2021年12月28日火曜日

『あなたの癌は、がんもどき』(近藤誠)読みました。


エクセルの表に何の本を読んだか
記録をつけています。

感想もどきはここに書いてるので、
入力してるのはタイトルと著者と、
好みの度合い(5点満点の☆)だけ。

年が変わったらシートを追加して、
同じファイルをずっと更新して
使っています。

始めたのは2010年。
だからこの「BookList.xlsx」って
名前のデータには、2021年までで
12枚のシートが入ってます。

年間に百くらいだから約1200冊分ですね。
いつも思うけど、その内容を全部覚えていたら、
もう少しましな文章を書けたり、
軽やかな立ち回りができたり、
みんなから尊敬されたりするんだろうな。

でも、忘れちゃってる。

え、でもちょっとは覚えてるんじゃない。
なんてことを考えて
10年前の2011年のシートを開き、
ぐりぐりとスクロールして、
ぺこっとクリックした先の
たまたま当たった本を再読し、
どれだけ覚えているか確かめました。

当たった本がこの『あなたの癌は、がんもどき』。

確かめるまでもなく、一字一句、忘れてました。




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2021年12月23日木曜日

『元彼の遺言状』(新川帆立)読みました。


少し前に、エコドライブについて
書いたような気がするんですが、
そのときは確か、
クルマを発車させるときの
アクセルの踏み方に関して
あれこれほざいた記憶があります。

急発進は燃費が悪く、
地球を暑くさせる二酸化炭素を
たくさん出してしまうから、
ペダルはふんわり踏んで
ゆっくりスタートしましょう、みたいな。

それ知ったのは、何かのおりに、
それ関連の動画をみたから。

ディーラーで点検が終わるのを
待っている時間に流れていたのかな、たぶん。

動画では、エンジンをかけてから
発車するまでの時間のこともいってました。

昔のクルマは、
キーを回してきゅりゅきゅりゅと
エンジンを動かしたら、
そのままの状態でしばらく待ち、
暖まってからゴーしてた。
そうしないと、どこかしらに
不具合が出るってことだったんですが、
今はもうそんなことしちゃダメって言ってました。

性能がよくなったから暖機運転は必要なく、
クルマを動かさずに燃料使うのは反エコで、
エンジンだけじゃなく
地球も暖かくなっちゃうんだと。

そういえば、新車を買ったときに、
最初の2000キロまでは慣らし運転で、
エンジンの回転数を2000以上に
しちゃいけないっていわれてたけど、
今は、それもしなくていいと、
どっかで聞いたような。

最初は固くてあちこちぎくしゃくしてて、
使い込むうちスムーズになるっていう
世のならいは、どこかにいってしまったようです。

で、この『元彼の遺言状』。

最初はぎこちなく、だんだんとスムーズに。
そんな感じを受けました。
世のならいは、まだ健在。
きっと作品を重ねるごとに、
どんどん上手になっていくんだろうな。
とはいえ最初からとっても上手だけど。




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2021年12月21日火曜日

『泥棒は図書室で推理する』(ローレンス・ブロック)読みました。


仕事場はなるべく1週間に1回
掃除しようと思っています。
できないときもあるけど、なるべく。

そんなに広くはないけど、
とりあえずブロックごとに
移動できるものは動かし、
避け終わったらはたきかけて、
掃除機がないので
クイックルワイパーで掃いてほこりを集める。

その第1ブロックができたら、
避けていた椅子とか
キャスターつきの袖机なんかを、
きれいになった第1に寄せ集め、
空いた第2ブロックで同じこと
(はたき&クイックる)する。

あ、その前に雨が降ってなかったら
ベランダもはたきと箒でキレイにします。

部屋とベランダができたら
トイレと玄関をぞうきんでふき掃除。

そんなことしていると
なんだかんだで1時間ちょいかかっちゃう。

もう十年以上も同じとこにいて、
掃除の手順も変わらないので、
所要時間はいつもほぼ一緒です。

ところがそれ、
やたら短くなるときが極くたまにあるんです。
「あれ? 今日はなぜか早く終わった…」
と振り返って考えると、
そんなときは必ずどこかの工程が抜けている。

あ、トイレやってないじゃん。
第2ブロックにはたきかけてないじゃん。
クイックるしてないぞ。

でももう、気持ちは次のトコ行っているので
ま、いいか、今度やろって考え
終わらせちゃいます。

で、この『泥棒は図書館で推理する』。

チャンドラーさんも
殺人事件を出しておきながら
犯人を示さないでいたことあったんですね。
それもオマージュしてるんですわ、この本…。
ま、いいか。今度やれば。




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2021年12月16日木曜日

『呼吸の科学』(石田浩司)読みました。


2年ほど前までは
街中、電車、バスなどの
人の多いところに行くときは
いつもガムを噛んでいました。

そうしていると口の中に唾液が出るので、
もしバイ菌みたいのを吸ってしまっても大丈夫、
と、どこかで聞いたからです。
(自分の頭の中だけで発想された
 脳内伝説かもしれませんが)

悪さするヤツは唾液が流し
即座に胃液に溶かされて無害化される
…みたいな。

会社にある机の引き出しには
ガムがストックされていて、
帰宅時にはそれを口に放り込んでから
バスに乗りってました。

引き出し内の在庫数には
常に気を配っていて5パック以下になると
買い出し補充してました。

でも今、引き出しガムは
ゼロ状態がだいぶ続いてます。

だって、マスクするようになっちゃったから。
それしてれば、バイ菌みたいなのは吸わないだろうと、
それならガムも要らんだろうと。

で、この『呼吸の科学』。

ガムで始めてマスクに引っ張れば、
呼吸の話題につながるかと思ったけど、
つながりませんでした。残念。




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2021年12月14日火曜日

『生きのびるための流域思考』(岸由二)読みました。


新聞や雑誌なんかにオススメの本
といったコーナーがよくあります。

その記事のタイトルが
「書評」ならいいんですが
「オススメ」系の題字がついていると、
それは読んで字の通りなので、
その記事を書いた人もしくは編集者とか
発行している会社の人が、
「これは面白いから読んだほうがいいよ」
と感じた書籍になるんだと思います。

さてそこで、ぼくが知りたいのは、
そのオススメ本にたどり着くまで、
その記者さんは、
どれだけのオススメできないものに
目を通しているかです。

ぼくの感覚からいうと、
ホントにいいと感じる本って
100冊読んでも数冊くらいしか出てこない。
たいていは、
読んでいて楽しいけどまあ普通という程度。

十数冊当たって1冊だとしたら、
どんだけ時間を費やせば、
オススメコーナーに載せるものを
見つけられるんでしょうか。

それとも、専門の記者さんは、
良書探査センサーがものすごく発達していて、
一発必中なんでしょうか。

で、この『生きのびるための流域思想』。

この本じゃなかったので次いきます。
そうか! ぱらぱらめくっただけで読めちゃう
速読法を体得すればいいのか。




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2021年12月9日木曜日

『ペッパーズ・ゴースト』(伊坂幸太郎)読みました。


主人公のツキナシは、
ハクション大魔王のアクビちゃんみたいな
イタズラ意地悪な霊体魔少女(以下、アクビ)に
取り憑かれている。

ツキナシがこんなことしようって計画を、
頭の中で想像すると、
アクビはそれを透視して邪魔だてする。

もちろんツキナシは
アクビの存在には気づいておらず、
透明なのか、宙に浮いているのか知らないけど、
そんなヤツが、人生ロードを険しい難所ばりに
しているなんて思いもしない。

だからツキナシは、
ほとんどあきらめの境地に達していて、
それでもわずかに残っている
明日への希望を振り絞り、
「なぜこんなにも上手くいかないのか」
と分析する。

