき、こんなことを書きました。

その本はとっても面白かったのに、
そこに挟まっていた出版社のチラシでは
今月のイチオシになっていないんですよって。

で、この『BUTTER』。

そのチラシにあったイチオシが、
この英語大文字タイトルの本でした。
なので、読んでみた次第です。





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