2016年6月29日水曜日

『猫語の教科書』(ポール・ギャリコ)読みました。


ぼくは30歳過ぎの
いい大人になってから、
「こりゃあ、ぜんそくかもしれないね」
と診断されました。

咳が出て病院に行ってみると、
頼りない感じのお医者さんが、
自信なさげに、そう言ったんです。

ぜんそくって病気は、
子どものころからある、
その人の持病みたいなものだ
と思っていたぼくは、

半信半疑で
「はぁ、そうなんですか」
とうなずいていました。

(そのころはしばらく咳の出る症状が
 続いていたように覚えているんですが、
 ここ10年ほどはほとんど出なくなり、
 ぴんぴんしてます。
 その代わりランニング通勤で
 毎日ぜいぜいしてます)

たしかそのころです。
小鳥を飼っている家に遊びに行ったら、
クシャミが止まらなくなったことがありました。

それから日を置かずに、
別の友だちが、
ペットのウサギを見せに連れてきて、
「ほおーおとなしいもんだね」なんて
なでなでしているうちに、

小鳥の家と同じように
エンドレスクシャミが発生したんです。

病院からのぜんそく告知、
小鳥とウサギの接触によるクシャミ連打、
と続いたぼくを見て、
カミさんやらは同情の目を向けました。

そして、家族から

「あなたはアレギー体質だから動物はダメ宣言」

を突きつけられたんです。

そんなに動物好きではないから
(嫌いではないけど)、
宣言があろうがなかろうが
生活に影響はないけれど。

で、この『猫語の教科書』。

動物ダメ属に
分類されているぼくが言うのもなんですが、
ネコ好きにはたまらん本ですわ。
(ぼくがネコ好きなわけでもないけど)