分析の結果、
「頭に思い描いたときは失敗し、
 想像しないときには上手くいく」
の法則を発見する。

アクビが邪魔できるのは
事前に頭の中のイメージを知るからで、
その情報がなければ何もできないからだが、
その根本原因までは彼には推察できない。

そしてさらに
その分析結果をこねくり回して考え、
たどりついたのが
「起きて欲しくない出来事を想像すれば、
 それは起きない」
の法則だった。

アクビには、ツキナシの脳内映像が、
期待から生まれるものなのか、
拒否したい事柄なのか判断する力はなく、
なんでもかんでも邪魔するからだが、
そこまで彼は推察できない。

つまりは
「心配すれば、
 その心配事は起きずに回避される」
の法則。

そんなこんなしていると、
ひょんなことからツキナシが
アクビの霊的存在に気づいてしまう。
さて、どうなるでしょう。
……ってなあらすじの小説を
書いてみようかなんて思ったことがありました。

で、この『ペッパーズ・ゴースト』。

この本に
「心配すれば、
 その心配事は起きずに回避される」
の法則みたいなのを信じてる
登場人物が出てきました。

おこがましいけど、
伊坂さんと同じ発想をしてた自分が
誇らしくなりました。




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2021年12月7日火曜日

『向田邦子ベストエッセイ』(向田邦子)読みました。


ぼくの自慢できるもののひとつに、
字の汚さがあります。

それは年々ひどくなっているようで、
インクがきちんと出るかどうかを
確かめるときのグチャ書きのほうが、
紙に止まった蚊を押しつぶした跡のほうが、
よっぽど日本語に見えるようになっています。

とはいえそんなぼくでも、
「この人には勝てない」
と思える人がいました。

昔、一緒に働いていた上司。

電話があった旨を知らせるメモか何かを
机に残してくれたのですが、
まったく読めない。

仕方なく折れクギ流免許皆伝上司のとこに、
紙片を持って判読をお願いしにいくと、

「えーっと……こんな汚ねー字、
 読めねえよ。もっとキレイに書け」
と怒られました。

思わず笑い、一種、尊敬の念も抱きました。
「自分の書いた字が
 読めない人っているんだ、すごっ」って。

そのときはぼくの字もまだ皆伝のレベルには
達していなかったんです。

自分自身であれば
読み下せるくらいのよちよち段階。

とはいえ精進を重ね、
今では3分前に記した走り書きの
意味するところも不明になる域に登りつめてます。

で、この『向田邦子ベスト・エッセイ』。

たしか向田邦子さんも悪筆だと聞いた気がして、
そんなエピソードが入ってないかと読んだ本です。
ほんのちょっとだけ出てきました。




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2021年12月2日木曜日

『店長がバカすぎて』(早見和真)読みました。


この前、
家の冷蔵庫が急に動かなくなってしまい
(製造は2004年となっていて、
 ってことは17年も使ってたんですね。
 お疲れさまでした)
かみさんと二人で近くの量販店へ
急いで買いに行きました。

昔のマンガによく出てきたロボットの
頭と手足を取り外し胴体だけ残したような、
四角いだるま落としのような
(あーもっとドンピシャの表現ないかな、
 うーん出てこない)
まあ、つまりは家庭用冷蔵庫が
ずらりと並んだ売り場に着くと、

いつのまにやら店員さんが脇にいて
「サイズはわかりますか?」
と声をかけてきました。

慌てていたけど、それだけは
行く前にメジャーで測ってきたので、
得意顔で答えると、
「じゃあ、これが人気ですね」
とか言って、
スタンドアップボード・ツー・ウォーター
(立て板に水)のごとく、
ここがいい、あそこがいい、
ほかにはこの機能がついていない、
この色をみなさん褒める
……などとおっしゃるので、逆らう気力も
ウォーターの水流に飲み込まれてしまい、
おっしゃる通りの製品を頂くことにしました。

届け先とかの書類を書いているとき、
ふと目に留まったのが店員さんの名札。
てっきり量販店の社員さんかと思っていたのに、
その冷蔵庫メーカーからの
出向販売員と記載されてました。
ふーん、そうなのね。

で、この『店長がバカすぎて』。

本屋さんのお話です。
本屋さんでメーカー(出版社)の
出向販売員って見たことない。
よかったよかった。




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2021年11月30日火曜日

『ヨルガオ殺人事件(下)』(アンソニー・ホロヴィッツ)読みました。


これもまた前にもいったかもしれませんが、
ぼくはかみさんに付き合った
スーパーでの買い物のときを、
格好の読書時間にしています。

土日の休みに1週間分の食料なんかを
仕入れに行くんですが、
品を選んでカートに入れていくのはかみさんで、
ぼくはカートを押してその後ろをついていく係。

だから視界の端に彼女を捉えておけば、
押し手の部分に本を乗せ、
読みながらでも役目はこなせるんです。

ただそのとき読書中の本が単行本だと、
ちょっとサイズが大きくて扱いづらい。

その点、小さな文庫本なら
広げて抑えておいても
カートの振り回しには不自由なく、
右左折Uターン急発進急停止、
人避け店員避け、
寝ころんで泣いている子ども避けでも
まったく問題なし。

で、この『ヨルガオ殺人事件(下)』。

その買い物時のカート乗せ対象は、
家で読んでいた単行本でした。
でも、前述の理由もあり、
通勤リュック内にあったこの本にしちゃいました。
文庫本だし、面白過ぎるので早く読みたかったし。




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2021年11月25日木曜日

『ヨルガオ殺人事件(上)』(アンソニー・ホロヴィッツ)読みました。


昔はそんな趣味はなくて、
いつからそっち系にかたよるようになったのか、
自分でもはっきりしないのですが、
気がつくと自虐系の雑文を
好んで書くようになっていました。

あることないこと、もりもりに盛って、
書きながら「いやそこまではないだろう」
なんてつぶやきつつ、にやにやしてるんです。

いじめを欲するMではないのに、
自分をネタに笑いをとるのが心地いいんです。

分析するに、
まず「笑いが好き」がある。
次に「憶病者である」がある。

臆病モノのビビリだから、ほかの人が
「未曾有」を「みぞゆう」って読んでも、
「はははっ、間違った間違った」
と笑うことはできない。
だって怒られそうでしょ。
ビビリですから叱られるのはとってもイヤ。

だけど、笑いたい。
じゃあ、怒られずに、
失態なんかを「がっははっ」と誰の目も気にせずに
呵々大笑できる対象(韻を踏んでます)は、
ないものか。

いるでしょ、目の前に、いや、目の奥に、
いや目そのものというか、自分でしょ。

で、この『ヨルガオ殺人事件(上)』。

著者自身を情けないキャラクターとして登場させて
ユーモラスに描くのは、ぼく的な自虐……
……あっ、間違った。
それは、同じ著者の前に読んだ本でした。
この『ヨルガオ〜』じゃなかった。
どうしよ、まいいか。
えっーと、面白かったです。




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2021年11月18日木曜日

『インスタグラム:野望の果ての真実』(サラ・フライヤー)読みました。


もう5、6年くらい前になるでしょうか。
出身高校のバドミントン部で
毎年開いているOB会に行ったときの話です。

そうここ2年は、大人数が集まって
流行り病を広げちゃいけないと、
開催が中止になっていて、
その3年ほど前だから、
やっぱ5年以上はたってますね。

そこでは、現役の高校生と
卒業生のおじさん、おばさんが集い、
学校の体育館でバドミントンの試合をします。

ぼくもかつて高校生をやっていましたが、
それはもう半世紀近くも前。
十代なんて恐れ多い人たちと話をすることさえ、
とんとありません。
なので例年、
やんごとなきヤングなお方たちとは距離をとり、
借りてきた猫状態でいるため、
事務的な会話くらいしかしないのですが、

