2019年3月28日木曜日

『理科系の作文技術』(木下是雄)読みました。


「牛丼は松屋よりも
 吉野家のほうがおいしいと思う」
と高校時代から意見が一致している
友だちがおりまして、

そのコンセンサス具合は
五十歳を過ぎた今でも
変わらないのですが、

数年前、
やはり牛丼に関する意見交換の席で、
その友だちと
少しばかり主張の食い違ったことが
ありました。

そのころぼくは、
吉野家の牛丼の味が
落ちたと感じていたんです。
(今はそんなふうに
 感じなくなったところをみると、
 たぶん自分の体調的なものとか
 精神的なものとか、つまりは
 個人的一時的、味覚の変調が
 原因だったんだと思います)

「昔より、まずくなった気がする」
というぼくの発言に、彼は、

「そんなことない、
 牛丼一筋八十年の味は、
 昔も今も変わらない。
 豚丼をやったり、
 定食を加えたりといった
 メニューが一筋じゃなくなっただけだ」
と反論しました。

さらに、
「そう感じるのは、
 お前の生活が飽食になって、
 その舌も身体も
 ぶよぶよになっているからに相違ない」と。

その時代がかった物言いに、
ぼくはなぜか
素直に納得してしまったのでした。

で、この『理科系の作文技術』。

5回か6回目の再読。
これまで「美味しい」と思っていたのに、
今回はなぜか味が落ちたように思えてきて、
……たぶん自分のせい。





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2019年3月26日火曜日

『ザ・スタンド(Ⅰ)』(スティーヴン・キング)読みました。


毎朝6キロの道のりを
ラニング通勤しています。
始めたのはあの震災の年だったので、
もうかれこれ8年以上。

スタートから2、3年たった頃に、
スマホのランニングアプリを使い始め、
走った距離を積算したりしてます。
(もうすぐなんと4000キロ)

スマホはリュックの肩ベルトに
専用ポーチみたいなのをくくりつけ、
その中に押し込んでる。

それをね。
腕時計型の端末に変えようかな、
なんて思ってるんです。

スマホだと、
走っている途中に操作が必要になると
肩ベルトのとこから
引っ張り出さなきゃいけないし、

操作するには危ないから
止まって画面を見なきゃいけないし。
腕時計型なら、
もっと簡単なのかなって思って。

んで、そうなると、
スマホ操作が面倒だからと
敬遠していたイヤホンもつけたくなる。

でも、耳を塞いだら
自動車の来る音が聞こえなくなるので、
周囲の音も聞こえるような
骨伝導のヤツがいいなって。

そうやってだんだんと
いろんなゴテゴテグッズが増えてきて、
本当はパンツいっちょくらいの
軽装備で走りたいのに、
重量級の武器を抱えた軍人みたいに
なっていくような気がします。

身軽がいいのか、
ゴテゴテに囲まれて
あれこれ他の楽しみも一杯がいいのか、
悩んでいるところなんです。

で、この『ザ・スタンド(Ⅰ)』。

とてもパンツいっちょの軽装じゃありません。
本筋ストーリーに、
あれもこれものゴテゴテてんこ盛り。
やっぱ、時計端末からはじめて
あれもこれもに囲まれて走ろうかな。





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2019年3月19日火曜日

『伯爵夫人』(蓮実重彦)読みました。


何回か前に、
ドラえもんに登場するキャラクターを使った
たとえ話を書いた気がするんですが、
えーっと……
自分で書いたのに忘れちゃってるので、
前の分をひっくり返してみます。 

──ひっくり返しの間──

あ、ありました、ありました。
『ゲームの王国(下)』のとき。

「じらす」は、相手を意図的に
イライラさせるという意味の言葉で、
ならば、
わざとじゃない行為で
人を苛立たせたときは、
なんていうんだろうって疑問。

「じらす」行為や、わざとじゃない行為を、
のび太やスネ夫を使って例示したんでした。

なぜ、それを言い出したかというと、
その例示を読んだ人が、
もしドラえもんを知らなかったら
…って考えたんです。

どんなキャラなのか知っているから、
それなりに内容を把握でき、面白がれもする。

でも、ドラえもんが何者であるのか、
マンガであることさえ知らない人だったら、
頭の中はクエスチョンマークで
山積みされちゃうだろうな、と。

で、この『伯爵夫人』。

面白かったです。
ただ、ぼくがドラえもんだけじゃなく、
文学や映画などの古典的名作を
もっと知っていれば、
数倍面白がれたんだろうなって思うんです。
勉強不足。でもエロさは好きです。