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2016年6月27日月曜日

『オーデュボンの祈り』(伊坂幸太郎)読みました。


輪廻転生とか、
生まれ変わりとか、
前世とか、

信じているわけじゃないけど、
そんな考え方を当てはめると、
うなずけることって結構あります。

どう考えても
普段何も勉強してないヤツが、
試験の5分前に
パラパラと教科書をめくっただけで、
ぼくより数段上の点数を取る、

なんてのも、そう。

これを
「前世で鍛えた頭脳のおかげ」
と考えれば、
なんとなく納得できる。

いや、納得はできないけど、
理由は理解できる。

職業を選ぶときには、
自分の好きなことを
基準にしなさいというけれど、

その「好き」がどこから来るか、
も、そう。

例えば、
人の世話が好きで
介護の仕事をしているって人がいました。

その人は
課外学習のボランティア活動で
初めて人の世話をしてみたら、

「あ、これなんか好きだなぁ」
って思ったんだそうです。

初めてなのに好きだとわかるのは、
やっぱり以前、
何かしらの経験があったんじゃないか、
と思うと、すとんと腑に落ちる。

信じているわけじゃないけどね。

で、この『オーデュボンの祈り』。

著者の伊坂さん、前世から
ど偉いもの引き継いでるんだと思います。
ずるい。





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2016年6月24日金曜日

『文章は接続詞で決まる』(石黒圭)読みました。


同じような表現ばかりで
語彙が少ないなと、
常々思っているぼくは、

せめて仕事で書く文章には
バリエーションをつけようと、

辞書とか
ネットの類語サイトとかを参考に、

ふだんは使わないような言葉を、
切り貼りするように当てはめて、
文言を組み立てたりしています。

そんなとき目にとまったのが、
新聞に載っていた新刊書籍の広告でした。

タイトルは
『語彙力を鍛える 量と質を高めるトレーニング』。

これぞぼくのために書かれた本だ!
題名を見たときにはそう思いました。

これさえ読めば、
辞書もネットもなしに
頭の中の言葉だけで、原稿が書ける。

そんなアゲアゲ気分で本屋さんに行くと、
その語彙本の隣に並んでたんです。

この『文章は接続詞で決まる』が。

著者は同じ。
語彙本より前に出てたものらしく、
帯に『大好評ロングセラー』とか書いてある。

「えっ、そうなの!?
 じゃあまずこっちから読も」
という経緯で読了。 ふー。

今は接続詞で満腹感いっぱいなので、
語彙本はもう少しお腹減ってからにします。








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2016年6月22日水曜日

『深泥丘奇談・続』(綾辻行人)読みました。


パソコンのマウスは
気分によって変えたりするんですが、

今は、
セットでついてきたマジックマウス
(ぼくはマジッ君と命名しました)
ってやつをそのまま使用しています。

普通マウスといえば、
画面をスクロールするための
グリグリするボタンや
左右のクリックボタンなどが
ついています。

が、このマジッ君には何もなし。
表面はつるつるののっぺらぼうです。

クリックは何となく左前方を押し、
右クリックも
何となく右前方を押すことで
機能してくれます。

んで、
便利ながらもやっかいなのが
スクロール操作。

マジッ君の背中をスリスリとなぞる。

画面を上下に動かすためには
上下にスリスリ。

それだけじゃなく
左右方向にも動かせて、
360度スリスリできます。

さらに、
たぶん加速度センサーって機能が
あるからだと思うんですが、

そのスリスリの速度を速くすると、
動く距離が大きくなる。

シュッとなぞるとダダーッと動く、
ソロリとなぞるとチョロッと動く。

スマホの操作みたいな感じです。

なかなかの優れものなんですが、
ところがどっこい、
これがやっかいでもあるんですね。

感度が良すぎて
チラッと触れただけで、
画面が予期せぬ方向に動いちゃう。

マジッ君の定位置は
キーボードの右側で、
乱れ打ち的なタイピングをしていると、
小指あたりがマジッ君の背中をかすめる。

と、
気分良く書いていた原稿はどこへやら、
まだ入力してない
真っ白ページに瞬間移動しちゃうんです。

画面をスクロールするときも
気を抜くと指の移動が速すぎて
目的の場所から
とんでもなく離れたトコに行っちゃうし。

「これぞ、しっくり!」
とまでは言えないんだよなぁ。
もちょいなんだけど。

で、この『深泥丘奇談・続』。

マジッ君の使い勝手みたいな読後感でした。





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2016年6月20日月曜日

『ユートピア』(湊かなえ)読みました。


仕事を請け負ってくれた人に
えらい剣幕で怒られた
苦い思い出があります。

Aさんとしときましょう。

Aさんの最初にあげてきたものが
少し方向性が違っていたので、
修正を依頼したんです。

そしたらAさん、
2種類の修正版を提出してくれた。

一つは、こちらの指示通りの修正版、

もう一つは、
Aさん独自の考えを取り入れた発展版。

でも、発展版のほうは、
どう考えてもその仕事の性格に
そぐわないんです。

2個つくるってことは
倍の時間をかけたってことなので、
その熱心さはホントにありがたい。

そのありがたさを
キチンと伝えればよかったのに、

あろうことか、
すかぽんのぼくは、

「こんなのまでやるなんて、
 ヒマだね〜」

などという微塵の配慮もない
発言をしてしまったんです。

「しまった」と思っても
覆水盆に返らず。

電話でのやりとりだったんですが、
そのあと30分近く延々と怒られ、
平謝りに謝って
なんとか許してもらいました。

で、この『ユートピア』。

すかぽん仕様のぼくのような人が
たくさん登場します。






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2016年6月17日金曜日

『虚言少年』(京極夏彦)読みました。


ツイッターの140文字の
つぶやきが流れる
タイムラインで見かけた、
あの淀川長治先生についていの
エピソードです。

(誰のつぶやきだったかは忘れました。
 検索すると出てくるかな。
 でも、面倒なので記憶だけで書きます)