そのときは、どういうわけか
4、5人の現役生に囲まれ、
無理くりに和やかな雑談を
交わさなくてはならないという
危機的場面に陥ってしまったんです。

なぜか顔と脇の下と手のひらに
じっとり汗がしみ出る中、
「そうだ!」と、
話題にできるネタを思いつきました。

高校全体の同窓会で広報委員ってのをやっていて、
ついこの前、その広報誌の中で、
バドミントン部の紹介記事を書いていたんです。

「みんなさー、あのバド部の記事、読んだかなあー。
 あれ、おじさんが書いたんだよ」

で、この『インスタグラム:野望の果ての真実』。

「えーホントですか? アレ見てみんな喜んで、
 インスタにあげまくったんですよ」。
そのインスタのことが書いてある本でした。




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2021年11月11日木曜日

『砕かれた街(下)』(ローレンス・ブロック)読みました。


クルマで燃費のいい走り方をするのを
エコドライブというらしく、
地球環境にやさしくするぜといいつつ、
実は高くなっているガソリン代をケチるために、
ぼくも気がついたときには、
うろ覚えのエセドライブじゃなかった
エコドラえもんをしています。

何やらクルマってのは、
発車のときに燃料をたくさん使うらしく、
それを抑えるために、
赤から青に変わってゴーのときに
「ゼロヨンだーぶっちぎり!」と、
はやる気持ちはしまっておいて、
エンジンの回転数をなるべくあげないように、
足首の力を抜きアクセルはふんわり
なでるように踏む、
というより足裏をそっと乗せる。

そうしてちょろちょろと走り出して、
慣性の力でススーと動き出すようにする。

そんな運転の仕方が
エコのトレンドなんだそうです。

思えば、最近の小説とかは、
そのエコ方式とは真逆な展開が
多いような気がします。

スタートからゴーゴーゴーで、
お話がぐんぐん加速して、
ローギアで1万回転くらいひっぱる。
燃料はたくさん使う気がしますが、
まあ、そういうほうが楽しいです。

で、この『砕かれた街(下)』。

エコドライブな感じでした。
上巻はふんわりアクセルで、
下巻に入ってゆっくり加速。




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2021年11月9日火曜日

『泥棒は抽象画を描く』(ローレンス・ブロック)読みました。


編集とか出版の仕事をしているって話すと、
ときどき「それじゃあ、幅広い分野の
いろんな物事をたくさん知ってるよね」
って言われるときがあります。

もちろん、
普段のぼくを知っている友だちなんかからは、
絶対にそんな発言は出てこないのですが、
仕事とかで知り合ってつき合いの浅い人は、
出会って間もない一瞬だけ、
そういう一般論的なくくりの
知的グループの一員に入れてくれるようです。

そして、ものの10分ほども根詰めて話すと、
知的グループに入るどころか
補欠にも足がかからず、幼稚園児のほうが、
ぼくよりましなヤツが大勢いると気づく。

確かに同じような仕事をしている仲間には、
「なんでそんなこと知っているの」って
あきれるほどの人がごっそりいます。

ぼくだって、ゼロから勉強して、
パソコンの本とか、社会経済の本とか、
哲学心理学系とか、
生物学とか数学とかエコとか
あれこれやってきてはいるんだから、
それが全部頭の中に残っていれば、
知的グループ1軍の花形選手になれる、
いやルックスからいうと花形じゃなく
伴宙太ぐらいですけど。
(「ばんちゅうた」の漢字がわからず、
  ググったらこんな字だったんだと、ちと驚き)
でもまあ、無理なわけですわ。

で、この『泥棒は抽象画を描く』。

とはいっても、
脳みその中の遠い遠い辺境に
今にも消えかけているけど
かろうじて残っている知識もあるんです。

この小説に出てきた画家のモンドリアンのことも
そんな干からび知識の中にありました。
そのお陰でとっても楽しく読めました。




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2021年11月2日火曜日

『エアー2.0』(榎本憲男)読みました。


日経新聞木曜日の夕刊には
最終面に書評が載っていて、
どの本を読むかの参考にしています。

でも最近、
紙面構成をリニューアルしたようで、
今まであった5点満点の星印評価が
なくなっちゃったんです。

それに加えて、
今まではジャンルの違う3人が
それぞれ3つずつで合計9冊紹介していたのに、
各人1つで計3冊にダウンサイズされてる。

9冊全部に興味を持ったことはこれまでなかったし、
少なくはなったけどその分1冊当たりの解説は増えて、
たぶん評者の負担も減ったのだろうから、
それはまあよしとします。

でも、星の評価は残して欲しかった。

この欄のタイトルは「目利きが選ぶ3冊」で、
選んだ限りはいい本に違いないんだろうけど、
どの書評家が星を何個つけるかによって
自分の好みとの適合具合を判断し、
目安にしていたものなので。

で、この『エアー2.0』。

あ、違います。
書評欄を見て買った本じゃありません。
友だちからのオススメ本なのでした。
好みとの適合は少し難しかったな。




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2021年10月28日木曜日

『海馬を求めて潜水を』(ヒルデ&イルヴァ・オストビー)読みました。


さっき、ネット経由で使う外部のデータ保存サービス
(何と呼ぶのかよくわからず、ググったら
 「オンラインストレージ」っていうらしいです)
にアクセスしたら、どこかに不具合があるらしく、
うまくつながらないので、チトあせりました。

それは無料で使えるやつだから、
絶対になくしたくない大切なデータなんかは
保存しないんですが、ちょっとした資料とか、
もう使わないだろう昔つくった作品なんかは
置いておくんです。

だから例によって、使わないと思うものに限って、
たびたび必要になる。

必要頻度が下がり、もういいかと思って、
そのオンラインなんちゃらにコピーして
自分のパソコンから削除すると
「やっぱ要るわ」ってことになる。

ほんでもって、
「要るわ」ってときに、つながらない。

メールの送受信とか
ブラウザでのエッチサイトの閲覧なんかは
問題なくできるから、
ネットワークに支障があるわけじゃない
と思うんだけど、素人のぼくにはさっぱりわからず、

オンラインなんちゃらの会社サイトにも
不具合報告とかは出ていない。

あきらめて、そのデータなしで何とか用事をこなして、
「あ、そういえば」となにげに思い出し、
アクセスすると問題なくつながるんですわ。
例によって。

で、この『海馬を求めて潜水を』。

ドラマとかに出てくる記憶喪失の話に
「全部忘れてるのに、なぜ言葉は覚えてて話せるんだ?」
と昔から疑問でした。その謎がこの本読んでとけました。
たとえていえば、忘れた記憶は
つながらないオンラインなんちゃらに保存してあって、
「つながらない=記憶喪失」で、
忘れてない話し言葉は
自分のパソコンなりのつながる場所に保管してるから
すぐ使えるってことですね。ということだろう、たぶん。




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2021年10月21日木曜日

『砕かれた街(上)』(ローレンス・ブロック)読みました。


ハードカバーの単行本なんかにはないのに、
ほとんどの文庫本には、
あとがきとか解説とか本文以外の付属が
あるんですよね。なんでだろう。

まあ、大きな本より小さいやつのほうが
重くなくて持っている手が疲れないから好きだし、
それに付属のおまけがついているって
お得感も加わるのだから
決して文句があるわけじゃないけども。
大きな本に付属部分が追加されたら、
余計に重たくなっちゃうし。

そのおまけの文章、確か前にも言いましたが、
本文に入る前に、はじめに読んじゃうんです。

本文の最後のページを閉じたら、
「はい、終わり」にしたいから。
おまけといっても、
目を通さないまま本棚にしまったり、
ブックオフに持っていったりしたら、
かわいそうな気がするので。

