10年以上昔のことです。
映画監督の大林宣彦さんに、
記事をつくるためインタビューをしました。
人生についてとか、やさしさとは何かとか、
ためになるお話をたくさんしてもらったような記憶があります。
でも具体的に何を語ってもらったのかは、おぼろげ。
なんですが。
一つだけはっきりと覚えている言葉があるんです。
それは、「大林宣彦 語る」みたいな記事をつくったあとで、
原稿をチェックをしてもらいたいとお願いしたときの返事。
「記事っていうのは、
僕の語りおろしという形態をとっていようがどうであろうが、
それを書いた記者さんの作品なんだよね。
だから、僕は明らかに事実関係が間違っているような
場合じゃなければ、修正は入れませんよ」
ぼくがこの言葉を覚えていたのは、やっぱ仕事柄なんでしょうね。
「修正は入れません」と言われるのは、
一方でとってもありがたく、一方でとっても怖い。
全部お前の責任だからな!って宣言されるってことだから。
そう、インタビュー記事は、
しゃべったこと全部を一字一句文章にするわけじゃないんです。
話してもらったことのニュアンスだけをくみ取って、
その意図にぴったり合うような表現に変えちゃう。
しゃべったママでは意味も通じないし、
へんてこな文章になっちゃうって場合がほとんどだからです。
で、この『梅棹忠夫 語る』。
今いったような作文作業はしているだろうし、
順番も入れ替えてたりして、本をつくっているのだと思います。
でも、ぼくは「しゃべったまま」って感じがしちゃいました。
頭の悪いぼくには、もうちょっとまとまったつくりが必要なんです。
この本を読んで、
梅棹さんって人はとても面白い人だってわかったけど、
その面白さを実感するには、本人の著書をよむべきなんでしょうね。
ごめんなさい。ぼくはまだ一冊も読んでません。
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