劇場で年間数百本も観る
という映画青年が、

淀川さんに、
そのことを少し誇らしげに
話したそうです。

すると、淀川さんは
「そんなに観たって仕方ないでしょ」
と青年をたしなめた。

「あれやこれやの雑多な映画を
 たくさん観るヒマがあったら、
 これだって思う名作を何度も観なさい。
 新しい作品を観るのは
 [何度も観る映画]を探すためよ」

記憶を頼りに書いているので、
正確じゃないかもしれませんが、
大意はそんな感じです。

[何度も観る映画]か。
なるほどね、と思いました。

好みのジャンルも何もあったもんじゃなく、
それこそ雑多に
本をあさっているぼくには、
感慨深いお言葉でした。

で、この『虚言少年』。

なんとこの感想文もどきのコーナーに
3回目の登場です。

前は単行本で読んだのですが、
文庫化されていることを知り
入手して再読。

いやいや、
ぼくにも[何度も読む本]があったんです。
これで淀川さんに顔向けできるかな。

……でもなぁ。
馬鹿な小学生がオナラのことで
笑い転げてるような内容なんだよな。
(カバーの惹句には
「馬鹿さと笑いに満ちた日々を描く7編」
 って書いてあるし)
読むのは1回だけでいい気もするけど。


……たぶん近い将来、また読みます。







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2016年6月15日水曜日

『風の歌を聴け』(村上春樹)読みました。



なぜか時々ふっと思い出す歌に、
さだまさしさんの
『主人公』って曲があります。

その歌詞の途中、

「時をさかのぼるチケットがあれば
 欲しくなるときがある。
 あそこの別れ道で
 選びなおせるならって」

というフレーズが出てくるんです。

今までは
「ふむふむ、そりゃまあ、
 あるかもしれないな」
と肯定的に受け止めていました。

でも最近、違う感想を
持つようになってきたんです。

ぼくの場合、
チケットをゲットしても無駄かなって。

理由は記憶力のなさです。

人生の別れ道で右を選んで、
20年ほど生きたとしましょうか。

20年いろんなことがあって、
「異次元チケット」をもらい、
時間旅行して、別れ道にもう一度立つ。

そこで、さださんの歌では
「選びなおす」んですよね、
右だったのを左に。

きっと、
右の人生がキツキツだったからでしょう。

でもね。
もし、それがぼくだったら、
キツキツなことも
忘れちゃってると思うんです。

ほんと最近
忘れっぽくなってるもので…。

20年前に
左右のどちらを選んだのかも忘れて、

結局「選びなおす」のでなく
初めて「選ぶ」んじゃないかと
思うんです。
このへなちょこ脳みそは。

で、この『風の歌を聴け』。

それこそ20年以上前、
メシ食うのも忘れて貪り読んだ本。
そのあと再読もしているハズなんです。

が、しかし!
1行たりとも覚えていませんでした。
すごく新鮮でした。




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2016年6月13日月曜日

『推理小説』(秦建日子)読みました。


ぼくが昔行っていた映画の学校で
シナリオを書く授業がありました。

その数回の講義の最終目標は、
200字詰め原稿用紙(通称:ペラ)で
30枚程度の脚本を書くこと。

最初は、原稿用紙の使い方や、
柱、セリフ、ト書きの書き方といった
基本的なことを習い、

続いて
「では各自、ストーリーを考えましょう」
となる。

とはいっても、
その場ですぐに思いつくものではないので、
これは宿題。

各自、物語のあらすじ(シノプシス)を
次回までに書いてくるよう言い渡されました。

んで、次の授業。

みんなが書いてきたモノを、
一人ずつ朗読して
発表することになったんです。

最終形が30枚程度の短い話。
そのあらすじなので、
みんなが書いたてきたのは、
せいぜい3枚くらい。
一人ぶんはすぐに読み終わる。
……そのことは、
ぼくの前に発表した人たちの
朗読を聞いてわかったんです。