好きなモノは最後に食べる、
みたいな感じでしょうか。違うか。

で、この『砕かれた街(上)』。

上巻の読了。解説やらなんやらは、
下巻の後ろについていたので、
ここにはありませんでした。




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2021年10月19日火曜日

『盲目の予言者』(ローレンス・ブロック)読みました。


アマゾンとかの
読者レビューについている★の評価って、
人の心理状態を分析するような人に言わせると、
満点になることも最低になることもないんだと、
どっかで聞きました。
(ここでいうのは、それなりに売れている本で、
 たくさんの人がレビューを書き
 評価している場合です。
 1人が5つ星つけて、他の評価はなく
 それだけだったら、満点は当たり前なので)

評価欄に5つ星ばかり並んでいると、
必ずへそ曲がりな人が出てきて、
「自分はそうじゃない」と主張し、
本心とは違う1つ星をつける。
そこまで極端じゃなくても
1つか2つ評価を下げちゃう。

その逆も同じで、
1つ星ばっかりの酷評だと
「みんなわかってねーな」みたいな
あまのじゃくの人がたくさん星をつけたりする。

ぼくはそういうトコで評価した経験はないけど、
へそ曲がりな性格は自覚しているので、
やっぱりみんなと違う点数を
(自分の本音と少し食い違っていても)
つけるだろうなと思ったり、思わなかったり。

で、この『盲目の予言者』。

うん、これは3つ星だなと思いきや、
アマゾンにあった1つ星を見たら、
「そんなはずない4つ星だ」となりました。




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2021年10月14日木曜日

『時間は存在しない』(カルロ・ロヴェッリ)読みました。


数人の仲間で寄稿し合って
雑誌みたいに1つにまとめて
これまた仲間うちで回し読みする
いわゆる、まあ同人誌みたいなものに
もう30年ほど参加させてもらっています。

ぼくという人間らしき生き物が
57年続いているのも驚きですが、
仲間うちの媒体がそんなにも長期間、
継続発行されてるのは、
単なる驚きだけじゃなく、畏敬すら感じます。

でもね。
ぼくには、あのことわざ「継続は力なり」を、
はっきり感じられるときがないんです。

ぼくにとって30年ほどは
「継続」にならないんでしょうか。
そんなこといったら57年もの期間、
人間らしき生き物を続けている「継続」は、
いったいどんな「力なり」に
なってくれているのか皆目わかりません。

いやいや、ちょっと待って…。
そういえば、仕事とかブログとか、
何らかの文章をつくっているときに、
「この言い回し、初めて使った」
と思えるときがあるな。
それって、もしかしたら、
30年の寄稿修業のお陰かなのかも。

で、この『時間は存在しない』。

あと10回くらい読み返さないと、
ぼくには理解できないことが1回読んでわかりました。
これもどっかで「力なり」に
なってくれることを願っています。




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2021年10月12日火曜日

『快盗タナーは眠らない』(ローレンス・ブロック)読みました。


本や雑誌、新聞なんかの記事を
仕事でつくるとき、参考にするのは、
それなりに信用がおけるトコが
出している情報です。

国の機関が出している報道発表とか白書とか。

特に数字や固有名詞なんかの
正しいものと間違いとが
はっきり区別できるものは、
決して個人のブログなんかから
引用したりはしません。

だってこのブログを情報源に、
一般向けの記事つくったら
間違いだらけは目に見えてるし、
自分が信用できないんだから、
ほかの人が個人でやっていることも
信じちゃいけない。

だから
ウィキペディアに載っている内容も使いません。

個人的な疑問を解消するため
ちょこっとのぞいたりはしますけどね。

まずは官公庁のサイトで探して、
並行して辞書のサイトも検索する。

よくお世話になっているのが
「コトバンク」ってサイトです。
それなりに権威ある出版社の辞書を引けるから。

とはいえ、そこにも
間違い見つけちゃったんですよね、今回。

で、この『快盗タナーは眠らない』。

「コトバンク」内「デジタル大辞泉プラス」では、
『怪盗タナーは眠らない』となってました。
「怪盗」じゃなく「快盗」なんですけど……。
すべてを丸飲みで信用してはダメってことかな。




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2021年10月7日木曜日

『聖なる酒場の挽歌』(ローレンス・ブロック)読みました。


人と人とのコミュニケーションについて
誰かがこんなこと言ってました。
(例によって誰の発言かは覚えてません)

「人間に社会性は必須なので、
 他人と触れ合う機会がなくなると、
 死んじゃうんです」

コロナでいろんなこと自粛しなさいと
要請されてるけど、それが行き過ぎると、
別のところでひどい問題が出てくるよ
という意見の中の一部だったと思います。

それはまあわかることはわかるんですけど、
どこかに「本当かなあ?」と
疑問がわいてくる脳みその1区画が、
ぼくの頭の中にあるんです。

誰一人いなくなった、
まったくぼく一人だけの世界で
暮らしてみたいと考えたりするときがあるから。

寂しいでしょうね、そんなとこ。
もしそんな世界に本当に放り込まれたら、
誰だが覚えてない人が言ったように、
頭がおかしくなって
すぐに死んじゃうかもしれない。

でも、しぶとく生き残って
のほほんと過ごしているかもしれない。

一人で山にこもって修業するお坊さんは、
幽霊でもいいから出てきて
話し相手になってほしいって
気持ちになると聞いたけど、
幽霊は怖いし。
それならのほほんってしてるほうが
いいかもしれないし。

で、この『聖なる酒場の挽歌』。

一人暮らしの探偵は、
友だちと散々飲んだあと、家に帰るけど、
やっぱり帰るのがいやで、
行きつけの店に足を向ける。
寂しいんですよね。
それもわかるから、困っちゃうんです。




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2021年10月5日火曜日

『ヒトコブラクダ層ぜっと(下)』(万城目学)読みました。


マラソンをしている友だちは、
走っている途中で
常にペースを考えていると言ってました。

でも毎朝6キロの道のりを
走って会社に行くぼくは、
ペースのことなど考える余裕はありません。

へろへろの足どりで、
「よし4分の1まで来た」
「あ、あと半分」
「もうちょい、3分の2は過ぎた」
「あと1キロもない」
「ゴール見えた、もうちょい」と、
走り終えることしか頭にありません。

始めはのろのろペースで体力を温存し、
徐々にスピードを上げて
走り切るのがいいんでしょうが、
もう十年もランニング通勤しているのに、
のろのろとアップペースの
区別ができないんです。

のろのろ走っているつもりでも、きつくて、
速度上げれば、さらにきつい。

ひょっとしてある程度継続すれば、
友だちのいうように
ペース管理もできるようになるかと
思っていたんですが、
十年でもまだ足りないようです。
とはいえ、最後の10メートルだけは、
力を振り絞ってダッシュしてるんですけどね。

で、この『ヒトコブラクダ層ぜっと(下)』。

上巻は猛ダッシュの疾走感で5つ星をつけました。
その分、スタミナが続かなくなった
ような気がする下巻は星1つ減っちゃいました。
もしペース配分が逆に感じていたら、
たぶん上下巻ともに星5つだったと思います。




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2021年9月30日木曜日

『泥棒は詩を口ずさむ』(ローレンス・ブロック)読みました。


前回、映画学校時代の思い出の
赤川次郎作品について書きました。

しかしまあ、その作品が何だったのか、
どう頭をこね繰り回しても
記憶に浮かび上がってこないんです。

なので、きーっとなって、
とりあえずその前回の文章を書き終えてから、
ポチっポチっポチっポチっポチっ……
と数えきれぬクリックを重ねてネットを徘徊し、
探してみました。

