2020年12月17日木曜日

『さざなみのよる』(木皿泉)読みました。


人は、どんな時に泣くのか考えてみると、
大きく2つに分類できるような気がします。

1つは、悲しみとか苦しみとか痛みとか、
「受け入れるのがイヤだー」ってとき。

とっても大好きなあの子に振られて
別れなきゃいけないときとか、

子どもが駄々こねて「買ってー」と泣くのも、
おもちゃが手に入らない状態を
受け入れられないからでしょう。

そしてもう1つは、嬉しすぎるとき。

みんなで一生懸命
地獄の苦しみに耐えながら練習して
大会で優勝したときとか、
自分では精一杯勉強してきたと思うんだけど
やはり志望校はレベルが高かったと
腹をくくって臨んだ合格発表の掲示板に
自分の番号が記載されていたときとか。
(今はメールでのお知らせなんですかね)

その嬉しい場合は、受け入れられないはずはなく、
どうしょうもなく受け入れたいわけですよね。
まるきり反対のシチュエーションですわ。

とすると、とっても悲しくつらい状況にあり
泣くのを堪えているとき、
「元気だして大丈夫だよ」とか優しい声を掛けられて、
泣いちゃうのってどっちになるんでしょう。
優しさをどうしょうもなく
受け入れたいってことなのかな。

で、この『さざなみのよる』。

帯に「書店員が選ぶ泣ける本 第1位」
って書いてありました。
うん、確かに泣けました。
どっちの泣きなんだろう。別種かな。




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