それで「あれ?」とは思ったんです。
思ったんですが、
もうぼくの番が回ってきちゃった。

ぼくは自分のシノプシスを
ぼそぼと読み始めました。

でも!
みんなのようにすぐには終わらない。

最終形30枚のあらすじを、
ぼくはなんと20枚ちょっと
書いちゃったんです。

先生は腕組みしたまま
黙って聞いていました。
「これじゃ時間中に終わらんぞ」
なんて考えていたのかもしれません。

そして先生は
ようやく読み終えたぼくに
「それはシノプシスじゃない」
と一言だけいいました。

で、この『推理小説』。

シナリオのようでシナリオじゃない。
小説だよな……小説です。



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2016年6月10日金曜日

『オービタル・クラウド(下)』(藤井太洋)読みました。



前にも同じような状況があって、
ここにもそのドタバタの様子を
書いたような気がします。

今回もその再来です。

ドキドキワクワク、もしくは、
じんわりしくしくで、
その物語にどっぷりはまった読書中。

盛り上がり最高潮の場面で

「ピンポーン」 宅配便です。

やるかやられるか
「えっ、どうやって切り抜けるの!?
 こんなの助かるわけないじゃん!!」

頭の中は、
その場面が目一杯広がっているのに、

にこにこ顔のお兄さんが
「サインかハンコお願いします」
って伝票を渡してくる。

少し興奮気味の手でサインして、
荷物はそのまま放り投げ、
開いていた本に急いで戻る。

「おっと、そう来たか!」
と次の展開にニヤッとしたら、

「プルルル、プルルル……」
電話です。

こんなときに限って
とても面倒くさい話。

半時くらい神妙に相づちを打って、

「まあいいや、あとで!」
と本に戻ると、

またまた「ピンポーン」。
アポなしの来客です……

って感じに、
いい本読んでいるときには、
かなりの確率で
「邪魔ぁーズ」さんたちが
顔を出します。

で、この『オービタル・クラウド(下)』。

やっぱり、
邪魔ぁーズさんたち
怒濤のごとく押し寄せました。

でも大丈夫、この本は再読。
一度は身体の中に
感動をため込んでましたから。


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2016年6月8日水曜日

『オービタル・クラウド(上)』(藤井太洋)読みました。


「煙に巻く」って書いて
「けむにまく」って読むようです。

パソコンの辞書に載っていました。

意味は
「信じがたいことや
 相手がよく知らないようなことを
 言って、相手の判断力を狂わせる」
(まるまるコピペ)

だそうです。

ぼくの知っている人にも
このケム巻き術が得意な人がいます。

物理的な法則がどうのだの、
数学的にはこれが正しいだの、
法律ではこうだとか、

いちいち
ぼくの知らない学術用語やら
カタカナ言葉やらを使って、
とうとうとしゃべる。

ぼくが何か提案しても、
決して賛成することなく、
「それは、あーだ、こーだ、だからダメ」
と即否定。

でも、
そのあとでぼくと同じような提案を
ケム巻きフィルターを通しながら、
その人は自ら提案する。

そうやって結局決まったことを
考えてみると、
「これって、
 ぼくが最初に言ったことと同じだ」
って気づく感じです。

少し前までは、このケム巻き術が
本当に煙たかったのですが、

最近は、鼻が慣れてきたのか、
それほど気にならなくなり、

巻きたいなら
「どうぞお巻きください」って
悟りを開いたような気分になっています。

やらせたいようにするのが一番です。

で、この『オービタル・クラウド』。

単行本で読んで、ハイパー面白かった本。
(内容的に言って「ハイパー」としてみました)

