たしか映画監督の大島渚さんだったと思うのですが、
影響を受けた文学作品を聞かれ、
カミュの『シーシュポスの神話』をあげていました。
山の上に岩を運ぶよう命じられるれど、
岩は大きすぎて頂上には載らずに転がり落ちてしまい、
何度やってもダメで、ずーっと同じことを
繰り返さなければならないってあの話。
なぜ生きるのかとか、何のためにとか、
っていう哲学チックな謎の答えは
人間には結局は見つけられない。
シーシュポスの運んだ岩が、
結局は転がっていっちゃうように。
頂上には載せられないってことも、
人生の答えが見つからないってことも、
わかっていながら、
ずーっと続けていくことが大切なんだと、
カミュの本から教えられたと、
(違ってるかもしれないけど)たぶん大島さんが
言ってました。
そう、わからないんですよね。
逆にわかっちゃったら、
面白くないのかもしれないっすね。
パズルでも、謎解きミステリーでも、
ああじゃないこうじゃないと
考えることが楽しいのであって、
結末がわかったときには
「なるほど!」なんて到達感みたいなのが
あるにはあるけれど、
それでおしまいだから楽しみもジエンドですからね。
で、この『鵼の碑』。
結末の謎解き部分の前までは非常に楽しく
わくわくで5つ星評価でした。
んで最後まで読んだら星が1つ減っちゃいました。
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