だけど、
どんぴしゃでこれだってのは結局見つからず、
なんとなく『一日だけの殺し屋』って
短編集じゃないかと思ったんだけど、
はっきりしません。

そこには
「闇の足音/探偵物語/脱出順位/
 共同執筆/特別休日/高慢な死体/
 消えたフィルム/一日だけの殺し屋」
という8つの話が掲載されているらしく、
その8つの中から
自分でやりたいと思った作品を選び、
映像用に脚本をつくるという
課題だったようななかったような……。

そしてぼくの『スティング』パクリの詐欺話は
『闇の足音』をベースに
したようなしなかったような……。

ことほどさようにはっきりしない原因は、
まずぼくの記憶力が貧弱であるのが第1です。
それに加えて、
ネットに載っている情報が、
短編1つ1つのあらすじまで
細かく紹介してないってことです。

で、この『泥棒は詩を口ずさむ』。

やっぱ内容を紹介したほうがいいっすかね。
面白かったんだし。
でも短編集じゃないから、いいか。




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2021年9月28日火曜日

『緑のハートをもつ女』(ローレンス・ブロック)読みました。


30年以上昔の映画学校に通っていた頃の話。
プロの映画監督につきしたがって
作品を仕上げる実習がありました。

赤川次郎さんの短編
(じゃないかも。
 どうしても題名が思い出せません)
を原作というか元ネタにして、
みんながオリジナルの脚本を書き、
その中から出来のいいホンを1つ決めて
1000フィートのフィルムを回す。

その脚本の選考会で選ばれたのが、
なんとぼくの作品でした。

赤川作品から2つ3つエピソードを拾いつつ、
あのどんでん返しの詐欺映画『スティング』の
ストーリーをそのままパクって仕上げた話でした。

ぼくとしては
「えっ、それでいいの?」
ってあぜんとなったんですが、

そのあとに締め切りに少し遅れて提出した
ほかの友だちの作品のほうが格段に出来がよく、
あっさりそっちに決まったのでした。
当然のごとく詐欺話はボツ。

で、この『緑のハートをもつ女』。

詐欺の話でした。
こんなふうに書ければボツじゃなかったのに。




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2021年9月22日水曜日

『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)』(万城目学)読みました。


先日、例の注射を打ってもらいました。2回。
やったあとは、
だるくなったりとか熱が出たりとかするもんだと、
あちこちでいっていたので、
びびりはあったんですが、
ぼくは腕が少し痛くなったくらいで、
それほどつらくはなかった。

1度目のときは、
アルコール綿でこすられた肩のトコが
少しひやっとしたと思ったとたん
「はい、終わりです」と言われ、拍子抜け。

日をおいて2度目のときも前と同じように
針が刺さる感じさえないんだろうと思いきや、
いやいや、痛いじゃありませんか。

泣き出すほどじゃないけれど、
まさに注射された感覚が
ひしひしと伝わってきました。

小さなバンソウコウには、
前のときにはついてなかった血のあとも
くっきり丸く残ってたんです。
あの違いは何でしょう。
2度目はたまたま、
痛みを強く感じる場所に打たれてしまったのかな。
ちょっとズレただけで違うんだろうな、きっと。

で、この『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)』。

ちょっともズレずに、どんぴしゃで面白い。
下巻が楽しみ。




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2021年9月16日木曜日

『遠巷説百物語』(京極夏彦)読みました。


かの世界大運動会は、
バブルとかなんたらとかの
徹底的な対策をとって開催されたようですが、
ぼくらの高校バドミントン部の
例年3月に開かれる年に1度のOB会は、
去年も今年も連続で中止になっています。

そっち分野の専門家なんているはずもないから
バルブの対策はとれないし
(つーかみんな国内にいる近所の人だし)
参加者は観客でもあり競技者でもあるので、
無観客にしたら、誰もいなくなっちゃうので
どうやったって開けない。

でも来年の春なら
なんとかなるんじゃないだろうか、
と淡い期待を抱きつつ、
それならあと半年の間で、
毎度毎度の0勝全敗の屈辱を晴らすべく、
今から身体を鍛えておけば、
おこぼれの1勝が
転がり込んでくるかもしれないじゃないかと考え、
ジムで手首を鍛えてます。

スナップのきいたスマッシュで
1点取れれば勝ちは見えてくるんですから。

ダンベル持って
手首をクイっクイっと上下させること30回。
重し10キロからはじめて
2キロずつアップしていき今んとこ18キロ。
その2キロ増って
やってるときはそれほどでもないんだけど、
後から効いてくるんです。筋肉痛。

で、この『遠巷説百物語』。

読んでるときも面白かったけど、
後からも効いてくる感じです。




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2021年9月14日火曜日

『やさしい小さな手』(ローレンス・ブロック)読みました。


発行日を見てみると
もう10年以上も前になるようで
驚いてるんですが、
その昔、
シェイクスピアについての解説本を
つくったことがあります。

『ロミオとジュリエット』とか
『リア王』なんかの有名な作品は
それなりにページを割いて紹介し、
ほかの戯曲は
ほんとに短いあらすじにして掲載しました。

例えば『恋の骨折り損』という喜劇は

「ナヴァールの王ファーディナンドは、
 三人の貴族と一緒に学問に励むため、
 三年間、女性を近づけない約束をします。
 でもそこにフランス王女と三人の貴婦人が現れ、
 それぞれが恋に落ちてしまいます。
 当初の約束はどこへやら、誓いは破られ、
 彼女たちは後日の結婚を約束され国に戻りました」

だけ。これで全部です。
本当は5幕9場もの
ボリュームがあるお話なんですけどね。

パソコンに数えさせてみたら132文字でした。
あの140文字制限の
短文SNSのツイッターでも楽々つぶやけちゃいます。

小説には短編と長編がありますけど、
こんなつぶやきレベルの文章でも
短編に含めていいのかな。
いや、これは小説ではないですわ。
あらすじだもの。

で、この『やさしい小さな手』。

短編集でした。




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2021年9月7日火曜日

『本当の翻訳の話をしよう』(村上春樹/柴田元幸)読みました。


今この文章を書いているのは
8月26日木曜日です。
ネットによると
外の気温は36℃になってます。
確かに暑い。

喫煙所(6階のベランダ)に出ると、
サウナに来たんじゃないかと間違えるほど。

加熱式タバコの所要時間は約6分なので、
サッシのヘリにしゃがみ込んで
ぷかぷかして一服吸い終える頃には、
ホントのサウナに入ったあとのように
顔中汗が吹き出ています。

ぼくはランニング通勤のあとで
ジムのサウナに毎朝入ってるんですが、
その中にいる時間も同じ約6分。

確かサウナの温度はもっと高いハズなのに、
顔から流れる汗の量も、
全身で感じるもわっと感も、
ベランダと変わらないのはどうしてでしょう。

さらに朝のサウナは走ったあとなので、
ストレッチをしておいたほうがいいだろうと、
あの段々に座りながら運動もしているのに。
あぐらをかく感じに座りつつ
両の足裏をくっつけて
ひざを両手で押し下げるヤツを軽めに100回、
その姿勢で片足を下ろし
上半身を左右にひねって100数え、
次は後頭部を手で押し下げ50、
同じくあごを持ち上げ50、左右に各50、
それから両手を背中で
たすき掛けにように結ぶヤツ各100などで計6分。

でもタバコのときはじっとしているだけなんですよ。

で、この『本当の翻訳の話をしよう』。

そういえば本とは関係ない話で終わるかも、
と前に予告したっけな。
その通りになってしまいました。
『死への祈り』参照。




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2021年9月3日金曜日

『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(頭木弘樹)読みました。


唐突ですが、
直近の既読本15冊を振り返ってみます。
(カッコ内の数字は今年読んだ分の通し番号)

