始めたのはたしか、映画学校の授業で
脚本家の先生にメモ魔の話を聞いてから。
常にメモ帳を携帯してて、
何でもかんでもメモとる人がいて、
「その人、いいアイデアを出してくれるんだなあ」
って感じのことを何かのついでに言ってたんです。
それ聞いて、
自分もやろうと思いメモ帳だけは買ったものの、
なかなか習慣にはできなくて、
んじゃまあ、
何でもかんでものメモ取りじゃなくて、
読んでる本の途中に「あっそれそれ」って文章を
発見したら書き写すってことでどうでしょう、
とオンリーセルフの妥協策を捻り出し、
それならなんとか継続できて
2、3年ほどは続けていました。
んで、それやめちゃったきっかけも覚えてます。
その頃は、ネクラな性格はよくないよね
ネアカじゃないとダメっしょ、みたいな風当たりが
ものすごく強くて(少なくともぼくの頭の中では)、
明るく明るく明るくと念仏みたいに唱えている世情でした。
(少なくともぼくの半径2m範囲の世情では)
そんな社会的背景が渦巻いていたある日、
なぜそういう流れになったかは忘れたんですが、
バイト先の先輩に、〈あっそれそれ〉文章抜き出しの
メモ帳を見せたことがあったんです。
ちっちゃな文字で
日付、書名、作者、文章が並んでる紙面を
パラパラと眺めた先輩は、ふーんと言いながら帳面を返し、
ぽつんと「お前ネクラだな」とつぶやきました。
それが、やめちゃったきっかけです。
で、この『ホルモー燦燦』。
あのメモ帳を続けてれば、
きっと書いておいただろう言葉がこの作品の中にありました。
今、本が手元にないんで、うろ覚えですが
「予想できない人生を進んでいるときを青春っていうんだ」です。