2020年10月2日金曜日

『一人称単数』(村上春樹)読みました。


何度もゲラのチェックを繰り返し、
あとちょっとで印刷という
ときになって突然、著者さんから
一部内容の削除依頼がきて、
削らないと出版させないと言われ、
仕方なくトルツメ作業を
することになったけど、

やってみると、
減ってしまうページ数が中途半端で、
そのままだと真っ白のページが
何枚も続くことになり、

格好がつかないから、今ある文章に
できる限り改行を加えて段落を増やし、
読み点も山ほど追加して
文字数行数をかさ上げし、
なんとか白を埋められました。

って話を昔、ある出版社の
編集さんから聞きました。

何ページもの白を埋める
ってレベルまではいかないけど、
ぼくもちょくちょく、
そんな行数調整はやります。

段落の最後の1行が一文字だけ
(句点もあるから正確には
 2文字ですね。「た。」とか)
だと、その下がスカスカすぎて
心が見通されれそうな気がするので、

その前の途中のどこかに
読み点「、」をいくつか追加して
行の真ん中くらいまで伸ばすとか。

逆に行数オーバーのときに、
あちこちの読み点削るとか。

でも、接続詞の後の読み点は、
なぜか残すことが多かったんです。
読みにくくなような気がして。

で、この『一人称単数』。

ぼく気がついた限り、
「そして」のあとに読み点は
入っていませんでした。
それでも読みやすかった。
今度から使おっと。





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