〈47〉小説 妖怪大戦争 ガーディアンズ
〈48〉その裁きは死〈49〉殺しのパレード
〈50〉三体問題〈51〉三体Ⅲ 死神永生(上)
〈52〉泥棒は選べない
〈53〉アインシュタイン方程式を読んだら「宇宙」が見えた
〈54〉三体Ⅲ 死神永生(下)〈55〉暗闇にひと突き
〈56〉泥棒は野球カードを集める〈57〉家は生態系
〈58〉墓場への切符〈59〉バランスが肝心
〈60〉007 逆襲のトリガー〈61〉ザリガニの鳴くところ
〈62〉死への祈り

10冊分を逆にたどってみてやっと〈53〉で
著者が日本人の本になりました。

でもそれは、小説じゃなく
ポピュラーサイエンスの読み物で
論文というか評論というかビジネス書じゃなく、
まあそこら辺のジャンルのノンフィクションです。

では、ということで、わが国産のフィクションは
どこいったと探したら
15冊前の〈47〉でやっと見つかりました。

おいおい、もう少し愛国心を持ったほうがよくね、
と思い立って読書リストからコピペして
並べちゃったのでした。

で、この『落語を聴いたみたけど面白くなかった人へ』。

やっぱフィクションじゃないけど、
純粋の日本発の本でした。
タイトルをもうちょいキャッチーにすると
きっともっと売れるだろうなと思ったけど
大変面白うございました。




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2021年8月31日火曜日

『死への祈り』(ローレンス・ブロック)読みました。


今読んでいる別の本に
明治時代の翻訳家・黒岩涙香さん

(ネットを見ると小説家やジャーナリスト
 という肩書きのほうが
 先に並んでいたりしますが、
 ぼくが読んだの本は翻訳の話だったので。
 ちなみに書名は『本当の翻訳の話をしよう』。
 村上春樹さんと柴田元幸さんの
 対談集というか、まあそんな感じ。
 まだ半分くらいしか読み終えていませんが、
 対談部分よりも、柴田さん単独の
 翻訳うんちくのほうが面白いです。
 この黒岩さんの話もそこに出てきもの。
 もう少ししたら、ここに登場すると思います。
 といってもそのときは、
 いつものように本の内容と関係ない
 ぐだぐだ文章で終わっちゃうかもしれませんが。
 だって、今回もカッコ書きの中に、
 こんなに多量の文字を打ち込んじゃったし)

の面白いエピソードが紹介されていました。

黒岩さんが、海外の小説を翻訳したとき、
そのまえがきだか、あとがきだか、
広告用の文章だかに、

「翻訳とはいってもその作業中は
 原書を見ていない」

と書いていたんだとか。
原書は家にあって、翻訳は会社でやるから、
見返すことができない。だから、
ほとんど自分の創作だといってもいいんだけど、
そのつもりで読んでね、と。

それに対して柴田さんは、
本当に見ないで書いたのなら、
一見だけで物語を吸収できる能力は
すご過ぎるって言ってました。

で、この『死への祈り』。

黒岩涙香さんが訳したものを読んでみたいな。




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2021年8月26日木曜日

『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ)読みました。


確かどこかの本の解説文に、
日本では特にネタバレを嫌う傾向がある
と書いてありました。

そうなんですかね。
ほかの国じゃ物語の結末を話しちゃっても、
それほど文句は言われないんでしょうか。
まあ、人によりけりか……。

前にもいったと思いますが、
ぼくは読んでいる本の
中身の部分が終わったら
すぐに表紙を閉じて、
自分なりにストーリーを思い返したいので、
解説とかあとがきとかは、
本文に入る前に目を通しておき、
最後に読まなくてもいいように
しておくんです。

だからその付属部分に
お話の仕掛けを明かしてしまうような
内容があったら、
楽しみが半減するかもしれない。

でも、ね。
大丈夫なんですよ、ぼくの場合。
ネタバレ攻撃に対抗できる
強い味方がいるんです。

それは持ち前の軟弱な記憶力。

読む前に結末がわかっていても、
本文を読んでいる何日かの間に
忘れちゃうんです。
面白い話のときは特に。

その物語にのめり込んでいるから、
解説でいってたことなんて
頭からすっ飛んでる。

まあ、最初にもいった通り、
日本のお国事情が忖度されて、
ネタバレの解説なんか、
あまり見ないですけどね。

で、この『ザリガニの鳴くところ』。

いやいや面白かったです。
これならホントに、
最初から犯人を知っていても、
忘れて読み進められるでしょう。





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2021年8月19日木曜日

『007 逆襲のトリガー』(アンソニー・ホロヴィッツ)読みました。


将棋の羽生さんが言ってたことだと思います。
いつもいつも頭の中に盤面が浮かんできて、
気をつけないと危なくて自動車の運転も
できないんだとか。

そういえば、
徹夜でマージャンした後で、
疲れ果てて寝ようとしても、目をつぶったら
その裏側にパイがずらっと並んで
眠れやしないってのは何度か経験しました。

そんなのと同じ感じでしょう。
音楽の大好きな友だちがいて、
胸中、常に音楽が流れているそうです。

ウォークマン的なものから聴けるときはもちろん、
それができない状況でも、
通常は無意識のうちに頭の中に曲がかかっている。

そんなとき、もし「無音」だと気づいたら、
慌てて脳内レコードプレーヤーに
針を落としてリズムを刻む。

そんなことしている自分が
心地よくて好きなんだって言ってました。

けれど、
何事にもマイナスの側面はあるようで、
恥ずかしくなってしまう、
ちょっとした失態がときどきある。

つまづく、持っているものを落とす、
人やモノにぶつかるなど
不意の出来事が起きたとき、
頭の中に流れていた曲の歌詞が
思わず口から出ちゃうんだそうです。

普通の人なら「あっ!」というとこで、
もし聖子ちゃんの〈こころの岸辺に咲いた〜〉
まで流れていたら
「赤い!」って言葉が漏れてしまうのだと。
(スイートピー〜以下は急いで口をつぐむんだそう)

で、この『007 逆襲のトリガー』。

読んでいる最中、
ずっとデンデケデンデン♪って
あのテーマ曲が頭の中に流れていました。





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2021年8月17日火曜日

『バランスが肝心』(ローレンス・ブロック)読みました。


全部真っ黒で、
どれがヤニでどれが虫歯だかもわからず、
これじゃ治療できやしない、
って感じのことを歯医者さんに言われ、

「煙じゃないから大丈夫よ」ってウリの
加熱式タバコのアイコスに変えてから、
もう数年たつでしょうか。

確かに黒くはならないから、
これなら大手を振って
歯を診てもらえるようになりました。

以前の紙巻きタバコのときは、
火をつけてから3口くらい吸うだけで満足して、
それでおしまいという1分にも満たない
喫煙タイムだったんですが、

アイコスになると、
これは人工的な機械だけあって1
本当たりの所要時間が決まっており、
所定通りだと6分なんです。

それは結構長く、
なんか間が持たなくて、
空に浮かぶ雲を眺めながら
喫煙時間を過ごしています。

アイコスふかしながら、
ぽつり離れているハンバーガー型の雲に
「消えろ、消えろ」と念じたりして。
だけどたいていは消えてくれません。

で、この『バランスが肝心』。

雲を消す話が出てきます。
きっと6分以上やるんだと思う。




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2021年8月13日金曜日

『墓場への切符』(ローレンス・ブロック)読みました。


ちまたではよく「思えばかなう」
なんてことがいわれますが、
本当に自分の思い描いていた通りの
人生になってる人って
どれくらいいるんでしょうか。

少なくともぼくは、
今のような生活をしていると
想像したことは一度もありません。

社会に出る前の学生時代は、
毎朝満員電車に揺られて
会社に行くのはイヤだと思っていたけど、
毎朝汗だくになりながら
ランニングで会社に行くなんてことは、
へそのゴマほども考えていませんでした。

