2021年2月26日金曜日

『北の夕鶴2/3の殺人』(島田荘司)読みました。


〈あまり計画は立てないようにしている。
 自分とは別に、人生は人生なりの計画を
 用意しているらしいから。
 自分が望んでつくった計画と、
 彼が何らかのお導きに従って敷いていくレールとが
 重なることはめったにない。
 ぼくの計画が採用される確率は1割もなく、
 百点満点のテストなら2点くらい。
 名前さえ書けたら、出席点としてもらえる
 おまけみたいなものだ。
 なら、名前も書かずに白紙で
 身を任せるほうがいいと思って〉

……どっかで読んだフレーズを
引用しようと思って、
冒頭の「あまり計画は〜」の1文だけ書いたら、
もとの文章をまったく覚えていないのに気付いて、
そのあと、なんとかと意味をつなげようとしたら、
長々となっちゃいました。

そもそも、
誰がどこで書いた文章なのかも覚えてないのに、
引用なんかできるわけないっすよね。

つまりはまあ、
やりたいと思ってもままならないのが人生で、
そんならあんまり「やりたい」なんて考えないで、
時の流れに身を任せれば、
精神衛生上いいんじゃないかと、
そんなことをいっていたんです。
誰がどこに書いたか忘れちゃっている
ぼくが引用したかった文章って。

あらら、
そんなことくどくどと打ち込んでいったら、
こんなに文字が埋まっちゃいました。
だから、いいね、今回はこの辺で。

で、この『北の夕鶴2/3の殺人』。

ふむふむ。面白かったです。
でも、上に書いた内容と、
本の内容はまったく関係ありません。
自分の計画と人生の計画が、
あまり関係していないのと同じように。




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2021年2月16日火曜日

『俺はエージェント』(大沢在昌)読みました。


読み終えたのは2月4日。
んで、これを書いているのは2月16日。
読了日から2週間弱過ぎちゃってます。

もともと
人様に劣る記憶力しか持たない上に、
加齢の影響もずんずん積み重なっている状況で、

約2週間ってのは、
記憶耐久環境にとって永遠にも等しいスパンなので、

いくら脳みそをワクチンのまねして
マイナス75℃で保存しようが(してないけど)、
読み終えた物語の内容を覚えていろってほうが
土台ムリだろうと思いきや、

いやいや頭の中には結構残っていたんです。
自分でも驚きです。

なんやかんやが重なって、
書かなきゃと気にしながらも、
放置して、放置しちゃうと、また気になって、
そんなのを繰り返していたら、
お話の内容が頭中離脱することなく、
こびりついて残っちゃったようです。

で、この『俺はエージェント』。

ま、面白かったってことも、
忘れないでいられた1つの理由です。





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2021年2月5日金曜日

『改訂完全版 斜め屋敷の犯罪』(島田荘司)読みました。


何かの拍子にその作家さんの作品にはまり
マイブームがもたらされることがあります。

何年か前にあったのは山田風太郎さん。
そんときは確か
角川文庫で20冊か30冊くらいの
傑作選シリーズみたいのが出ていたから、
それを順繰りに入手して、
ごくごくと読み進めていきました。

そのマイブーム対象作家が、
現役の作家さんだったら、新刊が出るたびに
飛びついていけばいいんですが、
山田さんはもう亡くなっている方だから
そうもいきません。

なので、
既刊シリーズの順番読みをしていました。
でもそれが箱に入ったような
全集本だったら敬遠していたな。
あれ、読むのに重いですから。

んでもし、
そんな文庫の傑作選シリーズ系をみつけられない
マイブーム作家が出現したときには、
ネットなんかに
オススメランキングとかが出ているので、
それを参考に人気順で
こなしていくことになるようです。

で、この『斜め屋敷の犯罪』。

ネットの島田さんのランキングをもとに選出。
確か5位以内だったと思います。
面白かったけど、
このあとだんだんランキングが下がっても
マイブームが継続されるか、ちと不安。





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2021年2月2日火曜日

『たかが殺人じゃないか』(辻真先)読みました。


昨年亡くなった大林宣彦監督の生前に
雑誌か何かの取材で
インタビューしたことがあります。
もう20年以上昔のことですけど。

聞かせてくれたお話の中で
今でもよく覚えているのが、
黒澤明監督のエピソードです。

大林さんは、黒澤作品『夢』の
メイキングビデオを撮っていて、
撮影中の黒澤監督に
べったり張り付いていたそうです。

本番を、何度も何度も繰り返し、
思うようなカットが撮れないでいるとき、
黒澤監督は現場の隅っこのほうにしゃがみこんで、
いじけた少年のように
地面の乾いた土をいじくっていたといいます。

近くにいた大林さんに気づくと、
小さくかぼそい声で
「大林くん、うまく撮れないんだよ」と
土を指でじゃりじゃりしながら言ったとか。

そんな巨匠の一面を教えてくれたあとで、
大林さんは
「作品の出来がいいとか悪いとか、
 もうそんなことは関係なく、
 80歳で映画をつくり上げるという偉大さに、
 ぼくは感動したんだよ」
と話してくれました。

そういえば大林さんも
傘寿を過ぎて作品を仕上げていましたね。
リスペクト。

で、この『たかが殺人じゃないか』。

あちこちで
「御年88歳のミステリ界のレジェンド」と
紹介されてる著者さん。
ホントにその年齢だけで、尊敬できちゃいます。





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