前回の『剣客商売』の感想文もどきでは、
時間の認識力(というほど高尚ではありませんが)
みたいなのがテーマのようになっちゃいましたが、
じつは書き始める前に考えていた内容とは、
ぜんぜん違ってるんです。
最初、書こうと思ったのは、その中に出てくる
久々に会った旧友との飲み会での話題なのでした。
「いろんな本を読んでるみたいだけど、
本当に好きなのはどんなジャンル?」
って感じの質問をされて、ぼくが
「ジャンルはなんでもいいんだけど、
とにかく楽しいのが好き」
と答えた。
前回文章は、そこからひっぱっていって、
『剣客商売』は楽しい本でした、
で締めようとしていたんです。
ほら、こんな短い文字数で終わっちゃうでしょ。
そんなんだから
キーボードをぺこぺこ打ち出す前に、頭の中に
「その流れはいいけれど、
そこに何か付け足さないと、短すぎるぞ。
内容は薄っぺらで質的にどうしょうもないのに
量まで少ないんかい。それでいいのか」
って、どっかから戒めの声が聞こえてきて、
ほんじゃあってことで、
時間の認識力的なあほ話を乗っけたら、
それだけで終わっちゃったんです。
で、この『ナイフをひねれば』。
楽しかったです。
でも楽しさ値は前2作のほうが高いです。
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