イケメンといわれるような容姿を
持ち合わせていないのは
幼少の頃から判明していたので、
拾ってくれる奇特な女性は生涯現れず、
孤独な独身生活を送るんだろうなと
思っていたにもかかわらず、
奇特なかみさんが
もう何十年も愛想尽かさずにいてくれて
(と少なくともぼくはそう思ってて)
娘たちも立派な社会人(少なくともぼくよりも)に
なっている。

だいたい昔は
パソコンなんてモノもなくて、
そんな物体を頭の中に
描くのさえできなかったのに、
今じゃあ、その前に一日中座ってて、
ペコペコとキーボードを打っている。

で、この『墓場への切符』。

主人公の2人が将来裕福な夫婦になってるなんて
作者のブロックさんも思ってなかったんだろうな。




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2021年8月11日水曜日

『泥棒は野球カードを集める』(ローレンス・ブロック)読みました。


だいぶ前、
伊坂幸太郎さんと阿部和重さんの共著作品
『キャプテンサンダーボルト』を読んだ書評家が

「御釜(作品中に出てくる湖というか火口湖)の
 設定に無理がある」 って言ってました。

(と、ぼくの頭は記憶してます。
 確か大森望さんの発言だったと思うのですが、
 ネットを検索してみてもヒットしなかったので、
 たぶん違いますね)

今ではもうストーリーは忘れちゃってますが、
そのときは読んだばかりだったので、
「ぼくには、
 どこかにギクシャクした設定があるとは、
 思えなかったけど」とつぶやいていました。

小説を読みながら、疑問に感じたり、
そんなことありえねーと思ったり、
それはこじつけだろうと考えたりするのは、
いいことですよね。

少なくともぼくは、
物語を鑑賞するときの
楽しみのひとつにしています。
(あら探しが楽しみなんて悪趣味だけど)

その愉快なことを、
〈無理設定〉書評家さんはひとつ見つけた。
でも、ぼくは見つけられなかった。きー。

で、この『泥棒は野球カードを集める』。

話が進んでいく中で、
いくつもの偶然が重なって重なって
物語が展開していきます。
そんで結局、それらの多くは偶然じゃなく、
最後にはしっくり収まる。
でも、ひとつだけ収まらないのを見つけました。
悪趣味はわかってますけど。




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2021年8月5日木曜日

『暗闇にひと突き』(ローレンス・ブロック)読みました。


言葉の意味が、
ぼくの頭の中でなんとなくぼやけていたので、
はっきりさせようと、
パソコン辞書で引いてみました。

「ひもつき」って単語です。

〈1〉紐がついていること。「〜の寝巻」
〈2〉女性に、情夫がついていること。情夫のある女。
〈3〉見返り条件がついて、人の言動や物の機能が
   制約をうけていること。「〜の金」

……うん、ありました。ありました。
〈3〉の意味です。

例示に載せられている通りの使い方で
「ひもつきのお金」ってのが出てきて、
これって、何だっけ? とぼやけてきたので
誰かにきちんと意味を言ってもらいたかったんです。

そうそう、なんか条件があって、
それをクリアしたらもらえるお金ってこと。

一般的にいって
仕事でもらえる報酬はすべてこれですね。

一般的な社会に半世紀以上いるので、
だからぼくは、お金がもらえるとなると、
すべてが「ひもつき」に思えてきちゃう。

子どもの頃、お年玉をもらったときには、
そんなのみじんも考えてなかったのに、
歳をとると、いらぬ雑念がこびりついてくる。

あっそうだ、
もう1年ぐらい前になるんでしょうか、
お国からみんなに10万円くれるってのも、
なんか「ひもつき」のような気がして、
びびっちゃってたなあ。

で、この『暗闇にひと突き』。

主人公の探偵は、
5000ドルあげるといわれても拒否したのに、
1000ドルは素直に受け取りました。
5000はひもつきだったようです。
辞書で意味が確定できて、すっきりしました。




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2021年8月3日火曜日

『三体Ⅲ 死神永生(下)』(劉慈欣)読みました。


光瀬龍さんの『百億の昼と千億の夜』を
読んだのは中学生の時です。

いつも「ぐらい」「ほぼ」「確か」
「たぶん」「ころ」など、
「この記憶には自信がないです」
という意味を示す但し書き的な
形容詞や助詞をつけるのに、
今回はきっぱり「中学生の時」と
言い切りました。

たまには、
そんなのもあるんです。

なぜ覚えているかというと、
解説に書いてあった内容を
そのまま写して宿題を仕上げたから。

(今みたいに一瞬でコピペできる機械は
 影も形もなかったので、
 こりこりと鉛筆で書き写しました)

今から40年以上前のはな垂れ坊主時代で
著作権なんて言葉も知らなかったから
違法行為にびびっていたはずはないのですが、

それでも、何でも知っているだろう先生には
「そんな手抜きをしてはいけません」と
叱られると予想してたんです。

ところがどっこい、
返されてきた宿題には花丸がつけられ、
しかも引用した文章のキモの部分に
赤ペンで「この考察は素晴らしい」
みたいなコメントがついていた。

それを見てぼくは、
叱られずにほっとしたのではなく、
後ろめたさ倍増で
びびり累乗の気持ちになりました。

あの先生は『百億の昼と千億の夜』を
読んでなかったんでしょう。
読んだとしても解説までは
目を通さなかったんでしょう。

で、この『三体Ⅲ 死神永生(下)』。

解説(あとがき?)に
『百億の昼と千億の夜』が出てきました。




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2021年7月29日木曜日

『アインシュタイン方程式を読んだら「宇宙」が見えた』(深川峻太郎)読みました。


同時並行で読んでいるほかの本に
『三体Ⅲ 死神永生』(劉慈欣)
ってのがあります。

上下分冊の下巻まで進み
クライマックスを迎えて、
もうすぐ終わるとこです。

「うひゃーそうくるのかい」と
何度もたまげさせてくれる
「5つ星あげちゃう」な作品なんですが、
難解な物理法則とかが出てきて、
ぼくのへなちょこ頭では
深いとこまで理解できないのが玉にキズ。
(このキズは、作品の方についているんじゃなく、
 ぼくのほうに生来から組み込まれているもんです)

それでも、
そうした難しい言葉や現象なんかには
その都度カッコの中に
短い解説が加えられているので、
それをきちんと読めば、
へなちょこ度合いも少しは軽減されます。

きちんと読めばね。

それはわかってます、わかってるんですけど、
アホなことに、読まずに飛ばしちゃうんです。

だって、カッコの中の文字は、
本文の文字の4分の1くらいの
大きさなんですもの。

近くのものがぼやけて
判読できなくなるお年頃ですもの。

本文だって画数がやたら多い漢字は
綿ぼこりにしか見えず、
ぼくだけのオリジナル読み下しを
してるくらいだから。

それでもね、
カッコ書き解説文を読まずに
内容を思い浮かべられる用語があったんです。

で、この『アインシュタイン方程式を読んだら「宇宙」が見えた』。

その用語は「潮汐力」。
このアインシュタイン本に載ってたからです。
そんでこの本は、内容は理解できないのに、
ごっつう面白いという摩訶不思議な作品でした。
こいうの大好き。




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2021年7月27日火曜日

『泥棒は選べない』(ローレンス・ブロック)読みました。


2021年7月5日、
コロナワクチン接種の予約が
できる日がきました。

年齢や病歴なんかで、
予約開始の日程が決まっていて、
ようやくその対象の中に
ぼくも含まれることになったんです。

んじゃあ、早いほうがいいだろうと思い、
朝に電話を入れて、
その日の午後でも翌日でも、と意気込んで、
案内書の接種場所リストにあった
近所の病院にかけました。ピッポッパッ

