音楽についてはあまり詳しくないんですが、
曲をつくるときの「編曲」って工程が、
かなり重要だって話は聞いたことがあります。
核になるメロディーとか歌詞なんかも、
もちろん大切なんでしょうが、
この編曲によって、
まったく印象の違う作品に仕上がっちゃうとか。
昔聞いたゆったりしみじみのフォークソングが、
編曲の妙で、よー、よー、なんて合いの手が入る
ラップになっちゃったりする。
ビートルズが演歌になって、
「あッ、せんすいかん」とコブシをきかされたりする。
素材をどう料理するかってことなんでしょうね。
料理の仕方によって、美味しいものはより美味しく、
まずいものも美味しくなる。
逆のパターンもあるでしょうが。
で、この『王の逃亡 小説フランス革命7』。
音楽でいえば、編曲の妙。
読んでる最中、にんまり顔がずーっと続く
美味しい喜劇に仕上がってました。
料理の仕方が上手なんでしょうね。
だって内容はタイトルの通り「王の逃亡」なんですから。
ふつう王の逃亡なんていわれたら、
「あちゃぁ、重そうだな」って思うでしょ。
でも、読んでみれば、にんまりで、
ときどき「ぷっ」と吹き出す。
楽しいっす、この本。
王の逃亡 小説フランス革命 7 (小説フランス革命) (集英社文庫)
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佐藤 賢一
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