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2019年3月12日火曜日

『人体はこうしてつくられる』(ジェイミー・A・デイヴィス)読みました。


前回の小説『ひゃっか』のところで、
本を読む速度について書きました。

そんとき、
「そうだ『数学ガール』のことを
 例に挙げよう」
と途中までは思っていたのですが、
なんやかんや文字を並べているうち、
その話題の入るスペースが
なくなっちゃいました。

なので、
ここに無理矢理押し込んじゃいます。

『数学ガール』は、
だいぶ前に読んだ小説です。
結城浩さんって人のベストセラー。

その本を、
読むのに時間がかかる
「ぼく的代表例」にしようと思ったんです。

細かい内容はすっかり忘れちゃったけど、
面白かったのは覚えてる。
もひとつ、時間がかかったのも覚えている。

だって、数式が出てきたんです。
高校時代、
数学の授業=睡眠時間だったぼくには、
まるで宇宙人の書いた文字列でした。

Σ(シグマ)の上に5が乗ってて、
下にはk=1、右にはakとかって書いてある。

すると、
前のほうに出てきたその数式の意味を
もう一度読み直し、
「そうかそうか、
 kに1から5までを入れ込んで、
 それを合計すると」
とかつぶやきながら、
計算機なぞを叩いたりする。
そりゃ、時間かかるわ。
でも、面白かったんですね。その本。

で、この『人体はこうしてつくられる』。

時間かかりました。
専門用語的な言葉がてんこ盛りで、
行きつ戻りつしながらでしたので。
でも、面白かったんですね。この本。





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2019年3月7日木曜日

『ひゃっか!』(今村翔吾)読みました。


ページ数も同じで
文字の詰まり具合もだいたい一緒の本でも、
読み終えるまでにかかる時間は、
それぞれ違うんですよね。

内容が違うから当たり前なのかなあ、
でも、目で追う文字の数には
変わりはないから、
同じ速度で目線を動かしていれば、
読了時間も同じになるはずで。

ってことは、
本によって目線移動速度が違うのか。

いや、まあそれもあるけど、
目線が進むのは頭で理解できたからで、
文字を追っても何を言っているか
わからん状態だと、前の文章に戻ったり、
難しい言葉で立ち止まったりしながら
脳みそ内の整理をするんで、
つまりは理解速度の違いかな、だろうな。

「本を読むのが好きです」とか言うと、
「じゃあ、分厚くて、ちっちゃな活字が
 ぎっちり詰まった感じの本が好きでしょ」
といわれることがよくあります。

いや、ぼくはそうじゃなく、
スッスすっすとページをめくれるような、
文字スカスカのほうが好きなんです。

目線移動速度、理解速度が
速いほうがいい。

普段も落ち着きがなく、
ふらふら動き回っているので、
じっくり動かず、
黙考って感じになるのが苦手なようです。

で、この『ひゃっか!』。

すらすらスススーって読めました。
著者の今村さんは
時代物をたくさん書いているけど、
こういう現代青春モノも結構いけます。
こっち方面、もっと読んでみたいな。





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2019年3月5日火曜日

『公正的戦闘規範』(藤井太洋)読みました。


今『理科系の作文技術』という本を
読んでいます。

再読です。というか何度目か
わからないくらいの読み返しです。

そんなに読んでるのに、
ぼくの頭に入っている事柄は
ホントに少なくて、
毎回初体験みたいに、
勉強させられてます。

今回、「ああそうだよな」と
思ったのは以下の部分。

引用すると、
「書くことに慣れていない人は、
 誰が読むのかを考えずに
 書きはじめるきらいがある。
 (中略)
 読者が誰であり、
 その読者はどれだけの予備知識を
 もっているか、またその文書に
 何を期待し、要求するだろうかを、
 十分に考慮しなければならない」

仕事で、他の人の書いた文章に
手を入れるとき、よく感じていたことを
ズバッと示してくれました。

でも、小説の場合、
どの層を読者対象にするかって、
難しいとこですよね。

で、この『公正的戦闘規範』。

流し読み的にやっつけちゃうと、
ついて行けないところが約6割。
注意深く読解しても3割はこぼれる。
どうやらぼくは、
この本の想定読者対象には
未熟すぎるようです。





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