「ツルルル……○○病院です、
 現在電話が混み合っています。
 しばらくお待ちください……」

そうだろうね、そうだろうとは思ったよ。
そのまま自動音声が5回繰り返され、
一旦切って、5分後にもう一度。
ってのを3回やったらつながりました。

「過去にうちで受診されたことはありますか」
「ありません」
「申し訳ないんですが、
 それだとここではできないことになってますので、
 ほかの集団接種会場などでお願いします」

ふむふむそういうことか。
そういや、それ専用の番号もあったな。
ではそっちへ、とかけてみれば、
今度も同様の自動音声。

ふむふむ、そういうことか。
じゃあ、ネット予約ってものあっな、そっちか。
と、つないでみると、
現状の予約は全部埋まってるとの表示。
ふむふむ、そういうことか。

で、この『泥棒は選べない』。

ぼくも予約日が選べませんでした。
あ、本は面白かったです。
(その後、無事予約はできました)




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2021年7月20日火曜日

『三体Ⅲ 死神永生(上)』(劉慈欣)読みました。


スティーヴン・キングさんの
『アウトサイダー』について、
前半はミステリー
後半はホラー&サスペンス
って感じだと
友だちに言ったことがあります。

自分の発言には
とんと自信がないぼくですが、
その「前半ミステ、後半ホラサス」発言は、
我ながら「そうそう当たってる」と思います。

一言でまとめるとしたら、
それ以外ないっす(ボキャ貧のぼくなので)。

その前半部分である上巻を読んでいるときは、
コナン・ドイルだとかエラリー・クイーンだとかの
本格謎解きにずぶずぶはまっていくような感覚で、
オモロイオモロイとつぶやきつつ、
ひょいひょいページを捲っていました。

その勢いで下巻に入る頃、
あれ? って首をかしげ、
「えっ?そうなの?そっち系?」
ってなり、

まあいいや、
種類は違うけどドキドキはするし
ってことで結局楽しんでました。

で、この『三体Ⅲ 死神永生(上)』。

これも上下巻。
つまり前半部分の読了です。
小説じゃなく「よくわかる最新宇宙科学」
って本を読んでる気がしました。

それはそれでオモロイけど、
下巻になったら
「えっ?そうなの?そっち系?」
の驚きが欲しくなってます。
それなりに楽しみ。




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2021年7月16日金曜日

『三体問題』(浅田秀樹)読みました。


「2000年からスタートすれば
 数えやすくていいじゃん」
なんて理由でその年から会社を始めたんでした。
(実際の登記はその前年だったけど)

だから去年のカレンダーに
2020って数字が出てきたら、
「おっ20周年だ」って思わなくちゃ
いけなかった。

でも、そんなのすっかり忘れて、
いつもの業務をごりごりと
こなしているだけでした。

そういえば、
銀婚式とか、なんちゃら式とかいう
結婚20年や30年のときも、
いつの間にか過ぎてました。

いや2月の記念日はちゃんと覚えてて、
いつもの缶チューハイじゃなく
少し高いシャンパンを買って帰り、
それを晩酌にするくらいはしてるんですよ。

でも、それが何回目なのか
きちんと数えてなくて、
節目の年の数字は
シャンパングラスに見立てた
普通のコップを越えて
過去方向に流れていきました。
かみさん、ごめんなさい。

で、この『三体問題』。

今年50冊という節目でした。
もう、流れていきました。




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2021年7月13日火曜日

『殺しのパレード』(ローレンス・ブロック)読みました。


小説を書くだけじゃなくブックデザインもする
京極夏彦さんのエッセイなんかには、
本のことがとても好きで、
本棚の整理は愛情と執念を傾けて
取り組んでいるなどと記してあります。

ぼくは、
とりあえず中身が読めて楽しめればいいので、
書籍そのものに対してそこまでの愛着はありません。

でも「この本はいつか再読するだろう」と思って、
自宅の本棚にストックしているのが
結構たまっているは確かです。

それを全部、読み直すことにしたら、
もう新しい本を仕入れる必要はないくらい。

どれくらいあるのか数えてはいないけれど、
住宅事情の関係で2つしか置けない本棚は、
前後2列にして背表紙の題名が
見えなくなる部分もちらほらある。

これじゃもう
新しい作家さんシリーズのスペースは
つくれないよな、って思ったところで、
京極さんの「愛情と執念」の言葉が頭をよぎり、
弱音を吐いちゃいかんと自分を戒めたんです。

で、この『殺しのパレード』。

この本もそうですが、
ブロックさんの作品はどれも
「いつか再読」に分類されます。
なので、愛情と執念をもって本棚に挑み、
なんとかブロック枠を確保しました。
ぎちぎちですけど。




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2021年7月8日木曜日

『その裁きは死』(アンソニー・ホロヴィッツ)読みました。


少し前までは山本周五郎賞の受賞作が、
どの本を読もうかと迷ったときの
お助け目安になっていました。

船戸与一さんの
『砂のクロニクル』に度肝を抜かれ、
『夜は短し歩けよ乙女』で
森見登美彦さんにどっぷりはまり、
前から好きだった京極夏彦さんの
『覘き小平次』の受賞では
首が抜けそうになるのを手でおさえたほど
大きくうなずいたもんです。

それがいつの頃からか、嗜好に合わなくなり
今はとんとご無沙汰するようになっちゃいました。

どの辺から離れるようになったのか、
ネットで過去の受賞作を確認してみたら、
2016年の『ユートピア』とか
2018年の『ゲームの王国』あたりで、
なんとなくくじかれてきた感じでしょうか。

一番有名な芥川賞と直木賞には、
たぶん一番有名だからという理由で
触手が動かないぼく(へそ曲がりです)なので、
次は何をお助け目安にすればいいのかと
軽く悩んでいました。

そんなときミステリ分野のいろんな賞を
総なめなんてうたい文句を
結構長い期間目にしてたもんだから、
今年のはじめに
『たかが殺人じゃないか』って本を
かじってみたんです。
それがまあ、ぼく的には合わなかった。

で、この『その裁きは死』。

ホロヴィッツ作品3作目の読了。
うたい文句は『たかが〜』と同じだったので、
どうせダメだろうなと思いきや、
なんとこれがどストライクでした。
海外作品なら有名な賞への迎合もありかな。




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2021年7月6日火曜日

『小説 妖怪大戦争 ガーディアンズ』(荒俣宏)読みました。


本を仕入れるのは、ほぼ月に1回です。
新聞とかネットとかで見かけた情報の中で、
触手が動いたタイトルをメモしておき、
だいたい1万円になるように取捨選択して、
いつもの大きな本屋さんに買いに行く。

そこはネットに在庫情報を載せてるので、
行く前に確認するもの忘れません。

さらに、店に行けば、
入り口近くに検索端末もあり、
どの棚に収まっているかすぐわかる。

この前の仕入れリストにあったのは
『家は生態系』(ロブ・ダン)って本でした。

(値段は2970円。総予算1万円のうち
 3分の1を占めるのに、
 どこでその本の情報を見つけ、
 なぜ触手を動かされたのか
 まったく覚えてなかったけど)

10階くらいの建物全部が書店で、
1階の検索端末で調べると、
在庫は1冊あり、7階にあるとのこと。
なので目的の棚に直行すると
……ないんですね、これが。

見つけ方が悪いのかと思い
店員さんに訊いてみると、
「すみません、さっき売れちゃったんです」

で、この『小説 妖怪大戦争 ガーディアンズ』。

予算の3分の1が余り、
たまたま目についたのを買っちゃいました。
荒俣さんの本は何も読んだことがなかったので。

(それとまだ予算はあったので
 『三体問題』(浅田秀樹)ってのもついでに。
 そっちもいずれここに登場すると思いますが、
 読んでると自分の頭の悪さが身にしみてくる
 本だってことは間違いありません)




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