今回、文庫本が出てること知って、
買い直して読み直しました。

こういふうにケムに巻いてくれれば、
気持ちいいのにな。



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2016年6月6日月曜日

『親鸞 完結篇(下)』(五木寛之)読みました。


昔、学園祭かなにかで
お芝居を観る機会がありました。

内容はすっかり
忘れてしまったんですが、
面白かったってことだけは
ぼんやりながらも覚えています。

んで、
それよりも記憶に残っているのは、
芝居が終わったあとの幕です。

「学生のくせに、結構やるじゃん。
 よかった、よかった」

なんて余韻に浸りながら
下りてくる幕を眺めてると、

途中でがくんと止まっちゃったんです。

あと1メートルくらいで閉まりきるのに。

すると
観客の拍手の音にまじって、
舞台裏のほうから

「おい、なんか引っかかっている」
「じゃあ、もういいよそのままにしとけ」

という会話が聞こえてきました。

あらら。

そんな裏方さんの
話し声が聞こえてこなければ、

中途半端な位置で止まっている幕も
気にならなかったかもしれません。

でも聞いちゃったら、
気になって気になって。
カーテンコールの役者さんの笑顔も、
なぜかギクシャクして見える。

うーん、幕引きって重要なんですね。

で、この『親鸞 完結編(下)』。

最後の幕引き(終わり方)は
好きでした。

ただ、
途中に挟み込まれた
エピソードの個々の幕は
途中に何か
引っかかっているような気がして、
いまだムズムズ感が残っています。



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2016年6月3日金曜日

『人間臨終図巻(上)』(山田風太郎)読みました。



源頼朝、武田信玄、シェイクスピア、
原田甲斐、フィヒテ、ナポレオン、
頼山陽、山岡鉄舟、ヴェルレーヌ、
フーディニ、野口英世、蓑田胸喜、
宮本百合子、阪東妻三郎、向田邦子。

この15人のうち
聞いたことのない人は5人でした。

普通の人なら
全員知っているかもしれないけど、
浅学なぼくは、10人がやっとでした。

この偉人群、何かというと
52歳で死んだ人たちなんだそうです。

って、
この『人間臨終図巻(上)』に
書いてありました。

最初の区切りは10代、20代。
次からは31歳、32歳……と1歳きざみ。

それぞれの歳で
死んだ人の死にぎわの様子を
集めた本です。

冒頭で52歳をあげたのは、
今のぼくの歳だから。

時間的には、
この人たちと同じ長さだけ生きているのに、
「なんてことでしょ」
と自分を戒めるために並べてみました。

それにしてもまあ、
よくもこれだけ集めたもんです。

この本(上巻)は約500ページあります。

このあと中巻、下巻と続き、
それぞれ同じくらいの厚さ。

総勢1000人くらいの
「どんなふうに死んでいったか」が
書かれています。

死を集めてるってトコが、
なんとなく縁起が悪そうで、
最初は買うのをためらっていたんですが、

今読み進めている
「山田風太郎ベストコレクション」の
最後の3冊なので
「エイヤー」って声かけて
レジに持って行きました。

思い切って手に入れて(そして読んで)、
まあ良かったです。

コレクション制覇まであと2冊。


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2016年6月1日水曜日

『親鸞 完結篇(上)』(五木寛之)読みました。


夢はたいてい
シュールなものですが、
先日見たのも、
現実にはあり得ない場面でした。

なぜかぼくは、
長靴を買いに来ています。

店員さんが、
ぼくに合うサイズを
店の奥から何個も何個も
引っ張り出してくるのですが、
どれも合わない。

長靴が大きすぎるんです。

とはいえ、
ぼくが店員さんに告げた
自分のサイズは59センチ。

んで、
出てくるヤツはみんな
70センチとか80センチとか
100を超すのもたくさん。
(長靴の高さじゃないですよ底の大きさ)

そこではデカすぎるなんて
夢にも思ってません。
(現実世界のぼくの足は28センチ)

店員さんは、
箱に書かれているサイズを確認せずに、
次々と長靴を取り出し、
ぼくに試し履きさせようとします。

いい加減うんざりしてきたぼくは、

「もう長靴がつまらなくなってきました。
 面白くないので帰ります」

と、なんかずれてる物言いをする。

それを聞いた店員さんは慌てて、
そばにあった113センチの長靴を
おもむろに抱えると、

その脇についていたボタンを押しました。

すると、
長靴の側面にパソコンのキーボードが
もっこりと出てきたんです。

「わー、面白いじゃないですか!」

とぼくは飛びつき、
サイズの合わない長靴を
購入しようとお金を出したところで、
目が覚めた、と。

で、この『親鸞 完結編(上)』。

付け足すものが面白ければ、
真面目すぎて堅そうだと思いがちな題材でも、
立派に「わー面白いじゃないですか!」
と感じられます。



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